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三つの歌●瞳①洋楽 [day by day]

アメリカン・グラフティ1974.jpg

They asked me how I knew my true love was true,
I of course replied, something here inside cannot be denied.

They said someday you’ll find all who love are blind,
When your heart’s on fire, you must realize,
Smoke gets in your eyes.

So I chaffed and then I gaily laughed,
To think that they could doubt my love,
Yet today, my love has flown away,
I am without my love.

Now laughing friends deride tears I cannot hide,
So I smile and say when a lovely flame dies,
Smoke gets in your eyes.
([SMOKE GET'S IN YOUR EYES]lylics by OTTO HARBACH, songs by JEROME KERN, 1933)

前回(ずいぶん昔だ)、「ひとみちゃん」を考えているとき、ひとつ気づいたことがありました。
それは、名前の「ひとみ」ではなく、「瞳」という言葉が流行歌の世界でいかに乱発、いや頻発されているかということ。流行歌の王道として「瞳」は欠かせない。

♪その娘の やさしい 瞳の中に…… 「星に祈りを」(ブロードサイド・フォー)とか、

♪長い髪の少女 孤独な瞳…… 「長い髪の少女」(ゴールデン・カップス)とか。

タイトルでも「2憶4千万の瞳」(郷ひろみ)「君のひとみは10000ボルト」(堀内孝雄)なんかがありますし。

そこで、ハタと。しばらく瞳を何回かやってみようと。ネタ切れの昨今、これでしばらくいけるなんて。

とはいえ、瞳については過去に「黒い瞳」「青い瞳」「茶色の瞳」などをやってますので、今回は無色といいますか、とにかくタダのトリンドルではなくて、ただの瞳を。

まずは久しくやっていないので洋楽から。

古今東西、異性の瞳に胸がキュンとするのは同じなようで、洋楽でも瞳が出てくる歌はじつに多い。それを三つに絞るのはキビシイ。
明日になれば気分でまた変わるでしょうが、とりあえず今日好きな「瞳」のでてくる洋楽3本立てということで。

まずは「煙が目にしみる」SMOKE GETS IN YOUR EYES。
これはご存じのかたも多い、洋楽のなかでもかなりノスタルジックな歌。
1950年代にプラターズがうたって大ヒット。

煙が目にしみるっていっても、サンマを焼いてたり、焚き火をしているわけじゃないんです。恋人に去られ、胸に燃え盛っていた愛の火が消え、くすぶりあがる煙が身に、いや目にしみる、というハートブレイクソングなのです。

ジェローム・カーンの旋律が素晴らしい。
元はマーチ調だった(聴いてみたい)曲を、1933年、ミュージカルの「ロバータ」で使用する際、オットーの詞に合わせてスローに変えたという1曲。
ヴォーカルならプラターズ以外でも、サラ・ヴォーン、メル・トーメ、ダイナ・ワシントン、ジョー・スタッフォード、ナット・キング・コールと錚々たるメンバーがレコーディングしている。それほどの名曲。

ノスタルジックでムーディーな曲だけに、映画でもしばしばつかわれている(んじゃないでしょうか)。

わたしが覚えているのは2作品。
まずはジョージ・ルーカスの「アメリカン・グラフィティ」(1973年)。
オールデイズのヒットーパレードといった名作でした。
卒業式のダンパでスティーヴとロリーが踊るシーンでのBGM(YOU-TUBEでは長いですから3分すぎあたりからどうぞ)。
以後、日本でもディスコのチークタイムにはこの曲がよく流れるようになったとか。

もうひとつはスピルバーグの「オールウェイズ」(1989年)
これはメイン・テーマといっていいほど流れていました。
なぜかこの作品の主役も「アメ・グラ」と同じリチャード・ドレイファス。
事故で死んだ男が、恋人の新しい恋のために奮闘するというせつない“ゴースト・ストーリー”。

お話も良かったですが、当時観たわたしは、勇気をもって? 出演した天使役のオードリーに観劇、いや感激した覚えがあります。

とにかく別れを予感させるラヴシーンにはもってこいの曲でした。おそらくこれからもいろいろな映画でつかわれるのではないでしょうか。それほどエヴァグリーンな曲でも。

そうそう余談ですが、ゴースト・ストーリーといえば、「オールウェイズ」が劇場公開された年1989年には、やはり「生き返り話」の「フィールド・オブ・ドリームズ」が公開されています。そして翌年には極めつけの「ゴースト ニューヨークの幻」が。

