SSブログ

[ヤレ、ヤレ] [deporte]

 

夜中、テレビでMLBのマリナーズの試合を見ながら寝てしまった。
眼が覚めると午前8時過ぎ。マラソンはすでに始まっていた。

ちょうど原が後退していくあたり。勢いに乗った若手もこの熱闘には対応できなかったのか。スタート前に勝負の半分は終わっているといわれる競技だけに……、ベストコンディションのつもりでもいざ走ってみたら、という競技だけにムズカシイ。

優勝はケニヤのヌデレバで2時間30分37秒。2時間20分を切ろうという実績のランナーの記録が、30分を切れなかったことでも、このマラソンがいかに過酷だったかがわかる。

しかし、土佐礼子の精神力には改めて驚かされる。
彼女は過去のレースでも、置き去りにされた後、ゴール前で抜き返したシーンを見たことがあった。ふつう後半戦で後続に抜かれると気力、体力とも萎えてしまうものだが、あの粘り強さは驚異。
スタジアムに3番手で入っていく土佐の後ろ姿をテレビが映していた。苦しそうな走法、誰かに似ていると思った。……君原だ。君原健二だ。
あの円谷幸吉が銅メダルを手にした東京五輪で8位、次のメキシコ五輪で銀メダルを獲った君原。あの苦しげに顔を“イヤイヤ”しながら走る独特なスタイル。

土佐は君原ほど首は振らないけれど、ぶれない下半身とスライドしていくような足の運びがよく似ている。それに、多分、2時間半あまりを支える精神力も。

とにかく、3位と4位ではえらい違い。多分4位であっても、故障をしないかぎり北京五輪には選ばれただろうが、この時点でチケットを手にするか、しないかは大きな差。選考レースは無視して、ひたすら本番までのトレーニング、調整スケジュールをこなしていけばいいのだから。

選考会の結果次第だが、順当にいけば、マラソン代表あと2人のうちひとりは、実力日本ナンバーワンの野口みづき。もうひとりは今回17着だった原他、熾烈な闘いになるのでは。土佐のステイプルメイト、渋井もいるし、復活を期す高橋尚子もいる。

とりわけ高橋は多分、土佐とほぼ同世代ではなかったか。もう“終わった”の声もあるけど、燃えつきるには若すぎる。この世界陸上で勝ったヌレデバは35歳というのだから。

いずれにしても、今年後半から始まる選考レースが楽しみ。あっ!と驚く新人が出てこないとも限らない。

また、経験と気持の強さでみごと北京行きの切符を手にした土佐は賞賛に価する。大会前は怪我も伝えられていただけに、さすが。女性ランナーに、職人とかいぶし銀という形容詞が許されるのなら、土佐こそまさにその該当者。

それにしても、お疲れさんの世界陸上。最終日にようやくメダルがとれて、陸連はじめ関係者はもとより、TBSもいくらか溜飲を下げたことでしょう。
それにしても記録的には世界も日本も低調でした。


nice!(1)  コメント(1) 
共通テーマ:スポーツ

アスリートも夏バテ? [deporte]

 

なんだか涼しげです。が、夏バテというか熱射病というか……。

あれは血液も煮えたぎらんばかりの数日前の猛暑日のこと。ただ「久しく食べていない」という理由だけで、月に1、2度行くラーメン店へ。
冷房の効いた店内でも汗だく。気に入りの高菜ラーメン、完食。
会計を済ませたあとの店員のひとことが気になった。
「暑いのにありがとうございました」
そうだ、こんな暑い日にラーメンなんて食べるやつはいないんだ。向かいの学生は冷やし中華だった。隣のOLはつけ麺。焼そばだってある……。
店を出てからが悲惨だった。照りつける太陽、照りかえすアスファルトの中、せっかく出かけてきたのだから、近隣を散歩とばかり歩き始めた。
なんだかやけに汗の量が多い。身体が発熱している。それでも歩き出したら止まらない。結局1時間と少しうろついて駅へ戻る。その間、自販機で飲料水を3本も。これは異常。
家へ帰っても身体の火照りと喉の渇きが収まらない。麦酒を3缶、麦茶を1リットル補給してから夕飯も食べずに布団の上に崩れ落ちた。
翌朝、目ざめたが身体がだるくて、だるくて……。

