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三つの歌●演歌 [day by day]

喧嘩辰.jpg

洋楽ばかりを聴いていると、無性に邦楽が恋しくなるんだなあ。

で、久しぶりに邦楽をと考えましたが、さてどういう歌を。

金木犀が匂い、曼珠沙華や朝鮮朝顔がチラホラの秋です。ならば秋にふさわしい歌でもと考えましたが、なぜか演歌を。

というのは、最近時間をみつけては、CDをパソコンに取り込んでいるのですが、こないだその作業をしつつ聴いたのが北島三郎の2枚組ベスト。
大御所になってしまったサブちゃんの歌は、いまいちピンときませんが、初期の「なみだ船」や「兄弟仁義」、「帰ろかな」、そして「函館の女」をはじめとする「女シリーズ」。
改めて聴くといいですねえ。まぁ、「風雪流れ旅」まででしょうか。

映画にたとえると黒澤明のようなもので、「七人の侍」、「用心棒」、「野良犬」、「天国と地獄」などは素晴らしかった。しかしそれも「どですかでん」までで、あとの作品はちょっと……。というのと似ている。

というわけで、今回は演歌を3曲。

といいつつ、実は演歌はさほど好きではない。でも「演歌」と聴いただけで顔をしかめる洋楽あるいはJポップ一辺倒の音楽好きほど、嫌いでもない。

そもそも演歌とは昭和でいえば40年代前半に定義されたいわば流行歌では“新参者”。歌手でいったら都はるみや藤圭子あたりから。
だから、彼女たちよりデビューの早かった北島三郎は当初、演歌歌手とは呼ばれていなかった。流行歌手、あるいはたんに歌手っていってたかな。

だからよく某NHKの司会者や民放懐メロ番組のMCが「演歌は日本人の心のふるさと」などといっておりますが、あれはウソくさい。
ではどんな歌が日本人の心のふるさとになりうるのか……。
若年層がどうかという懸念はありますが、やっぱり「赤とんぼ」や「ふるさと」、「我は海の子」、「仰げば尊し」、「故郷の空」に代表される唱歌じゃないんでしょうか。
「故郷の空」なんてスコットランド民謡だもの。
そんなアチラの歌まで望郷歌にしてしまう、この日本人の懐の深さというか雑さ加減。

そろそろ本題に。

まずはやっぱり、とっかかりのサブちゃんこと北島三郎御大の歌を。
はじめにも言ったように好きなのは初期の歌。
いろいろありますが、ベストは「喧嘩辰」

昭和39年といいますから東京オリンピックの年にリリースされた1曲。
「兄弟仁義」や「帰ろかな」が40年ですから。それより早いヒット曲(ではなかった)。

東映映画「車夫遊侠伝 喧嘩辰」の主題歌で、主演は内田良平、相手役は桜町弘子。監督がまた「遊侠一匹」の加藤泰ときて、サブちゃんも脇役で出演、していたらしい。ということはつまり見ていないのです。

じっさいこの歌、さほどのヒット曲ではなく、私が知ったのはその5年後。
かの「男はつらいよ」第一作の中で。
こんな名シーンとともに忘れられない歌となりました。

誰が選曲したのでしょうか。山田洋次監督か、寅さんか、はたまたほかのブレーンか。個人的には渥美清が、と思いたいのですが。

渥美清につきましては、とりあげたい歌もありますのでいずれまた。

2曲目は堀内孝雄の「カラスの女房」

アリスが好きだったわけでも、演歌に転向した堀内孝雄のファンというわけでもありませんが、なぜかたそがれているこの歌はたまに聴きたくなります。

カラスの女房ってどんな意味なのか、いまいち不明ですが、「女房」っていうのがいかにも演歌っぽい。戦前には「うちの女房には髭がある」なんて歌もありましたが、「女房きどり」、「時代屋の女房」、「恋女房」、「あねさん女房」と演歌御用達のキイワード。
Jポップじゃまずつかわれないものね。

荒木とよひさの意味不明の歌詞もいいけど、堀内孝雄の曲もいい、それに川村栄二のアレンジもなかなか。
ちなみにこのアレンジャー、堀内孝雄のほかに、チョー・ヨンピル、キム・ヨンジャ、ケイ・ウンスク、前川清、門倉有希などの演歌歌手の曲をてがけていますが、中村雅俊の「心の色」や加藤登紀子の「百万本のバラ」もそう。

この歌は競作で、中澤裕子盤も負けず劣らずいいですね。というか、ほとんどの女性演歌歌手にピッタリ合いそうな歌です。

最後は琴風の「まわり道」

この歌をカラオケで熱唱するオヤジは結構いる。
わたしも、カラオケではたまに演歌をうたいたくなりますが、この曲は恥ずかしくてダメ。
またヘタクソにその気になってうたわれるのも閉口。

