SSブログ

その名は●吉岡治 [the name]

真赤な太陽.jpg 

♪雨の夜に あなたは帰る
 そんな気がして ならないの
 すがりついたら はなさないわ
 濡れたあなたの カルダン・コート
 これも悲しい 夢かしら
(「雨の夜あなたは帰る」詞:吉岡治、曲:船村徹、歌:島和彦、昭和41年)

作詞家の吉岡治さんが亡くなりました。76歳だったそうです。
サトウハチローの弟子だったということは西條八十の孫弟子にあたります。
昨今は演歌の作詞家ということで通っていましたが、昭和40年代、まだ出始めの頃はポップス系の曲に詞をつけていました。

昭和50年代、都はるみとの“出会い”から演歌に傾倒していったような気がします。そのことが原因かどうかはわかりませんが、サトウハチローからは破門されたそうです。
それでも、演歌でビッグヒットを何曲も書けたのですから、正解だったのでしょう。
歌手でポップスから演歌へというのは堀内孝雄高山巌、真木ヒデト、長山洋子など何人かいますが、作詞家がというのはめずらしい。

心に響く歌がたくさんあります。
野坂昭如「金地獄雀歌草紙」とか、「十人の女学生」(小室等作曲)なんて強烈な歌もありましたが、残念ながらYOU-TUBEにはないようなので、以下の10曲を鎮魂歌として順不同で選んでみました。
ご冥福をお祈りいたします。

天城越え 石川さゆり 昭和61
昭和の名曲です「津軽海峡・冬景色」とともに彼女の代表曲になりました。

雨の夜あなたは帰る 島和彦 昭和41
作曲はめずらしく船村徹。ちあきなおみのカヴァーもよかった。同じトリオの「悦楽のブルース」は成人映画主題歌だったため放送禁止に

命くれない 瀬川瑛子 昭和61
苦節?年で彼女が報われた歌ですね。作詞家としてピークの頃かもしれません。

さざんかの宿 大川栄策 昭和57
これは「THIS IS ENKA」という歌で、カラオケでもいまだ人気なのではないでしょうか。作曲は最も相性がよかった市川昭介。冒頭の歌詞が印象的です。

潮風を待つ少女 安達明 昭和39
これは読者の雑誌の入選詞を補作したもの。当時主流の青春歌謡で、吉岡作品の流行歌としてはかなり古いほうです。

八月の濡れた砂 石川セリ 昭和47
同名の「映画」も何度も観ましたし、いちばん好きな歌。この頃まではまさか演歌の世界へ行くとは思っていませんでした。

ふたりの大阪 都はるみ、宮崎雅 昭和56
「惚れちゃったんだよ」、「小樽運河」、「千年の古都」など都はるみへの提供詞が多かったです。そのなかでもムード歌謡の匂いがするこのデュエット曲はいい。

真赤な太陽 美空ひばり 昭和42
GS時代真っ只中の不思議な歌。美空ひばりはいい意味で貪欲な歌手でした。黛ジュンのバージョンもいいですけど。吉岡治の出世作。

真夜中のギター 千賀かほる 昭和44
これも時代を感じさせるうたですね。1969年、なにやら世の中が騒然としておりました。学生も社会人も地方から東京へ出てきた人たちの想い出の曲かもしれません。

おもちゃのチャチャチャ 真理ヨシコ 昭和37
とても有名な童謡です。これも野坂昭如の詞を補作したものです。ここらへんが作詞家としてのスタート地点じゃなかったでしょうか。


nice!(0)  コメント(4) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 4

toty

昨夜、テレビで「命くれない」や「天城越え」をやっていて
演歌の作詞家と思っていたのですが

「八月の濡れた砂」や「真夜中のギター」も作っているんですね。
なぜか、不思議な感じでした。

真夜中のギターは、学生時代後半で
千賀かほるに似てるなんていわれて
ちょっと親しみを感じていた歌です。

最近、グループホームで職員の誰かが一緒に歌ったらしく
手書きの歌詞がコピーされていました。
思い出したばかりでした。
by toty (2010-05-19 10:34) 

レモン

おはようございます。

momoさんの選曲された中では
「雨の夜あなたは帰る」と 「潮風を待つ少女」は知りませんでした。
石川さゆりには沢山提供しているようですね。
「真夜中のギター」はギター弾きながら歌いましたし、「ふたりの大阪」もカラオケでよく歌いました。 
「八月の濡れた砂」は映画を見たことありませんが心に残る名曲です。

「真っ赤な太陽」を美空ひばりが歌ったときは驚きました。(笑い)
何故か、 さざんかの宿・・・のフレーズがたまにふっと頭をよぎる時があります。 

この作詞家の名前は記憶していなかったのですが、曲はどれもよく知っています。どれもプロの作詞家の作品ですね。
サトウハチローから破門されて逆に覚悟が出来たのでしょうか。



by レモン (2010-05-20 06:43) 

MOMO

totyさん、こんにちは。

そうですねほかにも演歌&YAZAWAっていう作詞家もいますしね。演歌もロックも日本の歌なら詞は大差なしってことかもしれません。

千賀かほるさんは品のある顔立ちですよね。ってけっこう新谷のり子と区別ができてなかったりして。

totyさんのブログでリンクを張っていただいてありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。


by MOMO (2010-05-20 22:44) 

MOMO

レモンさん、こんにちは。

「ふたりの大阪」カラオケでやりますか? 意外でした。
そうですよね、たまには演歌もうたいたいですよね。

「さざんかの宿」、同感です。
ほんと、曲がいいのか詞がいいのか、

♪曇りガラスを 手でふいて……
とか
♪愛しても愛しても あゝ他人の妻

なんてついつい口ずさんで、自分で照れたりしてね。
からだに染みついちゃってるヘンな歌ですね。
by MOMO (2010-05-20 22:51) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

喫茶店●学生街喫茶店●想い出 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。