そんなヨレヨレになりながらも、しっかり見ていたのが、TBSが総力をあげてという「世界陸上」。

それにしても、はっきりいって超低調な大会ではありませんか。
とりわけ日本人は夏バテか! と突っ込みたくなるほどの不振。
初日の男子マラソンのメダル届かず(期待していなかったが)が凶兆だった。
400メートルハードルの為末、女子走り幅跳びの池田、200メートルの末続、棒高跳びの沢野、そしてハンマー投げの室伏……。すべて世界レベルの前評判(TBSの誇大宣伝)だったアスリートが全滅。唯一入賞したのが室伏で6位。
室伏以外のメダルは期待していなかったが、それにしても予選落ちとか記録なしとか内容がわるすぎる。室伏だけはわるくても銅メダル、と思ったのだが。

外国の選手でもそう。MCが「スゴイ!」を連発し、「世界記録がでるかも!」とハイテンションで煽るわりには8月31日が終わったところで世界新ゼロ。

あの気温、あの湿度。まあ、たしかに陸上をやるコンディションではないな。とりわけ長距離やマラソン、競歩にとったら“地獄の長居競技場”。
なんで8月にやるのだろう。10月の爽やかな時期にやればいいと思うのだが。やっぱり夏休みをあてこんだテレビ局の都合なのか。

それでも、記録を別にすればおもしろい競技もあった。女子のハンマー投げとか、男子の走り幅跳びは逆転劇があったし、男子走り高跳びには天才が出現したり。
今日チラチラ見ていた男子50キロ競歩もドラマチックだった。日本人トップの山崎選手が誘導員のミスで1周残してゴールイン。そのまま倒れ込み、担架で運ばれた。完走ならず棄権扱い。朦朧の中で知らされた本人の気持ちは……。
優勝したのが伏兵のディークス。ゴールの瞬間、感極まり喜びの爆発を抑えて歪ませた顔の表情がよかった。でも、やっぱりこのコンディションでは過酷すぎるレース。

しかし、もともと好きなのは中距離。男子1500メートル。
100、200メートルは勝負が早すぎるし、かといって5000だの10000メートルだと、途中冷蔵庫をあさりにいったり、裏番組を見たりで緊張感にかける。その点、3分半ほどで決着がつき、その間に何度か駆け引きがあるこの距離の見応えがいちばん。
勝ったラガトも強かったけど、追い込んで2着ののラムジはさすがでした。
80年代にはセバスチャン・コーとか、サイド・アウィータなんていうスーパーマイラーがいたものだ。それはともかく。

今ちょうど男子4×100メートルリレーの決勝。予選で3位の記録だった日本は予想どおりの5着。それでも予選に続く日本記録なら大健闘。でも、世界記録は不発。日本記録でハイテンションのアナウンサーの声が空しかった。
残されたメダルの期待は明日、最終日の女子マラソン。過酷だよなこの暑さが続くとしたら。女子20キロ競歩で10位だった川崎なんてゴールの後吐いてたもの。これが42キロとなると……。

くどいようだけど、やっぱりこの時期に陸上はないな。これが小学校中学校の運動会だったら、父兄が大反対するよ、きっと。それでなくても誰もが夏バテぎみなんだから。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:スポーツ

[敗者には何もやるな] [deporte]

 

先日の新聞にMLBのフィラデルフィア・フィリーズが、MLB球団で初めて通算10000敗を喫したことが報じられていた。い、い、いちまん回も負けたなんて……。これはとてつもない数字だ。たとえばMLB1チームの通常の試合は年間162。で、ふたたびたとえば絶対勝てないチームがあったとする。つまり年間0勝162敗。そのチームが10000回負けるためには、なんと62年弱、敗戦を続けなければならないことになる。10000敗という数字がどれほどとてつもないものかが分かる。

もちろんフィリーズは62年弱でその記録を達成したわけではない。同チームの創設は1883年。つまり124年の歴史があるのだ。またフィリーズの名誉のために10000敗時点での勝利数も8810あることを付け加えておきたい(名誉にならないか)。

