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[ヤレ、ヤレ] [deporte]

 

夜中、テレビでMLBのマリナーズの試合を見ながら寝てしまった。
眼が覚めると午前8時過ぎ。マラソンはすでに始まっていた。

ちょうど原が後退していくあたり。勢いに乗った若手もこの熱闘には対応できなかったのか。スタート前に勝負の半分は終わっているといわれる競技だけに……、ベストコンディションのつもりでもいざ走ってみたら、という競技だけにムズカシイ。

優勝はケニヤのヌデレバで2時間30分37秒。2時間20分を切ろうという実績のランナーの記録が、30分を切れなかったことでも、このマラソンがいかに過酷だったかがわかる。

しかし、土佐礼子の精神力には改めて驚かされる。
彼女は過去のレースでも、置き去りにされた後、ゴール前で抜き返したシーンを見たことがあった。ふつう後半戦で後続に抜かれると気力、体力とも萎えてしまうものだが、あの粘り強さは驚異。
スタジアムに3番手で入っていく土佐の後ろ姿をテレビが映していた。苦しそうな走法、誰かに似ていると思った。……君原だ。君原健二だ。
あの円谷幸吉が銅メダルを手にした東京五輪で8位、次のメキシコ五輪で銀メダルを獲った君原。あの苦しげに顔を“イヤイヤ”しながら走る独特なスタイル。

土佐は君原ほど首は振らないけれど、ぶれない下半身とスライドしていくような足の運びがよく似ている。それに、多分、2時間半あまりを支える精神力も。

とにかく、3位と4位ではえらい違い。多分4位であっても、故障をしないかぎり北京五輪には選ばれただろうが、この時点でチケットを手にするか、しないかは大きな差。選考レースは無視して、ひたすら本番までのトレーニング、調整スケジュールをこなしていけばいいのだから。

選考会の結果次第だが、順当にいけば、マラソン代表あと2人のうちひとりは、実力日本ナンバーワンの野口みづき。もうひとりは今回17着だった原他、熾烈な闘いになるのでは。土佐のステイプルメイト、渋井もいるし、復活を期す高橋尚子もいる。

とりわけ高橋は多分、土佐とほぼ同世代ではなかったか。もう“終わった”の声もあるけど、燃えつきるには若すぎる。この世界陸上で勝ったヌレデバは35歳というのだから。

いずれにしても、今年後半から始まる選考レースが楽しみ。あっ!と驚く新人が出てこないとも限らない。

また、経験と気持の強さでみごと北京行きの切符を手にした土佐は賞賛に価する。大会前は怪我も伝えられていただけに、さすが。女性ランナーに、職人とかいぶし銀という形容詞が許されるのなら、土佐こそまさにその該当者。

それにしても、お疲れさんの世界陸上。最終日にようやくメダルがとれて、陸連はじめ関係者はもとより、TBSもいくらか溜飲を下げたことでしょう。
それにしても記録的には世界も日本も低調でした。


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MOMO

Nobさん、はじめまして。

読んでいただいてありがとうございました。
なんだかんだで、世界陸上かなり見ちゃいました。
by MOMO (2007-09-04 21:57) 

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