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GOLDEN /イヤリング [color sensation]

レイ・ブライアント.jpg


There's a story the Gypsies know is true
That when your love wears golden earrings
He belongs to you
An old love story that's known to very few
But if you wear these golden earrings
Love will come to you
By the burning fire they will glow with every coal
You will hear desire whisper low inside your soul
So be my Gypsy make love your guiding light
And let this pair of golden earrings
cast their spell tonight
([GOLDEN EARRINGS] lyrics by JEY LIVINGSTON and RAY EVANS, music by VICTOR YOUNG, vocal by PEGGY LEE, 1948)


バンクーバーでの冬季パラリンピックの日本人選手の成績は先日のオリンピックをしのいでいる。
スーパー大回転座位の狩野亮が金メダル。狩野は滑降の銀メダルに続く表彰台。狩野の先輩だという森井大輝も2つめの銅メダルという活躍ぶり。

金メダルはノルディック10キロ立位の新田佳浩に次いで2つめ。
明日、日本チームはアイススレッジホッケーで3つめの金に挑む。

そんな選手諸君のさらなる活躍を願って今日の「カラー」はゴールド。

『夕暮れの道を歩いている小学5、6年くらいの少女。遊びに行った友達の家からでも帰るのだろうか。
ふと道ばたの草むらの中の光るものが目に入った。なんだろうと思ってそばへ近づきしゃがんでみると、きれいな金色の耳飾りの片われだった。少女は辺りを見回し、その素晴らしい落とし物をつまみ上げスカートのポケットにいれた。そして家路を走っていった。

一家団欒の夕食もそこそこ少女は席を立つ。
「どうしたの?」と訝しがる母の声を背に「宿題があるから」と2階へ上がる。

少女は自分の部屋へは行かず、そっと両親の部屋へ。
電気をつけ、鏡台の前へ座り、カバーを取る。そしてポケットから金の耳飾りを取り出し、鏡を見ながら左の耳につけてみる。
耳たぶの下で輝きながら揺れている耳飾り。鏡の向こうから見つめているもうひとりの少女。彼女は、自分よりはるかに大人だった』

誰の作品だったか、昭和30年代を舞台にした、こんなイメージの文章を昔読んだことがありました。
子供から大人へ成長していく少女の様子が、イヤリングという小道具をつかって鮮明かつ印象的に描かれていました。

この話、多分たんなる耳飾りが落ちていたということで、金だとは書いてなかったかもしれません。それを金と思いこんだのは、レイ・ブライアントRAY BRYANTの「ゴールデン・イヤリング」GOLDEN EARRINGS の印象が残っていたからかもしれません。

「ゴールデン・イヤリング」は1947年といいますから昭和22年にマレーネ・デイトリッヒ主演で作られたアメリカ映画「黄金の耳飾り」の主題歌。残念ながら観ていません。

作曲は「八十日間世界一周」AROUND THE WORLDや「シェーン」THE CALL OF FARAWAY HILLSなどスクリーン・ミュージックで知られるヴィクター・ヤングVICTOR YOUNG 。ただ、この歌は元々あったハンガリーのロマ・ミュージックをヤングがアレンジしたものともいわれています。そういわれれば、どことなく雰囲気がサラサーテSARASATEの「ツィゴイネルワイゼン」ZIGEUNERWEISEN に似てなくもない。

名曲なので演奏するアーチストも少なくなく、同じピアノならキース・ジャレットKEITH JARRETT、エディ・ヒギンスEDDIE HIGGINS、スティーヴ・キューンSTEVE KUHU、ケニー・ドリューKENNY DREW などで聴けます。ギターではウェス・モンゴメリーWES MONTGOMERY 。

デイトリッヒがうたっていたぐらいなので、ヴォーカルもあり。
いちばん知られているのはペギー・リーPEGGY LEE でしょう。ほかにはウィリー・ネルソンWILLIE NELSON のスタンダードをうたったアルバムでも聴けますし、レイ・コニフ・シンガーズRAY CONNIFF でも。

