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SILVER/ロケット [color sensation]

 ペンダント02.jpg 

♪最後のコインに祈りをこめて Midnight D.J.
 ダイヤル回す あの娘に伝えて まだ好きだよと
 …………
 オレの送った銀のロケット 今では違う誰かの写真
 イイサそいつと抱き合いながら 悲しい恋を笑ってくれよ
 涙のリクエスト 最後のリクエスト
 涙のリクエスト 最後のリクエスト for you
(「涙のリクエスト」詞:売野雅勇、曲:芹澤廣明、歌:チェッカーズ、昭和59年)

パラリンピックのアイススレッジホッケー、日本チームは惜しくも銀メダル。大健闘ですよね。

そこで、きょうのカラーは銀、つまりシルヴァー。で、「銀のロケット」。 

「ロケット」といっても宇宙に飛ばすあの物体のことではありません。そんなもの彼女にプレゼントしたって喜ばないものね。えっ? 売れば相当な額になるから喜ぶだろうって? そりゃ、そうだけど……。保管しとくのも大変だし。もういいか。

とにかく飛行体のロケットは[ROCKET]で、オレの送ったロケットは[LOCKET]、つまり首飾り。カメオとか七宝の飾りをチェーンでつないで首からさげるジュエリー。

上にのせた「涙のリクエスト」の歌詞にもあるように、飾りの部分がパカッとあくようになっていて、中に愛しい人の写真を入れたりしてね。経験ないけど。
いまでも売っているのでしょうけど、あまりみかけません。まぁ、写真ならケータイに入れておけばいいわけでしょうから。便利だね、味気ないねぇ。

「涙のリクエスト」は20年以上も昔のヒット曲。
ラジオのDJに想い出の曲をリクエストして、離れていった彼女の気持ちを引き戻そうとする未練タラタラな男の歌。

自分がプレゼントした銀のロケットにいまは新しい彼氏の写真が入っているだろうって想像してる。そういうところが甘いんだよね、彼は。
バイバイした元彼のプレゼントなんて身につけてるわけないじゃん。

もし、彼女がいまの彼氏にフラれたら同じ曲をリクエストしてくれだって。そのくせ、二人のメモリーリングを海に投げるという暴挙。どうなっちゃってるんでしょうか。フラれるわけだよ。
まぁ、人生幸朗じゃないんだから。責任者に出てこられても困るのでこのへんで。

とにかくこの「涙のリクエスト」の古くささは意図的にレトロを強調したもの。ラジオの深夜放送に若者が夢中になった最盛期は昭和も40年代じゃないでしょうか。

この年ならすでにプッシュ式電話が普及していたにもかかわらず、わざわざ「ダイヤル回す」なんていったり。ほかにも「トランジスタ」が出てくるしね。

まぁケータイなどなかったし、パソコンだって一般的ではなくほんの一部に普及していた時代。とはいえ、「ロケット」はもはや“絶滅品種”だったのでは。「ロケット」が流行ったのは昭和30年代前後ではないでしょうか。

その昭和35年頃流行った「山のロザリア」スリー・グレイセス他)には、
♪胸に抱くは遺身(かたみ)の 銀のロケット
とあります。

死んだ恋人のことがいつまでも忘れられないのでしょう。時おり思い出しては涙ぐんだりね。ロマンですね、チックですね。

シルバーとは限りませんが、もう1曲荻野目洋子「北風のキャロル」にも。
♪ロケットでまだ微笑っている あなたの写真
オールデイズナンバーを聞きながら別れた彼を思う、という歌なのでわざわざ「ロケット」としたのかも。「古きことは新しきかな」ってやつですね。

少なくとも昭和40年代に生存した若者は「ペンダント」とは言っても「ロケット」などとはいわなかったなぁ。

そのペンダントでは「銀の~」というのはあまり聞きません。でも、シルバーと限定しなければ、ロケットよりもそのペンダントのほうが多くうたわれているかも。

まずは柳ジョージ「青い瞳のステラ、1962年夏……」
♪……自慢の胸のペンダント……
 俺の髪をなで回しながら 見せてくれた写真

ソバカスの見える胸から無造作に引き出し、蓋をあけて見せてくれた彼氏の写真。
たぶん、いまでいう元カレですね。陽気なステラはそんなことひと言もいいませんが。

いまどき、別れた彼氏の写真を胸に抱いている女なんていないぜ、ってそうだよね、いまどきなら。昔もいなかっただろうって? さあどうだか。
「涙のリクエスト」とはちがって、ステラのペンダントは自分で買ったもの。そして、去っていったのは彼のほう。いまだに忘れられない彼。イカした歌だよね。

