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異論な人03●Girl①化粧 [people]

異論な人03.jpg

またしても電車中での目撃談。

別に電車中限定ではないのですが、「異論な人」を見る機会は電車中が多くなる。

それはわたしが電車によく乗るということもありますが、見知らぬ、それも数多の人びとと狭い空間を共有するはめとなる電車中では、ついついやることがなくなり、ついつい「異論な人」探しをしてしまったり。

2人とか3人で乗車すれば、話をしていればいいですが、1人ではそうはいかない。
たまに1人でも喋っている人もいますが、ふつうは無言の行。

とはいえなにもしないというのも、それはそれで苦痛なことで。
乗客のみなさんたいがいなにかをやっている。
では、なにをやっているのか。

いちばん多いのは最近なら、ケータイやゲーム。次が古典的な新聞、雑誌、本を読むこと。

ほかでは意外に多いのが「居眠り」(実は個人的には最近コレばかり)、それと週刊誌の中吊り広告をはじめ、車中の広告を読み漁る。最近はニュースや映像もあって、そこそこ暇つぶしにはなる。

ほかでは、仕事。プレゼン用かなにかの書類のチェック、あるいは校正、なかにはノートパソコンでブラインドタッチを披露している人もいたり。

また、立って吊皮につかまっている人では、ぼんやり窓外の景色を眺めているというのも多い。

先日見かけたのが、化粧。

これは時々みかけます。
しかし、こないだのはスゴかった。

午前十時過ぎころで、満員ではないけど、立っている人もそこそこという車中。
わたしが乗り込んだときも空席はなく、吊皮につかまり(こういう情況ではまず眠くならない)、「今日もスカイツリーは霞んでいるやろか」などと窓外をたしかめたあと、視線を落とすと座っていたのは今風の少女。
歳のころなら十八、九。

まさに“工事中”いや“作業中”(同じか)でありました。
すでにマンガチックなケバケバしいつけ睫毛は装着ずみで、左手に小鏡、右手に細い筆のようなものを持ち、さらに目に装飾をほどこしております。

ジッと見続けるわけにもいきません(許されればそうしたかったけど)ので、外の景色8分に少女2分という割合で視線を送っておりました。

目的地までは10駅あまり。時間にして20数分。
結局少女は、わたしが電車を降りるまで、いや多分降りたあとも化粧を続けていました。
口紅を塗ったり、鼻のわきにカゲをつけたり、頬やおでこを光らせたり……。

そうして少女は、下車する頃にはみごと変身して、さっそうと職場にあらわれるのでしょうね。

想像するに、わたしが乗車する前からすでに“工事”ははじまっていたのですから、最初はおそらく素面。しかしスゴイ時代になってますね。部分的なメイク直しは時たまみかけますが、彼女のような「車中フルメイク」は初めて。

寝坊してしまったのか、これが少女の日課なのかはわかりませんが、とにかく素顔から完成までの工程を、電車中とはいえ公衆の前で披露したのですからその度胸たるや。
テレビ番組風にいえば「電車中、全部見せますワタシの化粧AtoZ」てなことに。

電車中の化粧については、本もでているくらいで顰蹙をかっているようです。
とりわけ年配者、それも男性がお怒りのようです。

「ヤマトナデシコが、あゝ嘆かわしい」「あの奥ゆかしき女性やいま何処」
ってな具合でしょうか。

同性はどう思ってるんでしょうか。
一般論はわかりませんが(推測するに年配女性も眉を顰めているのでは)、以前読んだ本で中年のジェンダーの方々が対談しておりまして、その中ではたしか、「どこで化粧をしようが勝手」とかの女性の蛮行、いや品行を擁護しておりました。というより、彼女たちの矛先は、そうした行為を攻撃する男どもに向けられていた、というふうに読みとれました。

ついでにいうと、そうしたジェンダーの彼女たちが自身の化粧に無頓着だったり(余計なことを)。

わたしは、「“公前”で化粧する少女」たちにモノ申そうという気はサラサラありません。

大いに歓迎というと、同性から袋叩きにあいそうですからそこまではいいませんが、普段見れないものをジックリ(とはいかないんだけれど)見れるから、それはそれで暇つぶしにはなるのではないかと。

粉が飛び散ったり、香料が強すぎなければ、怒るほどのことではないのではというのが、わたしの本音。

もうひとついえば、やはり衆目での化粧は「恥ずべきこと」「慎むべきこと」という通念があるようで、実行しているのはほんのマイノリティ。ほとんどの少女たちは我慢(たぶん)しているんでしょう。

したがって、かの少女たちにもやがて歳とともに「社会的羞恥心」というのが植えつけられ、電車中の化粧をしなくなるはず。
意図的に反社会的行為を遂行しょうという強い意志をもった例外的人間はいるとしても。

つまり、電車中の化粧は「若気の至り」なのでありまして、それに顔をしかめる「大人」がいるのもこれまた当然ということなのでしょう。

それが証拠に、二十代後半とか三十代以上の女性で、電車中で化粧をしている女性というのはまず見かけませんから。
まぁ、歳とともに化粧に対する執着心がうすれてくるってこともあるでしょうけど(もう少しガンバッても、という思いがなくもないけど)。

では最後に、70年代の「少女」の歌、そして「化粧」の歌を。


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にしにし

子どもの頭を勝手に撫でるのと同様、世界的にはあまりよくない事なんだ、とわかっていてやるぶんには放っておくしかないんでしょうか。私は社会人デビュー者を対象にやってくれた化粧品メーカーの化粧で、自分の顔に滑稽さを感じ、以来一切やっていません。そろそろ醜くなってきたのかなとも思いますが、これが私だから、いいや、と思っています。
by にしにし (2011-11-06 06:53) 

MOMO

にしにしさん、コメントが遅れてすみません。
なまけてました。

化粧は男のわたしには当然のごとく他人事なんですが、時代によるその仕方の変化はおもしろいな、とおもますね。

いまの若い人の化粧は眼がスゴイですね。まるで70年代初頭のかんじ。
ただあの頃とちがうのは、そのドギツイ化粧を高校生、ややもすれば中学生がやってしまうということ。

時代は繰り返しても、そう単純にはめぐらないということでしょうか。
by MOMO (2011-11-16 22:06) 

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