ちなみに、日本のプロ野球で最も多く負けているの球団はというと、7月21日の時点でなんと阪神タイガースの4149敗。これも、阪神がプロ野球球団の中で最も試合数が多いことによる。敗戦数はまた歴史の長さを現しているのです。しかし、そのことからもMLBの歴史を改めて感じさせられる。なにしろ阪神が10000敗するためには、年間60敗(これは優勝を狙える数字)したとして、あと97年あまりかかることになるのだから。

「勝者には何もやるな」
と言ったのはヘミングウェーだったっけ。でも、敗者にも何もあげてはいけないんだ。とくに慰めの言葉なんかは。せいぜい敗者がもらって良いものは屈辱と、復讐心だけ。

勝負の世界は過酷だ。勝つか負けるか、白か黒か。
“引き分け”があるじゃないかって? 引き分けなんてゴマカシ。闘っている人間にとってあれほどスッキリしない結末はないもの。見ている方だってそう。物理的に同着同順位というのであれば、再試合をして決着をつけるべきじゃないかな。それが無理ならば体重差、身長差などでハンディのある方を勝者にすればいい。ウエイトリフティング方式。
どんな種類であれ勝負の世界というのは、それほど過酷なものなんだ。

前置きで終わりそうになったので、慌てて本題に。
今日、新大関・琴光喜が誕生しました。
久々の日本人大関誕生に文句はない、けど……。双手をあげるのはためらわれるな。千秋楽で平幕・稀勢の里に負けたのが、早くも新旧交代を告げているようでやな感じ。それと朝青龍には勝ってほしかった。勢いに乗った今場所はチャンスだったのに。

琴光喜と朝青龍の対戦成績はなんと、0勝27敗。これは相撲の世界では極めてめずらしい数字。27回も闘えば、朝青龍だってミスをすることがあるだろうし、体調がわるいときもあるのだろうから、2回や3回は負けても不思議ではないのだけれど。それが、27連敗とは。あゝ……。

しかし、こうなると今後の琴光喜対朝青龍戦は、たんに大関対横綱の闘いというだけではないね。なんていうのか大相撲の枠を超えた“勝負のドラマ”を感じてしまう。“永遠のルーザー”が果たして一矢を報いることができるか? いかにして下克上はなされたか? なんてドラマがね。

おそらく琴光喜が引退するまでには、そうしたドラマが一度ならず起きると思う。そのときウイナーはなんと言うだろうか。
「やっと勝てました。感激です」
と、ありきたりの感想かも知れない。しかし、その胸中にある本当の思いを測り知ることは難しい。なにしろ、3回、4回負けて勝ったのではなく、20数回あるいは30回以上負け続けてきたのだから。

強い者が勝つのは順当。それはまるで式次にのっとったセレモニーのように始まり、終わる。それはそれでノーマルで美しい。しかし、ときには実力で劣る者が、王者を倒す姿を見たい。ドラマチックな番狂わせが見たい。
そのとき、負け続けて何もかも奪われてしまったギャンブラーが、一瞬で元を取り返してしまうような興奮が生まれる。ファンならそんな瞬間を目撃したいはず。もちろんわたしだってそう。

とりあえず2ヵ月先の琴光喜vs朝青龍を見たい。


nice!(1)  コメント(2) 
共通テーマ:スポーツ

《坂田vs亀田が決定!……か》 [deporte]

今日はかねてからの予定どおりボクシングの世界戦を見に有明コロシアムへ。
新橋からゆりかもめで20分ちょっと。いつみてもゆりかもめから臨む東京湾はいい。そしていつも思う。なんでこんなに遠回りなのって。

メインイベントは「WBA世界フライ級王座統一戦」。なんでも日本の坂田健史が世界チャンピオンで、相手のパナマのロベルト・バスケスっていう選手が世界暫定チャンピオン。素人にはなにがなんだか分からない。とにかくこれでチャンピオンが一人になるっていうのだから、それはそれでいい。

坂田は好きなボクサー。あの根性がいい。つら魂がいい。不屈の闘志がいい。よくないのは運。世界に3度挑戦して、いずれも惜敗。このまま……と思っていたところ、今年の3月、やる気のないチャンピオンが日本にベルトを落としていった。それを拾ったのが坂田。大喜び。拾おうがネコババしようがチャンピオンはチャンピオン。それほど彼にとっては宿願だったんですね。正直者です。

