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三つの歌●立川談志 [day by day]

談志と横井弘.jpg

だんしがしんだ。

有名な回文だけど、ほんとうになっちゃいました。

やっぱり淋しい。
小円遊、円楽、歌丸、小痴楽なんかを仕切っていた「笑点」の初期から見ていましたから。

でも、本業の落語は、個人的には圓生、小さん、志ん朝で止まってしまっているので、立川流については語るべき言葉もありません。

それよりもわたしが家元(談志)にシンパシーを感じるのは、彼が無類の歌好きだったこと。

彼は歌に関して三冊の著書がある(実際はもっとあるかもしれません)。

まず一冊目が「童謡咄」。
これはもちろん、彼が幼少のころから口ずさんでいたわらべ唄や唱歌(それらを童謡といっている)。

二冊目が「談志絶唱 昭和の歌謡曲」。
これもタイトルからわかるとおり、青年時代に聴きまくったという歌謡曲。もちろんいまでいえば懐メロ。

そして三冊目が「談志受け咄」。
これはたしか3人の深い交流のあった奇人をとりあげた内容で、その1人が今は亡き日本のカントリーの大御所・ジミー時田に関するものだった。

以上のジャンルからそれぞれ1曲とりあげ、立川談志への鎮魂歌としようと思います。

3冊ともどこかに積んであるのですが、探す時間もないので記憶と思い入れに頼ってピックアップしてみたいとおもいます。

まず、童謡。
これはかなり記憶が飛んでいます。
たしか談志の好きな歌に「冬景色」があったのはかすかに覚えています。
それよりも、彼が子供の頃、「とんぼ釣り」をしていた話が、わたしの体験と重なって印象に残っています。

とんぼ捕りではなく、とんぼ釣りなのです。
もちろん細竿にモチ(鳥もち)をつけた「とんぼ捕り」もしましたが、「とんぼ釣り」が懐かしい。

年配の方はご存じでしょうが、「とんぼ釣り」とははじめにメスを捕まえ、それを糸で縛って竿の先につけ、空中で振り回しながら交尾のために寄ってくるオスを捕まえるという方法なのです。

そのとき、独特の節で“誘いうた”をうたうのです。
♪とんぼ来い チャンがいるぞ
というような。

のちのちわかった節は、「元禄花見踊」のはじめのメロディーでした。
「チャン」とはギンヤンマのメスのこと。これものちにわかったことでした。
子どもの頃は意味など知らずに口ずさんでいたわけで、それはとんぼを捕まえる呪文のようなもので、ギンヤンマでなくともうたっておりました。

はたして日本全国どこでもうたわれていたのかどうかはしりませんが、わたしが育ったところは、談志師匠の地元と比較的ちかい場所ではありました。

何十年も忘れていた「歌」を思い出させてくれたのが、まさに「童謡咄」でした。

そんなわけで1曲目は「赤とんぼ」を。

つぎに歌謡曲。これはやたらと詳しい。
それも家元が青春時代を過ごした昭和は20年代、30年代の歌。

すきな歌手なら、ヒットしなかった曲やB面だって知っている。知っているだけじゃなくて歌っちゃう。どんだけ流行歌に漬かってたんだろうと思うほど。
とりわけ、作詞家には詳しい。それだけ歌詞を読みこんだか、うたいまくっていたのでしょう、きっと。

ディック・ミネ、田端義夫など好きな歌手はあまたいたでしょうが、とりわけの贔屓がプライベートでも仲良しだったという三橋美智也
だから、談志→歌謡曲 となると 三橋美智也→「哀愁列車」
と連想してしまう。

したがって2曲目の歌謡曲は「哀愁列車」で。

そして最後はジミー時田。
どういういきさつかはしりませんが、とにかく大親友。
ジミーが亡くなったときには、たしか葬儀委員長を務めたはず。

ほんとうにカントリーミュージックが好きだったのか、ジミー時田が好きでカントリーを聴いていたのかはわかりませんが、立川談志がロイ・エイカフについて語っていたということも聞いたことはないので、ここはやはりジミー時田の歌を聴きながら家元を偲びたいと思います。

多くあるジミーの曲から談志師匠にある意味ふさわしい「ワイルド・サイド・オブ・ライフ」を。

初期の笑点のメンバーで残っているのは歌丸だけ?
さみしいことです。


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コメント 2

MOMO

紺碧の書架さん、いつも読んでいただいてありがとうございます。
by MOMO (2011-12-28 00:52) 

だぼさん

この写真は「哀愁列車」を作詞した横井弘さんといっしょの談志師匠ですね。今頃三橋美智也を囲んで一杯やっているでしょうか。
by だぼさん (2016-11-17 10:53) 

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