やっぱり本家か、うたの上手な演歌歌手のカヴァーで聴きたい。
いまでいえば誰でしょうか、最近の歌手はあまり知らないのですが、女性歌手では無理だし、森進一や五木ひろし、あるいは前川清でもないし、氷川きよしでは絶対ないし、冠二郎とか新沼謙治あたりかな、聴いてみたいのは。ちょっと目線を下げまして……。

でもやっぱり本家を超えるカヴァーはなさそう。
この歌の魅力は、琴風の見事な歌唱と天才・三木たかしのメロディーですからね。
なかにし礼の詞はちょっと時代がかって恥ずかしい。
この2人の合作といえば、黛ジュンの「夕月」が思い浮かびます。

そう、琴風といえば、いま大相撲がスゴイ。
人気を盛り返しています。わたしも毎日のようにチラチラと見ております。

新星・服部、新大関・豪栄道の話題もありますが、今場所の主役はなんといっても超新星、新入幕で1横綱2大関を破り、100年ぶり?の新入幕優勝も見えてきた逸ノ城。

とにかく強い。
十両時代にテレビで見て、その大きさと強さにびっくりしましたが、これほど早くヒーローになるとは。
双葉山の現役時代は知りませんが、吉葉山―鏡里の時代からの「相撲ウォッチャー」(ホントかよ)としては、大鵬に匹敵するほどの強さだと感じています。

問題はあの巨体。好きだった把瑠都もそうでしたが、巨漢はしばしばヒザを傷める。
大昔でいえば大起とか大内山とか(知らないよね)。

それさえなければ来年中には横綱、というほどの勢いであり、実力であります。
明日(もう今日です)の白鵬戦は、今年一番の“大一番”でしょう。風前の灯だった相撲協会だけに、ここぞとばかりに盛り上げますね。いいことです。

それ以外でも、40歳で勝ち越した旭天鵬、大怪我で長期休養を余儀なくされながら今場所連続十両優勝を果たした栃ノ心、同じく1年以上の休養から先場所序の口、今場所序二段と、連続優勝した濱口という2人のカムバックストーリなど、話題にことかかない今場所です。
とりわけ小結までいきながら幕下まで転落した栃ノ心は、先場所逸ノ城に勝って十両優勝している。 

ただ、逸ノ城も栃ノ心も外国人力士。
もはや3横綱すべてモンゴル人でインターナショナル化した大相撲で、それはそれで仕方がないけど、正直いえば「いでよ! 純日本人!」の思いも。

まわり道でもいいからさ、誰か日本人横綱になってよってば。


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MOMO

makimakiさん、いつも見ていただきましてありがとうございます。

逸ノ城は負けてしまいましたが、負けっぷりがよかった。コロンと転がりゃ、ケガもしますまい。
千秋楽で白鵬との再戦でもう一度夢を見たいと思っております。

相撲に興味がおありにならなかったら、ごめんなさい。
by MOMO (2014-09-28 00:30) 

toty

お久しぶりです。逸ノ城が現れて、面白いですね。
大内山、久しぶりに思い出しました。(知っている世代です。)私自身は栃錦のファンでした。

久しぶりの邦楽、というか演歌。実は、私はお年寄りの施設で歌を一緒に歌うということをやっているもので、毎回選曲に迷って、こちらも参考にさせていただいています。

邦楽でも、演歌、流行歌、昭和歌謡、童謡、戦前の歌、とかなり広範囲で、みなさんが楽しめる歌を発見すると嬉しくなります。

今回、男性二人と一緒に、みなさんの前で歌う機会をもらい、

有楽町で逢いましょう
骨まで愛して
黒い花びら
と、男性ならではの選曲

見上げてごらん夜の星を
高校三年生
で、ちょっとさわやかに

お年寄りの中にお好きな方がいるので
東京行進曲

そして、軽快感のある懐かしい歌として
煙草屋の娘(男性・女性のかけあいで)
少年探偵団

なかなか個性的な選曲ができたかなと、今日の本番を前に
悦に入っているところなんです。
by toty (2014-09-28 07:47) 

MOMO

totyさん、ごぶさたしてました。

お身体の方はいかがですか。先日はタイミングを逸しまして「お見舞い」にも伺わずに、すみませんでした。

歌の会はいかがでしたか。
わたしがいうのもなんですが、素晴らしい選曲ですね。すべて好きな歌ですから、もしわたしが施設に入っていたら欣喜雀躍で昭和じゃなくて唱和しておりました。

こんかいは見ていただきありがとうございました。
今後ともよろしくです。
by MOMO (2014-09-29 01:57) 

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