でも、冷静になって坂田は言ったね。「次ぎ勝って本当のチャンピオンでしょう」。そのとおり。で、選んだ相手が25戦24勝17KO勝ちっていう本物のファイター。おまけに半年前に負けてる相手。本当の意味で世界一強い男になりたいんだね。どこかの誰かも見習ってほしいね。当然、下馬評も坂田不利。

試合の結果はご存知のとおり、坂田の判定勝ち。明日のスポーツ新聞見てみてよ。「疑惑の判定」なんて書く新聞ひとつもないよ。ちなみに私の採点(ってほどのもんじゃないけど)も4ポイント坂田の勝ち。文句いうヤツがいるとしたらバスケス陣営ぐらい。
パワーで勝るバスケスにヒヤヒヤしたのは3ラウンドまで。あとは終始坂田のペース。とにかくその戦い方は勇敢のひとこと。つねに相手にプレスをかけて、手を出して、前へ出て、パナマ人を圧倒。作戦もよかったね。相手をロープへ張りつけての接近戦。トレーナーと一緒に考えたんだろうね。なにしろ一度負けてる相手だから。お見事。

ところで坂田といえば所属は協栄ジム。そうです、あの亀田三兄弟と同門。そして亀田興毅が狙っているのがWBCの世界フライ級タイトル。つまり協会はことなっても坂田とは同じクラス。それでなくても不仲のウワサが絶えない坂田と亀田。同門対決となればスゴイよ。テレビだって今日みたいな“昼下がりの拳闘”なんかにゃならない。ゴールデンアワーよ。マスコミだって盛り上がること請け合い。

日本のボクシングルールでは同門対決を禁止していない。実際新人王などのトーナメント戦では、そういうケースもある。だから、ジムもうっすらとそんなことをにおわせたりして。まあ、もし2人が戦うとしたら、それは亀田が協栄からどこかのジムへ移籍してからだろうけどね。さらに言えば、そうなっても果たして亀田陣営が応じるかな。坂田はやる気マンマンらしいけど。ジムサイドだってこんなビッグファイトを望まないはずがない。一説には反対しているのはあの亀田オヤジだけだという話も。

そうそう、今日の会場でのワンシーン。
ボクシングに限らずスポーツの試合会場ではしばしばヤジ将軍が笑いをとる。今日も、おそらく坂田のファンらしいオッサンが、試合のインターバルに大きな声で、
「坂田と亀田が戦ったら、どっちが勝つと思う~!」
とやっていた。
すると会場のあちこちから一斉に、
「坂田だ!」「坂田に決まってるゥ~!」の大合唱。

会場に、当の亀田兄は来ていませんでしたが、弟の大毅とオヤっさんはリングサイドでしっかり観戦しておりました。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:スポーツ

《アマゾネス》 [deporte]

 

うーん、今日のスポーツ新聞のヘッドラインはは白鵬の横綱決定の全勝優勝か、ウォッカの牝馬として64年ぶりのダービー制覇か……。迷う所だけれど、ここは予想の外れたお馬さんの方で。

なんて言えばいいのかな。
17人の野郎どもを蹴散らした紅一点の女丈夫、いやお嬢さん。
「お嬢ちゃんは、お嬢ちゃんだけの運動会に出たら?」なんて忠告もものかは。「冗談じゃないわ」と、このお転婆娘、17人の野郎どもに混じってその実力を競った。それも、競馬界最高峰のレースで。
スタートから好位につけ、最後の直線で堂々の中央突破。2着馬に2馬身の差、というレースぶりも見事。もちろんジョッキー(四位)の腕もあるけど。

ウォッカの親父は5年前のダービー馬・タニノギムレット。今年のダービーには出走18頭中、タニノギムレット産駒が3頭もいた。これでまた種つけ料も上がるでしょう。5年間に2度もダービーオーナーになって、なおかつ種つけ料も上がる(馬主はブリーダーでもあるそうだ)なんてウラヤマシイ。

