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その名は●ひとみ [the name]

姉妹1955.jpg

♪ひとみちゃん ひとみちゃん
 君のひとみが ぬれてると
 星の光も 悲しそう
 君のひとみが 輝くと
 小川の流れも 嬉しそう
 丘のりんごの 木の下で
 君のひとみに 恋をした
(「ひとみちゃん」詞:水島哲、曲:米田信一、歌:神戸一郎、昭和34年)

テレビで観たい映画があると、つい録画してしまいます。観ないくせに。
そのうちに内蔵のハードディスクもいっぱいになり、あわててダビングしたり。

先日、仕事が一段落したのでようやく観る気に。
とりあえずいちばん最近にダビングしたものを。
それが昭和30年に制作された家城巳代治監督の「姉妹」。もちろんモノクロ。

これは以前原作を読んだことがあり、家城監督がどう料理したのか興味もあったので。

で、観た感想はというと、エピソードの多少の入れ替わりはあったものの、かなり原作に忠実に作られていました。
だからといって原作のダイジェストというわけではなく、それはそれで映画として完成されたものでした。どちらかといえば映画のほうがおもしろかったかも。

原作はもはや忘れられた感がありますが、畔柳二美(くろやなぎふみ)という女性の作家で、昭和29年代に書かれた彼女にとっての代表作。
五人姉弟の次女だった彼女と長女との交流を描いた自伝的作品でもあります。

昭和30年代前半、原田康子、有吉佐和子、曽野綾子、瀬戸内晴美らによってつくられた女流作家ブームに先がけて書かれた小説で、毎日出版文化賞の受賞作。

で、映画ですが原作者である次女役が中原ひとみ、長女役が野添ひとみと、意図したのかどうかは分かりませんが、ダブルひとみ。

映画のほうが小説よりもおもしろかったと思ったのは、この二人のみごとな演技があったからかもしれません。
とりわけ、次女の中原ひとみが溌溂としていて印象的でした。

考えや行動がボーイッシュで、直情型で正義感が強いという女学生。姉に言わせると「あなたは泳げないのに川に飛び込んでしまうような人」というパーソナリティ。

野添ひとみ(残念ながら亡くなりましたが)は昔からファンでしたが、中原ひとみがこれほど上手だとは。ハマリ役だったのかもしれませんが、見直しました。

そんなわけで、どうしてもブログで「ひとみ」をやってみようと。

中原ひとみがレコードを出したかどうかはしりませんが、野添ひとみは歌手デビューしています。こちらもあまりうたうことが好きではなかったのか、数少なく、知っているのは昭和29年の「月のしずく」「君に誓いし」

どちらも作曲は「東京だよおっ母さん」万城目正、詞は前者が藤浦洸、後者が西條八十。後者は青木光一とのデュオだそうで、YOU-TUBEではじめて聴きました。

これだけでは淋しいのでそのほかの「ひとみ」さんの歌も。

やっぱり「ひとみ」といえば、愛知県出身の石川さんです。
「姉妹」の中原、野添もそうでしたが、石川ひとみもまた、瞳が印象的。

彼女たち「ひとみちゃんず」はオギャと生まれたてから瞳がつぶらだったために「ひとみ」と命名されたのじゃないでしょうか。違うかな。

石川ひとみはこのブログには何度も出てきてまして、その都度歌は代表曲の「まちぶせ」
あまりストーカーみたいなことばかりやらせておくのもナンナので、たまには違った曲を。
たまにはカヴァーもいいのではと思い、まずは同じアイドルの名曲を。
そして、もう1曲は歌がうまくなくてもカヴァーしやすいフォークソングから、やはりその名曲を。

カバーといえば、そのカヴァーでメジャーになった「ひとみさん」がいました。
広島県出身の島谷ひとみ

彼女の最大のヒット曲はご存じのとおりすぎやまこういちの名作「亜麻色の髪の乙女」
ご同輩なら知ってのとおり、オリジナルはGS、ヴィレッジ・シンガーズ

これで味をしめたのか、男性シンガーあるいはグループをカヴァーしたアルバムを2枚出しています。その中からやはりニューミュージックの名曲を。

ほかでは、J-POPの矢井田瞳や、元モーニング娘。の吉澤ひとみが。
ついでに若原一郎の娘さんが女優の若原瞳

また苗字ならば最近タイガースとしてテレビに出たらしい(見ておりませんが)、ピーこと瞳みのるがいます。

いにしえには、瞳麗子なんて、コケティッシュな 女優もいましたし、そんなんでいいんなら、喜劇役者の人見みのる、アスリート界では“鉄女”人見絹江もおりました。

話がとっちらかりそうなので戻しまして、“ダブルひとみ”の出ていた映画「姉妹」は、多々良純、望月優子、河野秋武、殿山泰司などのなつかしき人々を見ることもできました。

ところでこの映画、原作と最もことなる点はその時代背景。
原作が昭和初期前後なのに対して映画はほぼ同年代、つまり昭和20年代の後半。

姉妹の実家がある、山中の発電所のある村に馬車屋があって、その若妻が鼻歌を口ずさみます。
その歌が原作では大正初期に流行った松井須磨子「カチューシャの唄」
一方映画では神楽坂はん子「ゲイシャワルツ」。これは昭和27年のヒット曲。
映画では、ほかにも時代を思わせる職場のうたごえ運動の場面があって、トロイカやカチューシャなどのロシア民謡が聞えていました。

ラストシーン嫁いでいく姉を妹が見送るシーン。
映画では、お嫁さんはオープンボンネットのバスに乗って去っていきますが、原作では雪深い山の村から馬橇に乗って嫁いでいきます。

今年はじめての映画、いやDVD鑑賞でした。いい映画でした。

さいごにもうひとつ、冒頭に載せた歌詞はいまは亡き神戸一郎「ひとみちゃん」
「りんごちゃん」なんてのもありました。こちらはマイナーチューンで。
なお、作曲の米田信一は、これまた亡くなりましたが、かの遠藤実の別名。


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acy

オケ奏者ならば、基本的にはinCの譜面でも何の問題もなく読めますが
移調読みが出来ない奏者・吹奏楽しか吹いたことの無い奏者では
通常、inFの譜面しか読めません。

by acy (2012-03-01 16:49) 

MOMO

acyさん、読んでいただいてありがとうございました。
by MOMO (2012-03-01 22:48) 

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