三つの歌●ラテン・ポップス [day by day]
オリンピックが近づいております。
今年からの新種目、女子ボクシングは注目してます。
何度かテレビで試合を見ましたが、馬鹿にしていたわけじゃないけど、そのレベルの高さにびっくり。アマもプロも。
ただ「しずちゃんフィーバー」は疑問。
前回のアジア大会で韓国の高校生(彼女は優勝はおろかメダルさえ獲っていない)に一蹴されてもまだマスコミの熱さめやまずだもの。
五輪出場の条件が世界選手権ベスト8だそうだけど、なんでも世界各国から40人とか50人とかがエントリーしているらしく、まず無理だろうなぁ。勝負の世界だから何が起こるかわからない、とはいえ。まだフライ級の箕輪選手(彼女は強い)のほうが可能性がある。
あたりまえだけど試合というのは相手があるもので、何人ぐらいが出場するのかとか、どういう強豪がいるのか、という重要な情報はいっさい無視して、ひたすらしずちゃん情報だけを流し続けるテレビ、新聞。少なくともまともなスポーツの情報じゃないね。まさに芸能情報のノリだもの。
ふだん地味なアマチュアボクシング連盟は、これぞ宣伝のチャンスとばかり、そうした「芸能報道」(大手新聞社まで)にのっかっちゃった。賢いね。
ようやく終焉した「猫ひろしフィーバー」もそうだけど、マスコミはなんで実力の伴わない選手を話題づくりのためだけに「いざ、オリンピックへ」などと大げさに煽り騒ぐのかなぁ。これらの騒動を苦々しく思っているアスリートは少なくないと思うんだけど。
と、まぁ軽~くジャブでウォームアップしておいて、いざ本番の音楽へ。
前々回、三つの歌として「ラテン・ジャズ」をやりましたが、これがすべて演奏のみ、ヴォーカルなし。
「どこが歌なんや」とセルフツッコミをしつつ、失地回復をと再びラテンを。
まぁひとくちにラテンといいましても、サンバやサルサなどの激しいリズムのものから、情熱的なタンゴやルンバ、郷愁的なボサノヴァやボレーロ、あるいはフォークロアなど幅広いのですが、あくまでアレンジと雰囲気を重視しつつ、今回はポップスで三つ選んでみました。
①コパカバーナCopacabana(バリー・マニロウ)
1978年のヒット曲。日本でもそこそこ流れていました。
コパカバーナはブラジルはリオにあるリゾートビーチらしい(当然いったことがない)が、この歌にうたわれている「コパカバーナ」はニューヨークのナイトクラブのこと。
そういえば日本にも昔、赤坂にナイトクラブ、コパカバーナがあった。
日本人で、のちにインドネシアの大統領夫人になったデヴィ夫人が勤めていたことでも知られている。
ストーリーは恋に落ちた踊子のローラとバーテンダーのトニーの悲しき恋の物語。
銃声がしたり、クラブが血の海になったりと、ノリのいい歌にしてはけっこう凄惨。
②スウェイSway(マイケル・ブーブレ)
キューバ生れのチャ・チャ・チャをベースにメキシコで生まれた「キエン・セラ」が本歌。
1950年代に、ポップスにアレンジされて、ディーン・マーチンやローズマリー・クルーニーらによって知られるようになった。
日本では昭和30年代のラテンブームで、トリオ・ロス・パンチョスなどがうたっていたおなじみの曲。したがって「スウェイ」というよりは「キエン・セラ」のほうが通りがいい。
日本盤もアイ・ジョージ、坂本スミ子はもちろん、水原弘やザ・ピーナッツ、新しいところでは(でもないか)小野リサで聴ける。小林旭の「キエンセラ・ツイスト」なんてのもある。
近年では映画、アメリカ版「シャル・ウィ・ダンス」でプッシーキャッツ・ドールズPussycat dolls がうたっていたようだし(観てません)、カナダのマイケル・ブーブレもファーストアルバムに入れていました。
③パナマ Panama(スティーヴン・スティルス)
これは前のふたつにくらべるとかなりマイナーな歌。
スティーブン・スティルスはロックファンにはいうまでもないだろうが、バッファロー・スプリングフィールドから、デヴィッド・クロスビー、グラハム・ナッシュと組んだCS&N、さらにはニール・ヤングを加えたCSN&Yで活躍したロッカー。
この歌「パナマ」は、アメリカの少年が異境の地パナマで初体験をするというストーリー。いつもながらフランク・ザッパというか、大雑把な説明。
スティルス自身、父親の仕事の関係で子どもの頃パナマに住んでいたというから、実話なのかもしれない。
パナマはご存じのとおり、北米と南米をつなぐ、パナマ運河のある国で、音楽事情はなじみがありませんが、ペレス・プラードやトリオ・ロス・パンチョスなどで日本でも知られているボレーロ、「ある恋の物語」Historia de un amorはパナマ産。
「パナマ」はギタリストでもあるスティルスの音楽性の幅広さを感じさせるノスタルジックなフェヴァリットソング。
やっぱりラテンはいいなぁ。
日本人のラテン好きは戦前のタンゴブーム(ドイツ経由が多かったけど)まで遡る。
となればやっぱり、日本のラテン系、つまりラテンJポップやラテン歌謡曲なんかも聴いてみたい気がしてきました。
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