それにしても情けないのは牡馬。これでは、秋の菊花賞でヴィクトリーが勝って皐月賞に続く2冠王になっても、フサイチホウオーが勝って捲土重来を果たしても、言われちゃうよな。「なにを偉そうに……、女の子に負けたくせに」なんて。これで、今年の3歳牡馬の興味は終わったな。

牝馬戦線の方が断然面白くなってきた。ウォッカは海外遠征という話があるようだけど、まずは雪辱しなければならない相手がいるでしょ。そう、ひと月半ほど前の桜花賞で1馬身の差をつけられて2着に敗れた相手、ダイワスカーレット。三段論法でいけば、現段階の3歳チャンピオンはダイワスカーレットということに。もちろん暫定チャンピオンだけれど。スカーレットとは1勝1敗。

だから海外遠征もいいけれど、秋の秋華賞には出場してもらいたい。そして雌雄、じゃないか雌雌を決してもらいたい。ほかにお姉さんだけど強いのがいる。去年のオークス、秋華賞馬・カワカミプリンセス。この馬とも一戦交えてもらいたい。そして最後はグランプリ・有馬記念で有終の美を。牝馬の優遇措置、斤量の2キロ減なんていらないかも。こうなったら、牡馬と同斤量でやらせたいね。でないと、「やっぱり斤量の差があるからなあ」なんて負け惜しみ言うやつがいるからね。

それにしても強いよなあ。牡馬が弱いともいえるけど。でもスゴイ。でも、……もしかして。あの男勝りの馬体、あの筋肉……、史上初の“性転換馬”だったりして。なことはないか。ちなみに去勢された牡馬は馬というが、あくまで牡(オス)扱い。まあ、女だろうが男だろうが、その中間だろうが、強い者は強いんだよね。久々、“女の時代”の予感だよね。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:スポーツ

《MMに魅せられて》 [deporte]

 

レッドソックス松坂の快投、今日はヤクルト時代から応援していたデビルレイズ岩村の4-4の1ホームランで言うことなし。あとはヤンキース松井の一発を待つばかり。いよいよMLB全開だ!

わたしの大リーグ(当時はメジャーリーグとは言わなかった)初体験は駄菓子屋からだった。あるとき近所の駄菓子屋でふしぎなものを見た。ブロマイドが当たるクジで、ハズレは普通の名刺大のカードだが、4等、3等、2等、1等と当たりのランクが上がるごとにブロマイドは大きくなっていき、特等はB5サイズぐらいあるものだった。そのブロマイドというのが、アメリカ大リーグの選手たちだったのだ。
当時、大リーグはもちろん日本の野球もハナクソ以下の存在だったわたしには、それがなんなのか理解できなかった。それでも、わからないなりにカッコいいものだと思った。のちに野球が好きになったとき、記憶をたどったのだが、その特等は多分、ヤンキースのヨギ・ベラだったような気がする。

そのうち、プロ野球に興味をもったわたしは、アメリカにはそれよりはるかに強くてカッコいい“大リーグ”というものがあることを知った。
ある年の秋、わたしはラジオから流れるベースボール放送を夢中になって聞いていた。それが“MM”を知ったはじめだった。MMと言ったって、もちろんマリリン・モンローではないし、ミッキー・マウス(少し惜しい)でもない。ヤンキースのスラッガー、ミッキー・マントルのことだ。
ラジオ放送はその年のワールド・シリーズ、ニューヨーク・ヤンキース対ピッツバーグ・パイレーツ戦。もちろん録音だが、そんな知識のないわたしは、アナウンサーの名放送にすっかり騙された。ともあれ、MMの印象は鮮烈だった。その試合の成績は、6打席2安打、ホームラン2本、四球2回、三振2回。この「2・2・2」に痺れた。中途半端なヒットなどいらない。ホームランかさもなくば三振か四球か。なんとも潔よい選手ではないか。プロレスのバディ・ロジャース(とうとう来日しなかった)と並んで、わたしのアメリカン・ヒーローとなったのだ。

