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その名は●ナナ② [the name]

ナナ.jpg
♪国道沿いのロイホで 夜明けまで話し込み
 何もできずホームで 見送られるときの
 憎たらしい笑顔 よくわからぬ手ぶり
 君と生きていくことを決めた

 だからナナ 君だけナナ ここにいる
 ナナ 夢がある 野望もある たぶんずっと
(「ナナへの気持ち」詞、曲:草野正宗、歌:スピッツ、平成8年)

前回書いたきように、昭和40年以降「ナナ」という女性の名前が日本で浸透していくことに。
といっても、人気の名前になるのは平成以後。

その「ナナ」だが、漢字表記では「奈々」がいちばん多いのではないだろうか。
昭和50年にテレビのオーディション番組から歌手デビューしたアイドルに岡田奈々がいる。2枚目のシングル「女学生」、翌年に出した「青春の坂道」が小ヒット。
のちに俳優に専念して現在に至っている。
ちなみに「奈々」は芸名で、本名は「弘子」さんだそうだ。

もちろん「娼婦的」あるいは「悪女的」要素などない清潔キャラクター。

現役歌手の「奈々」さんはいないかと探すと演歌のかつき奈々がいた。
平成4年デビューというからもはや中堅。
子供のころからのど自慢大会で名をはせたというから歌のうまさは定評。ただそれがヒット曲に結びつかないことがこの世界のキビシイところ。
平成19年にはデビュー15周年記念盤として吉岡治、弦哲也のヒットコンビによる「愛恋海峡」をリリースしている。「奈々」は本名。

こちらはもう少し人生のというか、男と女のキビを知っている「ナナ」さん。いちずで献身的な、演歌の世界では典型的な女。

ほかの現役では「ミ・アモーレ」(中森明菜)や「禁断のテレパシー」(工藤静香)をカヴァーしていた女優兼の片瀬那奈、「JUNGLE DANCE」のテレビスポットが激しかった谷村奈南、歌を聴いたことはありませんが北出菜奈と、また別の「ナナ」さんたちもいる。前回もいったっけ?

もうひとり平成デビューでは近藤名奈
平成5年「こんな日は早起きしてあなたに会いたい」でデビュー。
「サラダ通りで会いましょう」などCMのイメージソングやテレビ番組のタイトルソングをいくつもうたっていた。
「春色のカーブ」は、今どきの歌だし、渡辺美里を思わせるハッピーソング。
現在は新人シンガーのプロデュースをしているが、たまにライブハウスなどでうたっているとか。

歌の中に出てくる「ナナ」は、まず昭和最後の「ナナの歌」、チェッカーズ「NANA」

♪ねえ ナナ おまえが死ぬほど好きなのに……言いのがれがうまい 女だね……

自分の方は夢中になっているのに、なかなかノッテこない彼女にいら立っている歌。
あれこれ口説いてもその気にならないので、「誘いにくいね」とか「世界一しらけるね」なんてプチ切れてる。まぁ自分が誘えば誰でも靡くと思っている自信満々のカッコマンの歌ということでしょうか。

この歌のナナさんは、優柔不断(もしかして彼のことが好きでも何でもないのかも)。しかし、フミヤくんがそんなに入れ込むのだからきっと可愛い女なのでしょう。

もう1曲は上に詞をのせた平成ソング、スピッツ「ナナへの気持ち」
こちらも「ナナ」に夢中の男の気持ちがうたわれている。

ここでの「ナナ」は少し変わった女の娘。
恋する彼によって彼女のいくつもの断片が垣間見える。
「前触れなく叫んだり」、「ヘンなところでもらい泣き」したり、ときにはクールだったり。また嫌がらずに夜明けまでファミレスで付き合ってくれるわりには、ガードが堅かったり。

容姿はというと、「日に焼けた強い腕」と「根元だけ黒い髪」しかわからない。すくなくとも、体格は良さそうで茶髪にしていることは間違いなさそうだが。

とにかく水原弘がいうような「へんな女」、あるいは谷啓が愛した「ヘンチョコリンなヘンテコリンな娘」なのである。脱線しちゃった。軌道修正。

草野正宗のつぎはぎの「女の娘像」がとてもユニークで、それらを縫い合わせると多くの男がメロメロになるキャラクターに仕上がるという寸法。うん、上手だ。

もちろんゾラの「ナナ」とは全然別人格の女だけれども、1番の詞にある「誰からも好かれて 片方じゃ避けられて」という部分に注目すると、精神的な意味でもっとも「娼婦性」に富んだ娘なのかもしれない。
作者はもしかすると、そのことを織り込んでこの歌をつくったのかも。

木の実ナナから始まって半世紀が経とうとしている日本の「ナナ」。
それにしても、木の実ナナ、近藤名奈、片瀬那奈、かつき奈々、北出菜奈……。なぜか「ナナ」さんの苗字はかしら文字が「K」の場合が多い。
これを“業界”では「ナナ不思議」といっている。


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tsukikumo

いつもながら「閉め」がウマイなぁ。ひょっとしてケーシー高峰を尊敬してません?
尾崎奈々はMOMO さん世代のアイドルじゃありませんかね?「進め!ジャガーズ敵前上陸」では中村晃子が色褪せるほどの美人でした。
by tsukikumo (2009-06-04 20:42) 

MOMO

尾崎奈々はいわゆる“清純派”でしたよね。歌のほうはともかく。
どこか異国の雰囲気があって。いまでもああした顔立ちの女優さんがいますよね。

ケーシー高峰どうしているのでしょうね。もう時代じゃないんだろうけど、地方でも回っているのかな。それとも案外浅草あたりに出ていたり。

前のところで書き忘れましたが、木の実ナナのGSカヴァーもなかなか好きです。
by MOMO (2009-06-06 22:01) 

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