その名は●ケンさん② [the name]
♪ あのトランジズターシスター
いつもラジオがないと ゴキゲンななめで
デイトもしてくれぬ
だって九ちゃん マーちゃん 加代ちゃん
それに謙ちゃん ミッキー ミコが
あのトランジスターシスター 好きなんだ
(「トランジスター・シスター」詞:漣健児、曲:F.SLAY, C. DOUGHHERTY、歌:飯田久彦、昭和37年)
名前の連呼です。九ちゃんからミコまで6人。
ここにもいました「ケンさん」いや、「ケンちゃん」。
「ケンさん」というと“兄貴”という感じですが、「ケンちゃん」になると同輩。年下ならば「ケン坊」。といえば、こんなのも。
♪ 昨日マー坊 今日トミー 明日はジョージかケン坊か 「圭子の夢は夜ひらく」藤圭子
で、「トランジスター・シスター」。
「謙ちゃん」以外にも多くの人名がでてきます。3番にはさらに、「ヒロシ イサオ ファンキーズ タカシ パラキン みどりちゃん」と合計12人。
これが実はすべて当時のロカビリアンやポップシンガー。
フレディ・キャノンFREDDY CANNON が歌う原曲がトランジスタラジオを持ち歩いている女の子の話。そのラジオからながれてくるエルヴィスやボビー・ダーリンの曲という歌詞をヒントに怪人・漣健児が超訳詞をしたわけ。
その12人をホンモノと付け合わせると、
九ちゃん→坂本九 マーちゃん→平尾昌章
加代ちゃん→森山加代子 謙ちゃん→北原謙二 ミッキー→ミッキー・カーチス
ミコ→弘田三枝子
ヒロシ→水原弘、井上ひろし、守屋浩、かまやつひろし
イサオ→佐々木功
ファンキーズ→スリー・ファンキーズ
タカシ→鹿内タカシ
パラキン→ダニー飯田とパラダイスキング
みどりちゃん→田代みどり
お亡くなりになった方もチラホラ。また何人かは現役でときどきオールディーズ番組でおみかけします。
チャコこと飯田久彦は、ごぞんじのとおり引退後、レコード会社のディレクター、プロデューサー、そして重役、社長へと転身していったポップシンガー。
「ルイジアナ・ママ」、「悲しき街角」「花咲く街角」「ポケット・トランジスター」「シェーナ・シェーナ」などのカヴァーポップスを。そうそう「あの娘にしあわせを」なんてオリジナル曲もありました。
当時のカヴァーポップスは競作があたりまえで、この「トランジスター・シスター」も目方誠(美樹克彦)やベニ・シスターズ盤が。
のちには「カトちゃんケンちゃん」もありましたし、「チャコちゃんケンちゃん」(逆でしたか?)もあった。「洗濯屋ケンちゃん」なんてのも。
それだけ「ケンちゃん」は親しまれた名前。
シンガーにはどのぐらい「ケンちゃん」がいたか、代表曲とともにあげてみますと、
新沼謙治「嫁に来ないか」
萩原健一「大阪で生まれた女」
なぎらけんいち「悲惨な戦い」
森田健作「さらば涙といおう」
矢吹健「あなたのブルース」
高岡健二「君よ八月に熱くなれ」
桜木健一「柔道一直線」
遠藤賢二「カレーライス」
山内賢「青春・ア・ゴーゴー」
村木賢吉「おやじの海」
沢田研二「危険なふたり」
美川憲一「さそり座のおんな」
黒木憲「霧にむせぶ夜」
清水健太郎「失恋レストラン」
平井堅「大きな古時計」
まぁ、いるわいるわ。ほかにも錦織健もいるし、クレージー・ケン・バンドのリーダーは横山剣だったし、「明日なき世界」をカヴァーしたのはケン・サンダース。
ほかにもいた気がするけど出てきません。これ健忘症といいます
これしかありませんでした。
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