マントルのスゴさはホームランバッターでありながら、スイッチヒッターだということ。そして決して大きな体(身長180センチ)ではないということ。
そして何よりも魅かれるのは、そのホームランの距離である。ホームランの飛距離というのは現在でもほとんどが“推定”だが、メジャーリーグでは実際に計測することがある。そうして測られたホームランを“テープ・メジャー・ショット”というのだが、その最高記録がミッキー・マントルの565フィート(172メートル)。いまだ破られていない。しかし、マントルの打ったホームランはもっと大きいのがあり、推測では190メートルを超えていたのではないか、という説もある。もしそうならば、狭い球場の2個分になる。とにかく、さほど大きくない身体で、ボンズオルティーズよりも遠くへ飛ばしていたのだからとてつもないバッターだったことは間違いない。

しかし、どうやらミッキー・マントルはその年あたりがピークだったようで、ヒザの故障に悩まされ、それから数年後にピンストライプのユニフォームを脱いでいる。18年間のメジャー生活で、安打2415本、ホームラン536本。三冠王1回、ホームラン平均1シーズンおよそ30本というスラッガーだった。昭和30年、ヤンキースが日米野球で来日した時のメンバーとして当時の日本のエース・金田正一らと対戦している。
引退後は、なぜかコーチにも監督にもならず、「ミッキー・マントルの店」というレストランを経営していたが1995年、64歳で亡くなった。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:スポーツ

《TVスポーツ三昧》 [deporte]

 

今日はTVスポーツの爆発日。
高校野球からはじまって、午後にはプロ野球パ・リーグ開幕(ソフトバンクが負けた)。夕方は大相撲の朝青龍vs白鵬戦。夜はスゴイ。7時からボクシング、亀田興毅のノンタイトル戦。7時半(放送は7時からだけどイントロが長すぎる)からサッカー国際マッチ、日本対ペルー。テレビ朝日はサッカーが終わると間髪を入れずに世界水泳のシンクロナイズド・スイミング(そろそろ飽きてます)。フジテレビではテレ朝と競っている世界フィギュア(スケート)。
で、見たのは相撲、ボクシング、サッカー、そして世界フィギュア。

ボクシングは亀田の勝利は予想どおり。ダウンが無くても亀田の勝ち。でも苦戦。相手はピークを過ぎた選手で、世界を狙おうというのならKOでなくても圧倒的に勝たなくてはいけない試合。とくに6ラウンド左のカウンターをもらって顔が上がった。それ以後警戒して手数が少なくなっていた。あらためて亀田の打たれ弱さが露呈。それに、もしかしたら、パンチ力もさほどないのかも。良かったのはスピードと、相変わらずオフェンスの勘の良さ、そして冷静さ。とくにメンタルでは、かなり成長しているように感じた。つぎは強い日本選手と闘ってくれ。アナウンサー、解説者の偏向ぶりは毎度のこと。

そのボクシングと被ったサッカー。ペルーの強さがわからなかったのだが、中村俊輔高原が合流したので、楽観的に勝つと思っていた。これまた予想どおり。ペルーが大したチームではなかった。中村俊、高原ともにアシスト、ゴールと存在感を示すことができてヨカッタ、ヨカッタ。

残念だったのは相撲。贔屓の白鵬の負け。立ち会いからもろ差しと横綱を圧倒していたのに焦ったのか足が着いていかずにスカされました。これはキャリアの差。まあ、これで12勝2敗同士になったので、明日に期待。ふたりとも勝って決定戦ならオモロイです。もちろん今度は白鵬が勝つ。

いちばん感動したのは世界フィギュア。実は、ボクシング、サッカー観戦で疲れて、てっきりキム・ヨナが優勝すると思っていたので見るつもりはなかった。ところがNHKのラジオで安藤美姫が逆転優勝したというので、あわててTVを。いきなりキム・ヨナのシーン。2回転んで、動揺したのかそのあともヨレヨレ。そのあと浅田真央。1カ所よろけたが、あとはノーミス。逆転で1位に。涙涙のインタビュー。でも、安藤がスゴかった。最後の演技者のプレッシャーもものかわ。素人目にはパーフェクト。それに、浅田と比較すると、指先の動きといい、ボディワークといいはるかに美しかった。ド素人が細かい採点方法など分かるわけはないが、印象では安藤の方が上(今日の採点は浅田の方が上だったかもしれない)に感じた。まあ、ラジオで結果を知っていたこともあるのだが。で、安藤も涙涙のインタビュー。しかし、スポーツはやはり生でないと感動も薄れる。それに、昨日は見ていなかったのだが、今日見て感じたのは、なんとなく浅田真央中心の放送のような気が。また、最後の表彰式は、ちゃんと銅メダルのキム・ヨナの表彰シーンも映さなければ可愛そうです。
とにかく、久々にスポーツで満腹になったサタデーナイトでした。


nice!(1)  コメント(2) 
共通テーマ:スポーツ

《マラソン》 [deporte]