また、マイナーチューンで日本人好みということもあって、日本のアーチストもレパートリーにしています。演奏ではヴァイオリンの寺井尚子、トランペットの市原ひかり
ヴォーカルもいろいろなシンガーがうたっていますが、めずらしいのはちあきなおみ
「愛の形見」という邦題で、
♪過去から逃げ出しても あなたのぬくもり忘れても
 影のようについてくるの 愛の形見なんか何もない
という日本語詞でうたっています。残念ながらイヤリングも耳飾りも出てきませんが。

男性歌手では西城秀樹がが。
♪今夜二人は 恋に落ちると 囁くのさゴールデン・イヤリング 君の代わりに
とうたっております。

さらに桜田淳子まで……。と思いきやこれは「ゴールデン・イヤリング」という別の歌。
いかにも昭和50年代のアイドル歌謡というノリのいい楽曲で、冒頭のエピソードとカスるところがあり、彼と別れた女の娘が、ひとつ無くしてしまった想い出のイヤリングの片割れをつけてみるという悲しい話。

また杏里には「イヤリング」があり、その中で
♪悲しい想いそっとほどくように 開けたpresent 金色のearring
と出てきます。
元彼からゴールデン・イヤリングを贈られるという“女ごころは複雑ねストーリー”。

そのほか金かどうかは不明という「イヤリングの歌」はいくつかありますが、個人的に好きなのはタコの、いや以下の3曲。


「シルエット・ロマンス」大橋純子
♪無意識にイヤリング 気づいたらはずしてた
この歌は秘めた情熱って感じですから、金ではなくて赤ではないでしょうか。

「プレゼント」ジッタ・リンジン
♪あなたがわたしにくれたもの ヒステリックなイヤリング
これも金じゃないなぁ。ヒステリックなって? たとえば鋭角的な幾何学形で色は赤、青、黄なんかの原色のポップ調とかね。

「トンテンカン・ロック」浜村美智子
♪粋なスタイル デニムのズボン パーマにはちまき イヤリング
半世紀以上前の古い歌です。
主人公は今でいうガテン系、鍛冶屋の娘なのです。鍛冶屋ってわからないかもね。
父親と仕事中、誘いに来た彼氏も手伝わせるという、まさに“鉄女”。
そんな彼女の耳に揺れているのは何んとなくゴールデン・イヤリング。

イヤリング、いまでもあるのでしょうけど、主力はピアスでしょうね。
イヤリングもピアスも古代エジプトからの歴史がある(男女とも)というからたいしたものです。日本でも太古の昔はあったようですが、戦国時代はおろか丁髷時代でもつけていたという話は聞いたことがない。
おそらく女性がイヤリングをつけはじめたのは明治時代から。そしてピアスになったのは昭和も50年代に入ってからではないでしょうか。もちろんはじめは女性だけ。

それが男もするようになったのは昭和の終わりから平成のはじめ頃でしょうか。いまではかなりの数の若い男性が耳を飾っています。いや40代、50代でもやってる。
まぁ、いいですけど、いいオヤジが鏡を見ながらつけたりはずしたりという光景はあまり見たくないもんだ。

それでもやはり男の場合、まだカジュアルなオシャレなんでしょうね。ネクタイ、スーツにキラリとピアス、なんてサラリーマン、ほとんど見かけませんから。自由業とか水商売とかファッション業界などは別ですが。

女性の場合は一般の企業でもOKなんでしょ。だったら男女平等の立場から男だっていいじゃないですか。ねえ。

そのうち、サラリーマンもピアスして、アイラインいれて、半袖のワイシャツからのぞく二の腕にはタトゥーなんてね。


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MOMO

さとまろさん、どうもありがとうございます。
by MOMO (2010-04-04 23:54) 

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