そんなステラのペンダントはシルバーではなくゴールド。それもプレーンなヤツ。ブロンドでブルーアイズとくればキンキラキンにさり気なくでしょう。偏見か。

ほかではラッツ&スター「街角トワイライト」
♪琥珀色をした 首筋に
 俺のイニシャルの ペンダント

日焼けに似合うのはシルバーよりも、こちらもゴールドかな。
この歌も仲睦まじき頃の想い出。
これって彼が自分のイニシャルを彫ったペンダントを彼女にプレゼントしたのでしょうか。それとも、彼女が自分で贈られたペンダントに彫ったのでしょうか。……たぶん二人合意でっていうことでしょうね。とにかく、“愛は永遠だ”なんて妄想真っ最中の頃。

夏が過ぎて日焼けが褪せるとともにLOVEも終り、にもかかわらず男はいまだ「もしかして」「まんがいち」の未練節、……という昔ながらの歌謡曲のステロタイプ。

それと真逆なのがかの青春挫折ソング「アカシヤの雨がやむとき」西田佐知子
♪思い出のペンダント 白い真珠のこの肌で
 淋しい今日も あたためているのに あの人は……

ペンダントが二人の愛の証なんだね、まだ諦めきれないんだね。ステラと同じ。女ごころは国境を越えて、なのかな。

そんなもん、捨てちゃうかハンマーで一発ガツンと、……そこまでやらなくてもいいか。とにかく愛の止揚には、まず形而下的変革をなすことによって、おのずから形而上的変革に至らしめる……なんてつまらないことのたまうヒマがあったら先を急げ(自戒)。

歌謡曲でもう1曲は西郷輝彦「星空のあいつ」
♪流れる星ならつかまえて キラリかがやくペンダント

金の星か銀の星か。金銀糾えるチェーンっていうのもありかも。

この歌はいかにも昔の歌謡曲的表現ですね。
よくいえばメルヘンチック、反対ならば幼稚、ウソくさい。だから流行歌なんですけど。
作詞は水島哲。たしか新聞記者で二足のワラジだったんじゃなかったかな。

「星」でいえば、「星は何でも知っている」(平尾昌章)、や「星よ嘆くな」(渡哲也)なんて名曲もありましたし、漣健児ほどではないけど舶来ポップスの“訳詞”もけっこうやってました。「スピーディー・ゴンザレス」(伊藤アイコ)とか「涙のバースデイ・パーティ」(中尾ミエ)とか「情熱の花」(ザ・ピーナッツ)とか「黒い傷跡のブルース」(小林旭)とかね。

またまた話があらぬ方向へ脱線し、とりとめがなくなりそうなので。

ロケット、ペンダントとくればもうひとつの首輪、じゃなくて首飾りはネックレス。
こちらはいまでもジュエリーの主流ですね。
で、シルバーといえば、矢沢永吉「銀のネックレス」があります。
♪折れそうな首筋に 銀のネックレス
危ないオトコと妖しいオンナのワンナイト・ラヴ、ってとこですか。

銀のネックレスなら近藤真彦「ブルージーンズ・メモリー」の中にも
♪きらめき銀のネックレス 灼けた肌きまりすぎだぜ
汽車で都会へ行く彼女が別れのしるしにプラットホームへ銀のネックレスを投げるというドラマチックなストーリー。カッコつけすぎだぜ米兵衛。

そうですよねいまはネックレスですよね。でも昔はこんなのもありましたよ。
♪銀のクルスを胸にかけ 踏絵おそれぬ殉教の 「南海の美少年」橋幸夫
「クルス」とはクロス、つまり十字架のこと。「南海の美少年」は島原の乱の首魁、天草四郎時貞をうたったもの。
いまでもあると思いますが、十字架をヘッドにつけたペンダント。これは息の長い永遠のベストセラーデザインでしょうね。

ロケットにペンダントにネックレス、オシャレですねぇ。いまや男女共通のファッションになっています。
首からさげるオシャレといえばもうひとつ。IDカード。
会社やビルのセキュリティが厳しくなって部外者の侵入をチェックするための身分証明書。それをいちいちポケットから取り出して警備員に見せるのは面倒なのでヒモをつけて首からさげているというわけ。

以前は都心のビルに入っている企業だけだったのが、いまではそこそこ人数のいる会社なら採用しているところが少なくないようです。
オシャレなのかステイタスなのか、なかには警備員なんかいないようなビルの会社でもやっている。まぁ、外部から客が来たとき社員であることはもちろん、どこの部署かということがわかるのでオープンといえばそうなのですが。

で、昼休みになるとそのIDカードぶら下げたまま近所の食堂へ。ちょっとスカしたやつは首のヒモはそのままに胸ポケットに入れたりして。
就業時間中の外出時に携帯することっていう就業規則でもあるんでしょうか。外出中に大地震とかテロが起きて万が一のとき身元を確認するためとか。
そんなサラリーマンの姿を目にするとなんとなく、バリバリ仕事をしていそうに思えてくるからバカにならない。実際はどうでも。

でもなんとなく、幼稚園児やお年寄りの名札みたいで……。個人情報保護なんて風潮のわりには不用心で……。まぁ、そんなものとは無縁な人間の僻みといえばそうなわけで……。
……やってみてぇ! IDカード首からブラリン!


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