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●並木路③銀杏 [a landscape]

♪ 大阪の 恋人よ 北から南へ歩こう
  いちょう並木が芽をふいた 若い二人の目があった
  梅田から中之島 恋人に遠い道はない
  …………
  大阪の 恋人よ 北から南へ歩こう
  いちょう並木は木枯らしで 若い二人は寄りそって
  心斎橋から難波まで 恋人に遠い道はない
(「銀杏並木」詞:永六輔、曲:いずみたく、歌:デューク・エイセス、昭和41年)

日本で最も多い街路樹なのだから、銀杏並木の名所も全国各地にあるのではないだろうか。なかでもよく知られているのが上にのせた歌詞にあるように、大阪の梅田から難波まで、つまり御堂筋の銀杏並木。昭和12年、御堂筋ができたときに植栽されたもので、“大阪みどりの百選”にも選ばれている。

大阪、なかでも御堂筋をうたった歌は相当数あり、おそらく「いちょう並木」もたくさん出てくるのだろうが、すぐに思い浮かぶのは上のデューク・エイセスの「銀杏並木」以外では、以下の3曲。
和製ブルースで有山淳司とのデュオで聴きたい。
♪昼下がりの いちょう並木も 「梅田からナンバまで」(上田正樹&South to South)
怪しげな日本語が、なんとも耳障りで良かった。
♪いちょう並木は 枯葉を落とし 「雨の御堂筋」(欧陽菲菲)
フランク永井は東京の都会も似合ったが、大阪の歌も多かった。
♪いちょうネグラの 堂島すずめ 「大阪ろまん」(フランク永井)

デューク・エイセス「銀杏並木」は、いずみたく永六輔によって書かれた「にほんのうた」シリーズの大阪編。
「にほんのうた」シリーズは昭和41年、東京(「君の故郷は」)からはじまり、翌42年の沖縄(「ここはどこだ」)まで、全国47都道府県を歌うという企画ではじまったもの。そのなかには、「いい湯だな」(群馬)、「女ひとり」(京都)、「別れた人と」(兵庫)など単独でヒットした曲もあった。

ところで、銀杏は東京都の木でもあり、その東京にもよく知られた銀杏並木がある。新宿御苑内の並木も有名だが、その美しさで、しばしば映画やTVドラマのローケーションになるのが神宮、絵画館前の銀杏並木。
神宮外苑から青山通りへ向かって4列の並木146本が整然と並んでいる。
植栽されたのは大正12年(1923)ということだが、これは新宿御苑にあった樹のタネ(ぎんなん)を明治神宮内で育て、それを外苑前にもってきたものだとか。したがってタネから数えるとおよそ樹齢100年ということになる。

東京では美しい並木道のひとつにあげられ、また青山、神宮外苑というロケーションも“オシャレ”なはずなのだが、なぜかここをうたった歌を聞かない。

ほかに銀杏並木がでてくる歌は、
♪銀杏並木の 敷石道を 君と歩くも久しぶり 「港町十三番地」(美空ひばり)
港町というぐらいだから、御堂筋でも外苑前でもないことはわかる。多分横浜だろう。
また並木ではないが、銀杏が出てくるのが
♪いちょうは手品師 老いたピエロ 「公園の手品師」(フランク永井)
これは題名にもあるように公園の銀杏の樹。たしかに、公園とか寺院の境内などのびっくりするほど大きな銀杏の樹を見ることがある。

鮮やかな深緑の銀杏の連なりも美しいが、やはり銀杏といえば秋。もうしばらく。
落葉の時期、少し風が強めの日、落葉に降られながら、ゆっくりと黄色の絨毯を踏みしめて歩くのはどこか幻想的だ。隣に無言で歩いてくれる誰かいればもっといい。


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