北京五輪④あゝマラソン [deporte]
あゝあ……野口みずきにつづいて土佐礼子まで……。
女子マラソンやっぱりだめだった。
辛口でいえば、土佐は走って間もなく足に痛みを感じてズルズル後退していき、半分もたずに棄権(もっと早くすべきだった)したのだから、これはレース前に棄権した野口とほとんど同じ状況。
突然のアクシデントというより、外反母趾というのはいわば持病のようなもの。代表選考以後の練習で悪化してしまったのだろうが。走るのは無理だったといわれても仕方ない。
とはいえ、野口にしろ土佐にしろ、もちろん中村友梨香もふくめて、代表選考に異論はない。要は、野口と土佐がその後のケガも含めたコンディションの調整に失敗したということ。
こういうことはどんなスポーツでもありうる。どんなに慎重を期しても裏目にでることがあるのだ。
今回の五輪女子マラソンはたまたま、それが3人中2人に出てしまったということ。いわば「わるいことが重なった」のだ。これは防ぎようがないし、「体調管理がわるい」と簡単に非難できるものでもない。
ただ、やっぱり悔やまれるのは「補欠」が消えてしまったこと。
野口の不出場が決まったとき、陸連は補欠の選手もケガをしていると弁解(にならない)していた。しかし実際には、その2週間あまり前に補欠を解除している。
補欠というのは大会が始まったら解除されるものなのか。また補欠の繰り上がり出場というのはどの時点まで認められるのか、詳しいことは知らないが、その役割を考えれば、競技のスタートが切られる寸前までチェンジが有効であるべきではないかと思う。
それを考えると、今回の“補欠なし”は陸連のミスといわれても仕方ないのではないか。
今回のことを考えれば今後は補欠3人ぐらい考えておいてもいいぐらい。
補欠がいたなら、野口だって不出場の口惜しさはあっても、責任の重圧は緩和されただろうし、土佐だって思いきって欠場に踏み切れたかも知れない。
それにしても、高橋尚子、野口みずきと2大会優勝のあとの北京、3連続というのは何事においても難しい。正直野口の欠場が決まった時点で「今回はメダルなし」と思わされたが、残念。中村の13位は“健闘”だろうが、なぐさめにはならない。
あゝ北京のマラソンも終わった、ってまだ男子が残っている。
忘れていた。でもなぁ……、いや、こういうときほど誰かがあっと驚く成績を残すことがあるのだ。女子のように低タイムでの決着になれば、もしかして……。
とにかく最終日24日、大崎悟史、尾方剛、佐藤敦之の3人に期待しよう。
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