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その名は●ジュリー① [the name]

ジュリー①.jpg

Rain drops on roses and whiskers on kittens
Bright copper kettles and warm woolin' mittens
From paper packages tied up with strings
These are a few of my favorite things
…………
When the dog bites, when the bee stings
When I'm feeling sad
I simply remember my favorite things
And then I don't fell so bad
([MY FAVORITE THINGS]私の好きなもの words by OSCAR HAMMERSTEIN Ⅱ, music by RICHARD RODGERS, vocal by JULIE ANDREWS, 1965)

子供の頃、映画といえば東映時代劇一辺倒だったわたしが、洋画を見はじめたのは高校に入った頃だったかな。
とにかく洋画は邦画に比べリアリティがなかった。それはスクリーンに映るドラマが語る文化や生活様式がまるで別世界だったということや、字幕の介在によって映像が対象化されてしまい、その中へストレートに参加することが拒まれてしまったということだった。
なんて小難しいことはいわなくても、慣れてなかったといえばそういうこと。
ただ、リアリティがないということは、それだけファンタスティックということで、傍観者とはいえ、それだけ素晴らしい世界を垣間見ているということでもあった。

ディズニー映画の「メリー・ポピンズ」を観たのもその頃だった。
洋画というだけでファンタスティックなのに、ストーリーそのものがファンタスティックなミュージカル。字幕を読み切れなくともその世界の魅力は充分堪能できたし、その中でうたわれていた「チム・チム・チェリー」Chim Chim Cheree はいつまでも耳に残った。

その「メリー・ポピンズ」に主演していたのがジュリー・アンドリュースJulie Andrews
その後、「サウンド・オブ・ミュージック」、「引き裂かれたカーテン」、「ハワイ」とジュリーに導かれて素晴らしい洋画の世界を探検することになったのだった。

ジュリー・アンドリュースは元々イギリスの舞台女優で、のちにアメリカのブロードウェイに進出。「マイ・フェア・レディ」のイライザ役でトップ女優となり、銀幕へと進出した。「メリー・ポピンズ」はその第一作。日本でもその作品でいきなりブレイク。映画雑誌の表紙を飾るほどになっていた。本名はジュリア・エリザベス・ウェルズJulia Elizabeth Wells 。

ミュージカルに欠かせない音楽の視点からみて「メリー・ポピンズ」以上に素晴らしかったのが「サウンド・オブ・ミュージック」。これはロジャーズ&ハマースタインⅡによるブロードウェイミュージカルとして1959年に上演。ジュリー・アンドリュース主演で映画化されたのは65年で、その年のアカデミー作品賞、監督賞などを受賞している。

この作品の中では「ザ・サウンド・オブ・ミュージック」The Sound of Musicをはじめ、「マリア」Maria、「ドレミの歌」Do-Re-Mi、「すべての山に登れ」Climb Ev'ry Mountain、「エーデルワイス」Edelweiss、などその後スターンダートとなるいくつもの名曲が使われていた。「私のお気に入り」My Favorite Thingsもそのひとつ。

「薔薇についた雨粒、猫のヒゲ、毛糸の手袋、白い子馬、月夜に飛ぶ雁、私の鼻と睫に積もった白雪……」と自分の好きなものをならべていき、「つらいときは、そんな私の好きなものを思い出すと、楽しくなるの」という内容の歌。

映画では家庭教師として住み込んだマリア(ジュリー)が、父親から叱られた子供たちの前でうたっていた。

もうひとつこの歌はジョン・コルトレーンJohn Coltrane も取り上げ、ジャズのスタンダードになっている。ちなみにコルトレーンでは、「チム・チム・チェリー」Chim Chim cheree も聴ける。

「ジュリー」Julie という名前は元々英語の「ジュリア」Julia から派生したもので、ジュリアは古代ローマの氏族名ユリアスに由来するといわれる。
ジュリアス・シーザーJulius Caesar の「ジュリアス」はそこから派生した男性名で、ほかにはジュリアンJulian、やジュールJule 、フリオJulio などがある。

その女性名が「ジュリア」や「ジュリー」で、「ジュリエット」Juliet、「ジュリエッタ」Giuliettaはその愛称。

ほかの女優では「ドクトル・ジバゴ」「華氏451度」で主演し、最近も話題になっているジュリー・クリスティJulie Christie「ペリカン白書」や「プリティ・ウーマン」ジュリア・ロバーツJulia Roberts 、「道」ジュリエッタ・マッシーナGiulietta Masina がいる。

シンガーではまずジュリー・ロンドンJulie london
16歳で女優デビューしたが、いまひとつ主役級になれず、歌手も兼用に。1955年、ジェーン・マンスフィールド主演の「女はそれを我慢できない」の中で歌った「クライミー・ア・リヴァー」Cry me a river がヒット、トップ・シンガーの仲間入り。
日本でも昭和30年代から40年代にかけて、そのハスキーヴォイスで人気があった。多くのスタンダードナンバーを残しているが、ジャズシンガーではない、という人もいる。ジャズかポップスか、まぁその中間があってもいいわけで。

シャンソンではジュリエット・グレコJuriette Greco
1950年代、戦後のシャンソンが花開いた時代をうたったシンガー。同時代のサルトル、コクトー、モーリアックらに愛され支持された。コクトーの「彼女の宝石は心だ」という讃辞に応えるかのように「ステージではアクセサリーはつけない。わたしの声が宝石だから」と言ったとか。マイルス・デイヴィスや俳優のミシェル・ピッコリとの結婚も話題になった。代表曲は「街角」Coin de rue 、「私は私」Je suis comme Je suis や戦前の大ヒット曲「聞かせてよ愛の言葉を」Parlez-moi D'amourなど。7、8年前にも来日しているし、日本では何度もコンサートを行っている。

もうひとり、ジュリー・チャールズJulie Cherles[FOLK SONG FROM BRITAIN & IRELAND]というCDで、「グリーンスリーブス」Greensleevesや「マイ・ボニー」My Bonny lies over the ocean 、「ダニー・ボーイ」Danny boyなどイギリスのトラディショナル・ソングをうたっている。曲調にふさわしい、透明感の中に芯のある美しい声の持ち主。

とにかくジュリーという名前の響きはいい。ジュリアでもジュリエットでも。
国によってはユリアとかユリエなどというそうで、ならば日本でも有里亜さんや由利江さんがいそう。(このブログを書き終わった後、松田樹利亜というシンガーがいると、知り合いから教えてもらいました)


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