公園①受験生ブルース [a landscape]
♪おいでみなさん 聞いとくれ 僕は悲しい受験生
砂をかむよな味気ない 僕の話を聞いとくれ
朝は眠いのに起こされて 朝メシ食べずに学校へ
一時間目が終わったら 無心に弁当食べるのよ
昼は悲しや公園へ 行けばアベックばっかりで
恋しちゃならない受験生 ヤケのヤンパチ石投げた
(「受験生ブルース」曲:中川五郎、詞・歌:高石ともや、昭和43年)
桜が終わればつつじが満開。日本の四季というのはまったくもって几帳面なものです。多少の早い遅いはありますが。
現在、東京では下町の根津神社で「つつじ祭り」が行われていますが、わざわざ足をのばさなくても近所の公園へ行けば赤白のものがたいがいは植わっています。
ということで、これからしばしツツジではなくて公園のお話を。
今、日本で最も有名な公園といえば赤坂の「檜町公園」。
微罪ではあるけど、酒の上ではあるけど、大馬鹿野郎であることには変わりない。だから「何やってんだバカヤロー!」と一喝して幕でいいんじゃないかな。つまり愚行なんだから叱らなくては。
テレビを見ている限り、叱ったのはあの法務大臣時代“死刑執行職務”に忠実だった現総務大臣ただひとり。いささか叱り方がキツかったけど叱るのは当然のこと。
あとは誰もが半ば擁護論。あれがたとえば、警察官や教師などの公務員だったらニュースショーのキャスターやコメンテーターは「まったく非常識な」とか「酒の上とはいえ情けない」とのとまったのではないかな。やったことは同じであっても。
まぁ、相手が大手芸能事務所所属だったからとは思いませんが(?)、たしかに叱りにくい「いい人」だったということはあるのでしょうが。やっぱりバカなことしたらまずは叱ってやらなくては彼もかわいそう。
そうそう、こんなことを話すはずではなかった。軽口注意。
この事件があったから「公園」をとりあげたのではなく、はじめから予定していたことでして。ちょっとフライングぎみではあるけれど。
公園とはその字のとおり、公(おおやけ)のスペー スで、大きく分けて自然公園と都市公園があります。前者の代表的なものが国立公園であり、後者が児童公園やアスレチックス公園。
日本に名称としての「公園」が設けられたのは明治になってから。
具体的には明治6年、東京、大阪、山形、千葉、広島、大分など全国で25の公園が設置されます。東京は金竜山浅草寺、東叡山寛永寺、三縁山増上寺、富岡八幡宮、飛鳥山の5カ所。今でいえば順番に、浅草、上野、芝、深川、王子。
これらはいずれも、江戸時代からの行楽地、まぁいってみれば丁髷時代の公園。
あらたに造成した公園ということになると明治9年の横浜公園が第一号といわれています。それ以前に同じ横浜の山手公園がつくられていますが、これは当初外国人専用の公園だったとか。
東京ではその後の西洋式公園の規範となった日比谷公園がつくられますが、それはさらに後の明治36年のこと。
児童公園については車や馬車の往来が激しくなった大正期、その必要性が語られはじめますが、実際に完成をみるのは昭和に入ってから。
戦前は公園でデートとか、逢引きなんて石でも投げられかねない。だから流行歌の中で「舗道」や「並木路」は出てきても「公園」や「ベンチ」など一向に出てこない。
唯一みつけられたのが昭和9年の藤山一郎とカリフォルニア出身の二世シンガー、ヘレン隅田による「公園で」。
これがなかなかスインギーなイカした曲。それもそのはず、これは前年アメリカで封切られた映画「ゴールド・ディガース1933」の挿入歌[PETTIN’ IN THE PARK]を佐伯孝夫が訳したのも。作曲は「瞳は君ゆえに」や「チャタヌガ・チューチュー」のハリー・ウォーレンHARRY WARREN。
それでもクサナギくん(まだ言ってる)の例を俟たずとも公園にはさまざまなドラマがある。
それでは公園の一日を。まずは朝。
♪朝もやのたちこめた 静かな公園で 内緒話をしましょう 「朝もやの公園で」五輪真弓
60年代のアメリカンフォークソングの香りがする曲。ヒロインは朝の公園を散歩でもしていたのか、はたまたジョガーなのか。そこで初めて会った人としばしの語らい。なんとも大胆な。一目ぼれ? そういえば「恋人よ」でも「雨にぬれたベンチ」とか「マラソン人」(ヘンな言い方)など公園を思わせる歌詞が出てくる。
続いて昼間。
上に詞をのせた「受験生ブルース」高石ともや
受験生の心理をついた和製フォークの傑作。昭和40年代前半の曲で、その受験生に支持されてヒット。上にのせたのは3番までで、♪勉強ちっともしないで こんな歌ばっかり歌ってるから…… の10番まである。
やがて夕方。
♪日の暮れた公園で ギターを弾いて 「嫁に来ないか」新沼謙治
素朴な青年の素朴なプロポーズソング。モテモテ男の「お嫁においで」から10年後の歌。作詞作曲は阿久悠と川口真。
そして夜。
♪公園のフェンス越しに 夜の風が吹いた 「夜空ノムコウ」スマップ
これは彼と彼女の歌。やっぱり公園は誰かいい人と一緒のほうが楽しいよね。
それにしても出会い、モヤモヤ嫉妬、プロポーズ、 失恋と、公園のあちこちでドラマが展開されている。これからしばし、そんなさまざまな公園をのぞいてみます。
フランク永井の「公園の手品師」という歌の隠れフアンが多いようですネ
なかなか根強い人気があるようです☆
>今、日本で最も有名な公園といえば赤坂の「檜町公園」。
◆スッポンポン公園と改名・・したら←軽口注意
では・・・又。
by ≪カチューシャ≫ (2009-04-24 23:21)
カチューシャさん、こんにちは。
公園の歌といえば「公園の手品師」ですよね。
ここでも何度か取り上げているのですが、またまた取り上げようと思っています。もうたいして書くこともないのですが……。
by MOMO (2009-04-26 20:49)
気楽にごろりと横になれる場所が公園には必要だと思います。
都会はどこもかしこも管理されすぎて夢を見る暇もない。
適当に羽目をはずしたい気持ちもわかります。
「受験生のブルース」のイントロは僕もよく弾きました。
ソラシドとベースから入ってズンチャン、ズンチャンとやらかしたものです。
「ゴールド・ディガース」という映画は知りませんでしたがチョー古いですね。演出も箱型フォードが走り回ってる古き良きアメリカみたいな感じで大雑把なおおらかさをかんじました。
こんな映画の挿入歌を訳して歌っていたとは戦後の日本も変わり身が早いというのでしょうかね。
by レモン (2009-04-27 19:37)
レモンさん、こんにちは。
いまは少なくなっているのかもしれませんが、公園の芝生に「入るべからず」の立札、あれは嫌でしたね。広いスペースなのに。
「ゴールド・ディガーズ」はわたしも観たことありませんが、ミュージカルのようですね。アメリカが不況から抜け出したころで、やっぱり容器ですよね。スイングが誕生する少しまえですが、スイングしてますね。
by MOMO (2009-04-29 20:47)