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街▼秋葉原 [a landscape]

秋葉原.jpg

仕事が一段落したので、神田佐久間町まで用足しに。

遅く家を出たので、用事が終わったのが午後2時近く、そのままメトロの日比谷線に乗って帰宅するには中途半端な時間。それに昼メシも食べてないし。

そうだ湯島へ出てラーメンでも食べて行こう、と思いたち、JRの高架下を通り、アキバのメインストリート中央通りへと。

秋葉原の電気街はほんとに久しぶり。
というか、若い頃はレコードを買うにつけ、オーディオ製品やその備品を買うにつけ出かけるところは秋葉原だった。

そのむかし、秋葉原はもうすこし大人の街だった。
それが若者それもティーネイジャーにシフトしていったのは、パソコンが普及したことによってだと思う。そのあとテレビゲームがあっという間に広がって。

中央通りをそぞろに歩いていると、すれ違うのは圧倒的に二十歳前後の若者。それも男。それも単独行動が多い。彼らはよくいわれる「アキバ系」。

古い人間には「アキバ系」の定義はわからないけど、その「様子」をみるとなんとなく理解できるような気がする。

仕事でよく渋谷のセンター街や池袋のサンシャイン通りを通るけど、そこで見る若者たちとは全然違う。まるで人種が別のよう。

センター街はカップルも含めて女の娘が多い。その女の娘を求めて男どもが集まる。その男どもを求めて女の娘どもがやってくる。
目的はナンパ。ならばめいっぱい今風のオシャレをしなくは。俺もアタシもと。

久しぶりに秋葉原の中央通りを歩いてみたかぎり、センター街でみかけるような流行のファッションを身にまとった男どもはいなかった。
坊主頭も髭も見なかった。ヒサロ焼けやピアス、タトゥーなんてとんでもない。
紙袋は持っていなかったけど、服装は年寄りのわたしでさえ「もうすこし何とかなんないかい」といいたくなるほど地味。

でもキミらは、ナンパ目的じゃないんだから、そんなにヘアスタイルや服装に気をつかうこともないか。そりゃそうだ。

もうひとつセンター街と秋葉原の若者で大きく違っていたのは、彼らの表情。
センター街でみかける若い男は全部ではないにしろ、目つき顔つきに余裕がないというのか、緊張感を漲らせている奴らがほとんど。なかにはあきらかに戦闘モードに入っている野郎もいたり。
肩でもふれようものなら「チョットマテヨ!」と呼びとめられそう。

何と闘っているのか。
ナンパがすなわち戦闘ゲームなのか。メスを争って死闘をくりかえす動物のように、センター街は戦場なのか(そなアホな)。

秋葉原のヤングマンはというと、すれ違うどの顔も笑みさえ浮かべていないものの、一様に穏やか。その顔はまるで「ボク、争いごとはキライです」といっているよう。
原発でいえば、推進派と反対派、……なんてそんな単純じゃなか。

まぁ、どちらも現代の若者の一面であることは間違いないのだけれど、かつて繁華街といえばほとんどセンター街のようなところばかりだった。
だから、いわゆる「アキバ系」の青年たちはコワくて近寄らなかった(今でもそうかも)ものだ。それが21世紀になって彼らが主流となる新都会が生まれた。これは画期的なこと。

どちらがいいわるいとはいわないが、とにかくオラオラ系(っていうのかな)中心ではない繁華街があり、そこで青春を満喫する青年がいるということはいいことなんじゃないでしょうか。

中央通りを歩いているあいだ、さすがに声をかけてはくれなかったけれど何人ものメイドさんをみかけたり。お決まりのAKBのヒット曲が大音響で流れていたり、そこは新秋葉原の雰囲気に満ち溢れておりました。

そして広小路から湯島へ向かい、かの有名なラーメン店へ。
2時をまわっていたので、さすがにと思っていたが3人ばかりが店の外に並んでいました。

それでもすぐに入店となり、カウンターで腹ごしらえ。
ひところは月に一、二度は来ていた店ですが、ここ半年あまり遠ざかっておりました。

店内の様子は同じですが、店員さんが変わってました。それにラーメンの器も。
味は変わっていなかったのでひと安心。

醤油ラーメンを食べ始めて気付いたのは、かすかに聞こえるBGM。有線でしょう。
以前はなかったと思うのですが。

そのBGMがなんと演歌。
残念ながら音量が小さすぎるのか、わたしの耳が遠くなったのか、はっきりとした歌詞は聴きとれません。しかし、都はるみの「涙の連絡船」もどきのメロディーが耳の穴にしみこんできます。

ラーメン店、それも人気でこれまた客は若者中心というのに演歌とは。
気取ったラーメン店といえばBGMはジャズなんだけど(飯田橋にはカントリーを流すラーメン店がある)、演歌とはどういう狙いなのでしょうか。

さいごに秋葉原にちなんだ音楽を。
というとAKB48となるんだろうけど、オッサンにはチトつらい。

すぐに思い浮かぶのは、
♪ぼくはいささか 秋葉原
という小林旭「恋の山手線」
でもこれは秋葉原の歌ではなく、山手線全駅を読みこんだ(西日暮里が抜けてる)歌なのでいささか苦しい。

というわけでYOU-TUBEの力を借りて広瀬香美「ビバ☆秋葉原」なるものをみつけました。
新しすぎて着いていけないというご同輩には、なつかしのこんな歌でどうでしょう。「ビバ☆秋葉原」に通ずるものがあるでしょ? ないか。

追記

しばらく書いていなかったブログを強迫観念にかられて書かなくてはと思いたったのが秋葉原を歩いているとき。
帰宅して夕食前に夕刊の記事が目をひいた。
あの「秋葉原殺傷事件」が起きたのがちょうど3年前の今日だったのです。
現場には花も供えられていたそうですが、まるで気付かなかった。
小さな偶然とはいえ、いささか驚きました。

しかし犯人はなぜ犯行場所にセンター街ではなく秋葉原を選んだのでしょうか。
ほんとうのところはわかりませんが、もしかしたらセンター街などコワくて足を踏み入れたことがなかったのかも。

ということは彼もまた「アキバ系」だったのかも。
となると、「仲間」を襲ったことに。だとすると被害者にとってはもちろんですが、犯人にとってもよけいに「悲劇的」に思えてきます。
まぁ、想像にすぎませんが。


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toty

新しすぎてついていけないご同輩でございます(笑)
ここでも、My baby baby balla ballaが登場とは!

広瀬香美も、なんでも歌にしてしまう人ですが
その傾向は、最近私にも現れて…
お恥ずかしい限りです。
by toty (2011-06-09 08:30) 

MOMO

totyさん、いつも読んでもらってありがとうございます。

そうなんですか、何でも歌にしてしまうっていうのはスゴイ才能ですね。

やっぱり音楽的な蓄積がずいぶんなくてはできない「芸当」です。

それを即興でやればもう天才です。
by MOMO (2011-06-13 23:43) 

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