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YELLOW/ひまわり③ [color sensation]

ひまわり3.jpg

♪ 時は流れる 光の中に
  あふれる 哀しみを 胸に抱いて
  探し続けた 愛はむなしく
  めぐり逢いし今は はるかな人
  
  二度と 帰らぬ夢
  あなたに 愛を残して
  …………
  夏の輝く 光の中で
  静かに ひまわりは 風に揺れる
(「ひまわり」詞:直村慶子、曲:ヘンリー・マンシーニ、歌:大木康子、平成元年)


いまさらですが、「ひまわり」ってどんな花なんでしょう。
たしかに子供の頃からありました。夏になるとそこかしこにニョキニョキあらわれて、派手な花を咲かせていました。雑草なのか。

植物学的にはキク科の一年草で、学名はHelianthus annuus。ヘンリアンサスとは「太陽の花」という意味だとか。あの大きな花は実は、いくつもの花が集まっているのだそうです。原産地は北アメリカ。
時代劇でひまわり畑で斬り合いがあったり、横丁の路地にでかいのが1本咲いてて、恋人同士の待ち合わせの目印になっていた、なんて話は聞かない。だから日本に入ってきたのは明治以降? と思ったらあにはからず、17世紀というから江戸時代の前半にはすでに存在していたとか。元禄時代には「ひまわり」という言葉もあったというのだから、せめて浮世絵かなんかに残しておいてほしかった。まぁそれはどうでも。

で、ひまわり植えてどうするのかというと、これがなんと食用。
種をそのまま食べたり、紅花や菜の花のように油をしぼったりと。そういえば、メジャーリーグの選手たちがよくひまわりの種を食べている。もちろん生ではなく炒ってあるんでしょう。袋から取り出し口に含んでモグモグと。そのあとプッと皮だけ器用に吐き出しいる光景がテレビによく映し出されていた。

そんなひまわり、日本でも北海道や香川県など全国各地で栽培されているが、世界最大の生産地はロシア。広大な地域だけに広大なひまわり畑がひろがっているのでしょう。

そういえばビットリオ・デ・シーカ監督の映画「ひまわり」I GIRASOLI。ロシアが舞台で、画面一杯に果てしないひまわり畑が広がっていました。あんな光景初めてだったので、それだけで圧倒されたものでした。

イタリア映画「ひまわり」は戦争に翻弄された夫婦の悲劇を描いた作品。夫婦を演じたのがマルチェロ・マストロヤンニソフィア・ローレンの名コンビ。ロシアの娘を演じたリュドミラ・サベリーエワも綺麗だった。デ・シーカ晩年の作品だが、やはり全盛期の迫力はなかった(あたりまえか)。
その少し前に観た、似たような設定のベストセラー小説を映画化した「25時」のほうが心に染みた。主演のアンソニー・クインの木訥とした演技がいまも記憶に残っている。悲劇の奥さんはたしかビルナ・リージだった。同じくイタリア映画だったが。

しかし、映画音楽となると断然「ひまわり」ヘンリー・マンシーニHENRY MANCINIの哀調を帯びた主題歌「ひまわり」LOVE THEME FROM SUNFLOWERには酔わされました。画面から流れてくるとストーリーが一気に盛り上がって。これぞ映画音楽のなせるワザ。

ヘンリー・マンシーニといえば「ピンクの豹」THE PINK PANTHER をはじめ「ムーン・リバー」MOON RIVER 、「酒とバラの日々」DAYS OF WINE AND ROSES、「シャレード」CHARADE など映画を離れても聴けるすばらしい作品がありました。

そのなかでも「ひまわり」はイタリア映画ということも意識したのかめずらしいマイナーチューンの作品。
この美しい映画音楽に「愛の喪失」LOSS OF LOVE というタイトルをつけてうたったのがスコット・ウォーカーSCOTT WALKER (実はこれはYOU-TUBEで初めて見ました)。

ジャズではマッコイ・タイナーMcCOY TYNERのグループがやはりLOSS OF LOVE という曲名で演奏している。意外にも?“直球”という感じでアントニオ・ハートANTONIO HARTのアルトサックスがここちよい。

ジャズといえば、日本では寺井尚子のヴァイオリンで聴ける。ヴォーカルでは仲宗根かほる。ともに邦題は「ひまわり」。仲宗根盤の
Love is storm and wind and tide で始まる歌詞はスコット・ウォーカーと同じ。

同じヴォーカルでも訳詞というか日本語詞ならば上にのせた大木康子盤。
大木康子は現役のシャンソン歌手。昭和40年に「誰もいない海」を初めてレコーディングした歌手としても知られている。

もうひとりこの映画主題歌の「ひまわり」を、
♪くるくる回る ひまわりの花……
と自作の日本語詞でうたっているシンガーがいる。それがなんと筋肉少女帯。もちろんヴォーカルは大槻ケンジ
メタル「ひまわり」ってどう? と思って聴いたらこれもまた“直球”(チェンジアップかも)。ロック・ギターの片鱗も少しはあったが終始オーケストラありバックコーラスありで、無事演奏終了。
なんで? という疑問。よほど映画「ひまわり」に感動したのか、それともスコット・ウォーカーのファンだったのか。どうせならいっちょう派手にやってもらいたかったな。

去年まで人家が立っていた所が空き地になったと思ったら、今年の夏突然ニョキニョキとひまわり群があらわれた。まだ花は小さく、来年が楽しみだなぁと思っていたら、いつのまにか整地されあとかたもなく消えてしまっていた。
それでもことしは、なぜか空き地でひまわりをよく見かける。どれも、丈の長い割に花は小ぶり。子供の頃に見た幹のぶ太いヤツとは種類が違うのか。
そんな、ひまわりもそろそろ終わりの季節となりました。まぁ今年は充分楽しませてもらいました。来年またな。


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