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公園⑧セントラル・パーク [a landscape]

セントラル・パーク.jpg

Old friends, old friends,
Sat on their park bench like bookends
A newspaper blown through the grass
Falls on the round toes of the high shoes of the old friends

Old friends, winter companions, the old men
Lost in their overcoats, waiting for the sun
The sounds of the city sifting through trees
Settles like dust on the shoulders of the old friends
([OLD FRIENDS] written by PAUL SIMON vocals by SIMON & GARFUNKEL, 1968)

7月にサイモン&ガーファンクル(S&G)の来日コンサートがあるとか。
まだ稼がなければならない理由があるのか、それとも音楽という“麻薬”の魅力から逃れられないでいるのか。いずれにしてもファンにとっては嬉しいこと。

ウッドストックとともに、ロック、ポップスのシーンで語り草になっているのが50万人の聴衆を集めたというS&Gのセントラル・パークCENTRAL PARKでのコンサート。
もちろんビデオで見ただけだが、ラフでシンプルで感動的なコンサートだった。

日本人にとって前回のマッカーサー・パークはほとんど知られていない公園だが、こちらはニューヨークにある超有名な公園。行ったことのないわたしでも知っている。

そのセントラル・パーク、19世紀後半というから明治のはじめ頃、マンハッタンにつくられた都市公園の原型となった公園で、その大きさは日比谷公園の約20倍。
なかには美術館、博物館などの施設のほか、野外コンサートが行われるスペースもある。

ニューヨーク・フィルをはじめクラシックコンサートがよく開かれるということだが、ポピュラー音楽ではほかにキャロル・キング、シェリル・クロウあるいはバンドネオンのアストール・ピアソラなどのコンサートが知られている。

しかし、やっぱりS&Gのコンサート。
「ミセス・ロビンソン」MRS. ROBINSON からはじまって「サウンド・オブ・サイレンス」THE SOUND OF SILENCEまで彼らのヒット曲を連ねたコンサートはファンを十分魅了した。

そのS&Gのセントラル・パークのコンサートでもうたわれた曲に公園をバックグラウンドにした「旧友」OLD FRERINDS がある。

年老いた友人同士が公園のベンチに座っている。それはまるでブックエンドのよう……ではじまる歌で、その旋律は、人間の晩年を思わせるようでもあり、人生を達観してしまったような、それでいてどこか淋しいような、不思議な趣をもった歌。
もちろん、この公園がセントラル・パークだとはうたわれていないのだが。

またセントラル・パークは、おそらくアメリカの中でも最も知られた公園なので、しばしば映画の舞台にもなっている

有名なのは「ダイハード3」
爆発魔の電話に翻弄される刑事・ジョン・マクレーンがクルマでセントラル・パークを縦断するというカーアクション。
しかし、それよりも有名なのが1971年に公開された「ある愛の詩」LOVE STORY 。

「出逢い→恋愛→結婚→反対→病死」と絵にかいたような純愛悲恋映画の定番。映画のキャッチコピーともなった主人公の言葉「愛とは決して後悔しないこと」なんて中学生が言いそうなセリフも受けてヒット。ノベライズも全米で1000万部に達したとか。

こういう「お涙頂戴ストーリー」は日本人の好むところで、明治30年代の武男と浪子の「不如帰」(徳富蘆花)から昭和30年代のマコとミコの「愛と死をみつめて」(河野実、大島みち子)の空前のヒットをみればあきらか。

その純愛悲恋死別映画は平成の世でも健在で、柳の下の泥鰌が50匹ぐらいいるのではないかと思うほど次から次へと出てきているらしい。

軌道修正。
映画「ある愛の詩」はアカデミー音楽賞を受賞。その音楽を担当したのが「男と女」や「白い恋人たち」でおなじみのフランシス・レイFRANCIS LAI 。

そのテーマ音楽「ある愛の詩」はあまりにも有名だが、サントラ盤ではモーツァルトやバッハ(ヒロインのジェニーが好きな音楽)のほか、レイのオリジナルをいくつも聴くことができる。その中のひとつに「スケーティング・イン・セントラル・パーク」SKATING IN CENTRAL PARKがある。

これは二人の思い出の場所であるセントラル・パーク内にあるスケートリンクをイメージしたもので、恋人たちの幸福感が美しいワルツで奏でられている。

「スケーティング・イン・セントラルパーク」といえばジャズにも同名の曲がある。
MJQ[MODERN JAZZ QUARTET]の作品。作ったのはピアノのジョン・ルイスJOHN LEWIS 。
ミルト・ジャクソンMILT JACKSON のヴァイヴが主導する、こちらも軽快に滑走するスケーターの姿が目に浮かぶようなワルツ。

この曲はビル・エヴァンスBILL EVANSとジム・ホールJIM HALLのコラボでも聴ける。
あたりまえだが、こちらはもう対等な“掛け合い”でピアノとギターのデュオが絶妙な調和をつくっている。
黒人と白人の違いもあるのだろうが、“本家”よりもビル&ジムの方が洗練されていて、よりジャジーに聴こえる。好みもありますが。

ジャズではほかに、コルトレーンJOHN COLTRANE の「セントラルパーク・ウエスト」CENTRAL PARK WEST(YOU-TUBEはコルトレーン風) とニーナ・シモンNINA SIMONEの「セントラルパーク・ブルース」CENTRAL PARK BLUES がある。

どちらも彼らのオリジナルで、前者はソプラノサックスが公園通りののどかな休日の模様を奏でている。背景でマッコイ・タイナーのMCCOY TYNER のピアノが曲に立体感をくわえているのがいい。
後者はニーナのピアノによるインスト。文字どおりブルース。静かに語りかけるような軽いタッチはまるで彼女のヴォーカルのよう。ジャズピアニストとしてのニーナを堪能できる。

邦楽ではミスター・チルドレンMr. CHILDREN の「十二月のセントラルパークブルース」がある。
30男の12月のニューヨークひとり旅。なぜかクリスマスツリーで泣けてきて、
♪ちょっと待った僕はもう30だせ
と。少しホームシックになったり、彼女に会いたくなったり。そんな“寒い”自分もいいなと思うナルシズム。
題名のとおりのブルースギターがイカしている。

インターネットで調べたら日本でも「中央公園」という楽曲があった。うたっているのは藤崎詩織。どんなアイドルだいと思ったらこれが、なんとゲームの中に出てくるキャラクターときたもんだ。いったいどんな曲だろう……、いやいやおじさんにはそこまで付き合う気はないんだ。


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