つまり80年代末から90年代にかけて、日本でいえば平成初年、世はゴースト・ブームだったのです。これはハリウッドが仕掛けたものなのか。
いや、実はこれ日本発なんです。

「オールデーズ」が封切られる前年、すなわち1988年に日本映画「異人たちとの夏」(大林宣彦監督)が公開されているのです。これも山田太一が1987年に書いた小説が原作のゴースト・ストーリー。
それを観たスピルバーグが……。なんてことはないでしょうが。

余談が余計。もはや予定の3分の2を越してしまったので、急げマイケル。

2曲目はカントリーで「星をみつめないで」DON'T LET THE STARS GET IN YOUR EYES。

内容は、故郷を遠く離れた男が、恋人に「星をみつめないでおくれ」「月に心を奪われないでおくれ」「夜の恋なんて朝になれば色あせてしまうものさ」とうったえかけるもの。
つまり、浮気をせずにオイラのことを待ってておくれ、というヤキモチ焼きの男の歌。

テキサスのディスクジョッキー、スリム・ウィレットSLIM WILLET の自作自演が1952年のこと。なんでも朝鮮戦争へ出征した兵士が国の恋人へあてた手紙をヒントにつくられた歌だとか。

その後、スキーツ・マクドナルドSKEETS McDONALDがヒットさせて一躍有名に。ほかでもジョージ・ジョーンズGEORGE JONES、レッド・フォーリーRED FOLEY、ジョニー&ジャックJOHNNY & JACK など、多くのカントリーを中心としたシンガーたちがうたうように。

しかし、この曲を全米に知らしめたのは、カントリーシンガーではなく、かのペリー・コモPERRY COMO の大ヒットによって。カントリーナンバーがポップスにアレンジされて大ヒットするというのは、レイ・チャールズ「愛さずにはいられない」I CAN'T STOP LOVING YOU や先ごろ亡くなったホイットニー・ヒューストンWHITNEY HOUSTONの「オールウェイズ・ラヴ・ユー」I WILL ALWAYS LOVE YOU をあげるまでもなく、よくあること。

恋人を寝盗られないようにと願う歌にしては、かなり明るい歌でして。国民性か。

最後の選曲は少々迷いました。
イーグルス「偽りの瞳」LYIN' EYESもいいな。けどカントリーはすでに1曲とりあげたし。
ビリー・ホリデーBILLY HOLLIDAY の「ゼム・ゼア・アイズ」THEM THERE EYES もごきげんだし、しっとりしたエラELLA FITZGERALD の「エンジェル・アイズ」ANGEL EYES も捨てがたい。
幅広い世代に人気のR&B「君の瞳に恋してる」CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU LIVE もいいし、オールディーズだったら「片目のジャック」BALLAD OF THE ONE EYE JACK なんてのもあったり。

でもやっぱりこれだ。「アニヴァーサリー・ソング」ANNIVERSARY SONG 。

アメリカでは知られた結婚記念日ソングで、ここでも以前とりあげたことがありましたっけ。
もともとはクラシックで、イヴァノヴィッチIVANOBICの「ドナウ河のさざなみ」DANUBE WAVE。

アル・ジョルスンAL JOLSONからはじまって、ビング・クロスビーBING CROSBY、ディーン・マーチンDEAN MARTIN、ダイナ・ショアDINAH SHORE、パット・ブーンPAT BOON、アンディ・ウィリアムスANDY WILLIAMS、コニー・フランシスCONNIE FRANCISなどなど多くのシンガーにうたわれている。ということは、それだけで名曲といえるのでしょう。

この歌で瞳が出てくるのは、以下の部分。

The world was in bloom there were stars in the skies
Except for the few that were there in your eyes.

二人を包む満天の星。世界にある99パーセントの星が輝いている。そして、残りの1パーセントは君の瞳の中に……

こんなこと言えるのはやっぱり欧米人ですね。東洋系、いや日本人にはとても言えない。
いや、いました日本人でも。あの人が。

♪君の 瞳は 星と輝き……

なんてうたってたものね。


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