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その名は●さおり [the name]

夜明けのスキャット.jpg

♪ やっぱり あの人は
  わたしを送りに来なかった
  賑わう夕暮れ 人混みのなか
  わたしは ただバスを待つ
  悲しみだけを 道案内に
  想い出色の 洋服を着て
  辛くないと言えば嘘だわ
  あの人のことが 気がかりだけど
  わたしは いまバスに乗る
(「挽歌」詞・千家和也、曲・浜圭介、歌・由紀さおり、昭和49年)

由紀さおりが欧米でブレイクしているらしい。
なんでもアメリカの楽団、ピンク・マルティーニが彼女の「夜明けのスキャット」を取り上げ、その後本人とのコラボに発展、さらにYOU-TUBEにのったり、iTunesで配信されたりと大騒動になったのだとか。

なんでかなと思うのは無理ないことで、いちばん驚いているのは本人だとか。
まぁ、インターネット時代ならではの現象といえるのでしょうが、ファンとしてはウレシイかぎり。

日本の流行歌の世界で、「さおり」といえば2人。
その由紀さおりと南沙織でしょう。

シンシアについてはつい最近(でもないか)やりましたので今回は“時の人”を。

では「夜明けのスキャット」までのプロフを簡単に。
本名は安田章子で、生れは群馬県桐生市。といってもこれは戦争での疎開先。
すぐに疎開前の神奈川に戻る。したがって育ちは横浜は鶴見。そうそう、生れは戦後です。これは言っておかないと。

姉の安田祥子(さちこ)が童謡歌手をしていた影響で、彼女も「ひばり児童合唱団」に入り、「花かげ」や「絵日傘」など何曲かの童謡をレコーディングしています。

ちなみに、元童謡歌手というか、子供の頃合唱団に入っていて、ティーンあるいは成人してから流行歌手になったという人は意外といます。

よく知られているのは園まり倍賞千恵子、それに女優兼の吉永小百合本間千代子(引退)。ほかにも、最近亡くなった日吉ミミ、あるいは渡辺トモコ、高石かつ枝がいますし、戦前にまでさかのぼれば織井茂子菅原都々子も童謡歌手でした。

軌道修正。由紀さおりのこと。
そして十八のときに所属していたキングレコードから流行歌手としてデビュー。このときは安田章子の本名で。
デビュー曲は当時流行っていたスカのリズムを取り入れた「ヒッチハイク娘」でしがた、これがさっぱり。

とにかく倍賞千恵子に次ぐヤングスターを、と意気込んでいたレコード会社の目論見は大外れ。

それでもめげないのが章子ちゃん。
当時、彼女の目標はペギー葉山のようなジャズシンガーあるいはポップシンガーだったとかで、そのため勉強を兼ねてクラブの仕事もずいぶんこなしていたとか。

やっぱりあふれんばかりの才能は誰かが発掘しちゃうんですね。

彼女の透明感のあるプレーンな声に注目するディレクターがいて、CMシンガーとして活路をみいだしていきます。歌ったCM曲は数百曲になるとか。

そのうちのかなりの曲を作っていたのがいずみたく
ピンキーこと今陽子佐良直美の才能を見抜いた作曲家が、安田章子の才能を見落とすはずがない。

とりわけいずみたくは、CMでしばしば使っていた彼女のスキャットの美しさに注目。
そのスキャットを使って再デビューを企画。十八の挫折から3年目のこと。

すてにキングレコードをやめていたので、東芝EMIで新たなスタート。そのときステージネームを由紀さおりに。
なんでもはじめは「結城紗織」だったとか。命名者は当時彼女のマネージャーだった母親で、呉服関係の仕事をしていたことから名付けたとか。
しかし、さすがに字面が重たすぎるので「由紀さおり」に変えたそう。

「夜明けのスキャット」はラジオの深夜番組のテーマ曲から広がり、ブレイクしたといわれていますが、これもいずみたくをはじめとする制作サイドの作戦だったようです。

とにかく「夜明けのスキャット」は200万枚を超えるビッグヒットとなり、新生・由紀さおりはスターシンガーの第一歩を踏み出したのです。

その後の活躍についてはウィキペディアなどをご覧になってください。

では本題であります、由紀さおりの“独偏的”ベスト3プラス1を。

「手紙」
「夜明けのスキャット」に次ぐオリコン1位の曲。曲は「人形の家」(弘田三枝子)や「積木の部屋」(布施明)、あるいは「円舞曲(ワルツ)」(ちあきなおみ)の川口真。詞はなかにし礼

「挽歌」
懐かしいタイトルの“別れうた”。でも歌謡曲の常で原田康子のベストセラー小説とは無関係。
メロディーメイカー浜圭介の哀調はさすが、奥行きのある詞は千家和也

「十二の誕生日に」
どうしてもいずみたく作品をひとつ。そして姉さんとのデュオを1曲。
いずみたくらしい曲で、ピンキーもうたっています。もしかしたら吹き込みはピンキーのほうが早かったのかも。

プラスワンはやっぱりカヴァーを。
昭和の名曲です。(消されそうなのでお早めにどうぞ)

*今、中日―ソフトバンクの日本シリーズ第4戦をテレビ観戦しておりました。
そして6回裏、1点ビハインドのドラゴンズの攻撃。ノーアウト満塁でリリーフした森福のピッチングにシビレました。三振、浅いレフトフライ、ショートゴロと見事無得点で抑えました。
もし、ソフトバンクが逃げ切ったら、この回がハイライトでしょう、多分。


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コメント 2

toty

由紀さおり
編曲が渋谷毅のものが多いですね。
アレンジもかなり曲調に影響すると思っています。
時々、渋谷さんのライブにいくようになって
この音を少なくした感じが、いいのかななんて思います。

由紀さおりの歌い方が、顔の表面を全部伸ばしているようで
独特だなと、思ったり。
お笑いもこなして、どこかのんびり感があって、好きです。

by toty (2011-11-19 01:16) 

MOMO

totyさん、いつもありがとうございます。

渋谷毅は弟子だったかどうかはわかりませんが、若い頃はいずみたくの事務所にいましたから、昔から親交があったのでしょうね。
当時からいずみたくは渋谷毅を「天才」と思っていたようですね。

由紀さおり、どこかホッとする顔ですね。和風で。

by MOMO (2011-11-23 23:59) 

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