♪ ある日 走ったその後で
  僕は静かに 考えた
  誰のために 走るのか
  若い力を すり減らし
  
  雨の降る日も 風の日も
  一人の世界を 突っ走る
  何のために 進むのか
  痛い足を がまんして
(「一人の道」詞:今江真三郎、曲:茶木みやこ、歌:ピンク・ピクルス、昭和46年)

今日は別府大分に青梅とマラソン日和。今年の世界選手権、来年の北京五輪に向けて、代表選考が熾烈になってきた。
とりわけ高橋尚子、野口みづきとオリンピック2大会連続金メダルの女子は、層が厚くハイレベルの競争が続いている。日本女子の“マラソン王国”は頼もしい限り。
それにひきかえなんとも情けないのが男子。
今日の別府大分では、ベテランの藤田敦史が、上手なレース運びで優勝。世界選手権の“チケット”を手にするとともに、北京五輪にも一歩近づいた。それにしても2時間10分台というタイムは、天候のコンディションを考えても平凡。マラソンはタイムではないとはいえ、とても世界に通用するとは思えない。
そんな低迷中の男子マラソンだが、かつては精鋭たちによって活況を呈していた時代があった。
戦後、マラソンが注目されはじめたのは昭和28年、ボストンマラソンで山田敬蔵が世界最高記録を出して優勝してから。その3年後のメルボルン五輪で、川島義明が5位に入賞。期待された次のローマ大会では入賞を逃したが、実はこの大会でさらにマラソンが注目されることとなった。42キロ余を世界最高記録で制したのは無名のアベベ・ビキラ(エチオピア)。覇者が裸足であったことも世界的な話題になった。
4年後に東京大会を控えていたこともあり、日本でもアベベの名は急激に普及していたテレビに乗って全国に広まった。同時にマラソンでも、寺沢徹が世界最高記録をマークするなど世界レベルの競技として期待が高まっていった。
そして、昭和39年の東京オリンピック。見事期待に応えて陸上競技で戦後初のメダリストになったのが円谷幸吉である。あの国立競技場でのヒートリー(イギリス)に抜かれて3位になったシーンは、当時、競技場あるいはテレビで見ていた人間にとっていまだに記憶に残っているはずだ。そして、次のメキシコ大会を迎える昭和43年、印象的な遺書を残して、27歳という若さで自ら死を選んだことでも円谷の名は多くの人の記憶に刻まれることとなった。
そのメキシコ大会では、君原健二が銀メダルを獲得、あと一歩までたどり着いた。しかし、その後は宇佐見彰朗、瀬古利彦、中山竹通などの名ランナーがオリンピックに挑んだが、現在に至るまでメダルには届かないでいる。
最近の新聞に、郷里の福島県須賀川市に円谷幸吉の遺品を展示したスペースが設けられたと報じられていた。

「一人の道」はその円谷幸吉の悲劇を歌ったもの。
マラソンの歌はいくつもあるらしいが、実録でしかも、個人の悲劇を歌ったものはめずらしい。マラソンに限らずスポーツでもそういう例はない。オリンピックのメダリストという栄光と自殺という、あまりにも落差の大きい人生がドラマチックだったのだろう。なお、東京オリンピックの出場者では80メートルハードルで5位に入賞した依田郁子、柔道重量級の金メダリスト、猪熊功がのちに自ら死を選んでいる。
ピンク・ピクルスは京都出身の茶木みやこ小林京子のフォーク・デュオ。デビューは昭和46年「僕にさわらせておくれ」。翌年解散。「一人の道」が最大のヒット。解散後、茶木みやこはソロとして活動。現在もコンサートを中心に歌っている。


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。