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アメリカの心の歌①三つの歌 [books]

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今日、知り合いと神保町で会いました。

共栄堂でカレーを食べた後、ミロンガで珈琲を。
ほぼ月に一度、同じことをもう二十年以上繰り返しています。

わたしは今はまったく週刊誌を読みませんが、彼は毎週何冊か読んでいるようで、会うたびに新鮮な話題を紹介してくれます。おかげですっかり読んだ気になったりして。
ただ、去年でしたか秋元康が週刊誌のネタになったとき、「AKBってなんだい?」と逆に聞かれ驚いたことがあります。
いまどきAKBをしらない人間がいるなんて。

しかし、よくよく考えてみれば、年齢はわたしより少し上で、当然還暦は過ぎているのですから、そんなものに興味がなくたってちっとも不思議ではない。
反対に60歳過ぎて、アイドルに関心があるほうが変なのかも。
わたし、関心があるというほどではありませんが、何人か名前は知ってます。恥ずかしいのでいいませんが。

まあ、そんな芸能ネタには無知な知人なのですが、今日は安部首相のメディア戦略やかつての少年Aの新刊本について、どちらも批判的な話をしておりました。前者は同感。

ひとしきり話し終えると、バッグの中から一冊の本をとりだして、
「いま、これを読み直してんだ」
と。

ずいぶん古そうな本で表紙をみると「アウシュヴィッツへの旅 長田弘」と読めました。

「なんでまた?」
とわたしが問うと、
「だって、こないだ死んだじゃない長田弘」

……えっ? しりませんでした。
AKBの総選挙とやらで、サシハラがナンバーワンになったことは知っていても、長田弘さんが亡くなったことをしらなかったとは。
いかに社会への目配りが鈍くなってしまったことか。これは歳のせいじゃないな。

ごぞんじの方もいると思いますが、長田さんは詩人です。

残念ながらわたしは詩心がないので、長田さんの詩を読んだことがありません。

でもロングセラーとなっているエッセイの「ねこに未来はない」は以前読みました。、かつて猫好きだったわたしが「また飼ってみようかな」と思ってしまうほど、いかにも詩人らしい楽しい本でした。

正直いいますと長田さんの著書で読んだの2冊だけ。
もう1冊は20年余り昔に読んだ「アメリカの心の歌」。
この本を読んだがために、同じ作家の「ねこに未来はない」を読んでみようと思ったのでした。

この拙ブロで〝本に出てくるミュージック〟をやってみようかな、と思いついたのも実はこの「アメリカの心の歌」からの発想でした。

1990年代前半に書かれたこの本は1970年代以後のアメリカンポップス&カントリーのシンガーとそのうたわれた風景を描いたもので、当時のアメリカの音楽シーンを覗けるだけではなく、長田弘という詩人のアメリカンミュージックへの傾倒ぶりが感じられて、読んでいてとても楽しくなった1冊でした。

まあ、長田さんの死をしらずに片岡義男さんの「歌謡曲が聴こえる」をやっていたのですから間の抜けた話です。

しかし、今日しってしまった以上、〝予告編〟のようなかたちになりますが、「アメリカの心の歌」からミュージックを聴いてみたいという思いに。

初回は長田さんが、アメリカンミュージックの虜になったという3曲を。

「ハード・タイムズ」ボブ・ディラン
ボブ・ディランが主役ではなくて「ハード・タイムズ」がメイン。
というより、アメリカ音楽の父、スティーブン・フォスターの影響を長田さんは語っています。わたしも、カントリーのとっかかりはフォスターでした。
「ハード・タイムズ」はフォスターの数ある歌の中でも、とりわけポップスあるいはカントリーとしていまもうたわれている歌。この歌を聴くと高田渡の「生活の柄」を思い出します。

「アメリカ・ザ・ビューティフル」ウィリー・ネルソンほか
これは20世紀初頭、大学教授のキャサリン・ベイツによって書かれた詩に、サミュエル・ウォードが曲をつけたもので、アメリカの第二の国家ともいわれています。当然、アメリカ讃歌で愛国歌で、団結しなくてはならない時には不可欠な歌でしょうが、場合によっては束ねられてしまうようで、とても鼻持ちならない歌にもなります。
個人的には「ゴッド・ブレス・アメリカ」よりは好きですが。

「アメージング・グレイス」ジュディ・コリンズ
もう説明の必要がないほど日本でも多くの人に知られている歌。
しかし無条件に名歌ともいえない。たとえば、KKKも集会などでの愛唱歌としていましたし。歌に罪はないということでいえば、ヒーリング・ソングとして泣けるうたではあります。ほんとに多くのシンガーがうたっていますが、アメリカでポップスとして再評価のきっかけとなった女性シンガーでどうぞ。

この次はまた村上春樹に戻りますが、長田さんの「アメリカの心の歌」はいずれ近いうちに。

尊敬する兄貴を〝孤独死〟させてしまった愚かな弟のような心持ちになってしまい、仕事をほっぽらかして思わずブログをアップさせてしまいました。


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