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●ギリシャ [day by day]

誘惑.jpg

まだ由紀さおりの続き。

前回もいいましたが、“欧米でブレイク”だって。
アメリカはわかるけど、ヨーロッパも?

ニュースでは具体的な国として、今話題のギリシャの名前が。
なんでまたギリシャなのか。

思えば由紀さおりさん、「夜明けのスキャット」をヒットさせた1969年にギリシャを訪れています。
なんでもギリシャの音楽祭に出場するためで、そのとき「天使のスキャット」をうたい、最優秀歌唱賞を獲ったそうです。

当時、話題になった記憶がない。
なんでギリシャの音楽祭に出たのかも不明。
もしかして「夜明けのスキャット」ヒットのご褒美の海外旅行だったりして。たまたまそのスケジュールの中にギリシャ音楽祭があったから、「じゃ、ついでに出ちゃうか。入賞すればハクもつくし」なんて。

そんなことはないですよね。
しかし、これがイタリアのサンレモ音楽祭だったら、もうすこし話題になったのでしょうが。

しかし由紀さん、そんな外国の映画祭入賞なんて後押しがなくてももはや日本のトップシンガーになりつつあったのですから気にしませんよ、きっと。

“マクラ”はこれくらいにして。
とにかく40年以上も昔の話ですけど、そのとき由紀さおりの歌に魅せられたギリシャ人が少なからずいて、今回のヒットもそうしたひとたちの後押しがあったのではないでしょうか。あくまで推測ですが。

しかしギリシャ音楽。

フランスならシャンソン、イタリアならカンツォーネ、ポルトガルならファドという伝統的なポップスがありますが、ギリシャでは?
もちろん伝統音楽はあるのでしょうが、日本ではほとんど聞こえてきません。

それでもギリシャを代表するシンガーとしては、ナナ・ムスクーリNana Mouskouriがいるし、ジュルジュ・ムスタキGeorges Moustakiはギリシャ系のフランス人。

また、映画でも日本で知られた著名人が。

俳優ならば、のちに政界へ進出したメリナ・メルクーリ。(実は彼女しかしらない)
代表作「日曜はダメよ」や「死んでもいい」、「太陽が目にしみる」などなど。

監督では、「旅芸人の記録」や「永遠の一日」のテオ・アンゲロプロスでしょうか。

しかしわたしにとってギリシアの監督といえばコスタ・ガブラス
ほとんどフランスで活動していましたが、出身はギリシャ。

そして何よりも彼の代表作「Z」はギリシャの内紛を描いた作品。
ギリシャが軍事クーデターによって独裁政権を誕生させる“前夜”を描いた映画で、暗殺される政治家にイブ・モンタン。その真相解明に奔走するジャーナリストにジャック・ペラン、リベラルな判事にジャン・ルイ・トランティニヤンが扮していました。

公開は1969年といいますから、まさに「夜明けのスキャット」がヒットした年。

コスタ・ガブラスはその後「告白」、「戒厳令」と政治的三部作をつくるのですが、第一作ほどのインパクトはなかった。
その後、アメリカでもメガホンをとり、トム・ベレンジャーが白人至上主義のテロリストを演じた「背信の日々」などをつくりましたが、それもわたしの中では失速(「Z」のインパクトが強すぎたから)。

されど「Z」、アカデミーの外国映画賞を受賞するほど素晴らしい映画でした。
さらに、その音楽がまたよかった。メインテーマ以外でも、ラストシーン他で流れてい「愛のテーマ」[Yelasto Pedi](何と訳すのでしょうか)とか、ほかにも印象的なBGMがいくつもありました。

その音楽を担当したのがミキス・テオドラキスMikis Theodorakis。
元々はクラシック畑の人でしたが、ポップスや映画音楽でもギリシアでは知られた存在。

映画音楽では、前述のメリナ・メルクーリとアンソニー・パーキンスが共演した「死んでもいい」アンソニー・クインが気のいい男を好演した「その男ゾルバ」、さらにはアル・パチーノの初期の作品で警察の腐敗を暴こうとした警察官の物語「セルピコ」などが知られています。

なお、愛のテーマ[Yelasto Pedi]は、インストだけでなく、ギリシャの国民的歌手といわれるマリア・ファラントゥーリMaria Farantouri によってうたわれています。(YOU-TUBEは1974年といいますから、独裁政権が倒れ、民主化がなった直後のものだと思われます)

さらにこの歌、007の「ゴールド・フィンガー」をうたったシャーリー・バッシーShirey Basseyが「ライフ・ゴーズ・オン」Life goes onという題名でカヴァーしています。

当時持っていたシャーリー・バッシーのLPに入っていたフェヴァリットソングだったのですが、紛失。
CD化されているかと思って探してみましたが、みつからず。当時ダビングしたテープだけが残っていますがデッキが故障で聴けない状態。
そういう意味でもYOU-TUBEはありがたい。

さいごにもうひとつギリシャの映画音楽を。

「Z」の2年前につくられた「誘惑」という映画があります。
B級あるいはC級のラヴコメディという解説を読んだことがあるのですが……、ということはそうです、観ていないのですこの映画。

それでもなぜかサントラ盤を買ってしまいました。(おそらくラジオで聴いたのでしょう)
そもそも、B級映画のテーマがシングルレコードとして発売されるとは。で、わたしのように映画は観ないけど、音楽は聴きたいという人間が買ってしまうとは。
そうです、そんな時代があったのです。
ちなみに、前述したメリナ・メルクーリの「太陽が目にしみる」も“映画未見のサントラ買い”ってやつ。

で、この「誘惑」、ソウラ・ビルビリSoula Birbili という歌手がうたっているのですが、「Z」でもつかわれていた「ブズーキ」という弦楽器が印象的な音楽です。

ところでこのテーマ曲の作曲はてっきりテオドラキスだと思っていました。実際そんなようなことを本で読んだ記憶もあったので。

ところがインターネットで調べてみると、「誘惑」の音楽を担当したのは別人になっています。しかし、YOU-TUBEではテオドラキスのクレジットが入っているものもあります。
まぁ、調べつくしたわけでもないので、ここでは不明としておきます。

どなたか詳しい方がいらっしゃったら[Yelasto Pedi]の意味ともども教えていただければ幸いです。


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