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その名は●アンナ② [the name]

 

♪ …………
  寒い夜だった つらく悲しい
  一人きりの 長い夜だった
  北へ向かう夜汽車は 俺の中の
  心のように すすり泣いてた
  そんな時 おまえがよこした便り
  ただ一言だけ 寂しいってつづってた

  アンナ
  クリスマスキャンドルの灯は
  揺れているかい
  アンナ
  おまえの愛の灯はまだ
  燃えているかい
(「安奈」詞・曲:甲斐よしひろ、歌:甲斐バンド、昭和54年)

日本でアンナといえば、土屋アンナ、梅宮アンナ、萩野アンナ……。
3人目は少しジャンルが違いましたが。
昔はケイ・アンナ(「太陽の恋人」)なんてアイドルもいたけど知らないでしょうね。

まあ、いずれもハーフというかクォーターというか、とにかく純日本人(なんているのかな)ではない方々。

昔は“混血”などといった。いま聞かないのは差別用語になったからなのか。
そういえば、“ハーフ”も差別用語だとする意見もある。人間なのに“半分”とはおかしいではないか、というわけ。
たしかに、混血やハーフという発想のベースには日本人が純血民族だという“共通意識”がある。これはいささかコワイ考え方でもある。

「あの人ハーフだってさ」とか「彼はクォーターらしいよ」などというのは、決して相手を差別している意識はないとしても、もはや古い言い方なのかもしれない。ある人間を血液含有量(そんなものはない)で捉えるのはたしかにおかしい。

土屋アンナは土屋アンナだし、室伏広治は室伏広治なのだ。おそらく、いまの若い人たちはわれわれほど“ハーフ”だ“クォーター”だという意識はないのかもしれない。

いまは昔ほど、アングロ・サクソンあるいはスラブ系の“ハーフ”たちがモデルやタレントとしてもてはやされることは少なくなったのでは。

アンナの邦楽といえば、真っ先に思い浮かぶのが甲斐バンド「安奈」
「クリスマス・イヴ」(山下達郎)とともに、クリスマスソングの定番でもある(といっても若い人にはJポップにそうした類の歌はあるのでしょうが)。

どちらの歌も彼女とは身も心も隔てられたクリスマス。
「クリスマス・イヴ」はおそらく片想いの彼女。彼はいつも彼女がひとりで来る店で待っている。奇跡が起きそうなイヴ。だから……と。
CMでは、彼女が現れてハッピーエンドになるのだが。

一方の「安奈」は、昔愛し合ったふたり。
いまは事情があって離ればなれ。男はオン・ザ・ロード。それでも連絡だけは取りあっているふたり。
夜汽車の外に見える闇の中の灯り。男は彼女の元へ戻り、もう一度やり直してみようと思う。
これもまた、奇跡の起こりそうなクリスマス・イヴのなせるわざ。

そうでしたクリスマスもはや過去のこと。テーマは「アンナ」。

ほかに「アンナ」の歌といえば、ナツメロにありました。
美空ひばりが昭和の歌姫ならば、ブルースの女王とうたわれたのが淡谷のり子。ふたりは天敵。それはどうでも。
その淡谷のり子が昭和27年にうたった「黒い瞳のアンナ」。ビギンのリズムにのせてエキゾチシズムあふれた歌詞だが純和製。作曲は昭和20年代を中心にナンシー梅木生田恵子、暁テル子らに洋楽風の楽曲を提供した松井八郎。作詞は戦前の「君恋し」「神田小唄」で知られる時雨音羽

そしてもう1曲。
「黒い瞳のアンナ」から3年のち、リズムもビギンからマンボへ。
大津美子「東京アンナ」
銀座のキャバレーのダンサーがそのアンナ。作詞はそののち、「東京の灯よいつまでも」(新川二郎)を作る藤間哲郎。作曲は「上海帰りのリル」(津村謙)渡久地政信

渡久地は、貴島正一という名の元歌手。さしたるヒット曲はなかったが作曲家に転向して大ブレイク。当時としてはモダンなマンボのリズムを取り入れた「東京アンナ」を世に出す前の年、手拍子が似合う純和風の「お富さん」を作ったのだから多彩。まさにプロ。

その弟子だったのが大津美子。愛知県豊橋市出身で“東海のひばり”といわれるほどの歌上手。30年7月に恩師の「千鳥のブルース」でデビュー。「東京アンナ」はその2カ月後の2枚目のシングル。これが大ヒット。そのあと勢いで続編「さよならアンナ」を出したが二匹目のドジョウはいなかったようだ。
以後、「銀座の蝶」、「いのちの限り」「ここに幸あり」、「東京は恋人」とヒット曲を連発。キングレコードのドル箱(古い?)シンガーとなる。

その他、シャネルズ「愛しのアンナ」がある。なんでも最近の日本のパンクバンドMACK SHOWにも「愛しのアンナ」があるとか。

カヴァー曲では江利チエミ「アンナ」朱里エイコ「ハバナ・アンナ」が。

そういま思い出したのがナツメロ。
昭和13年というから、ほぼ70年前の歌。楠木繁夫が歌う「人生劇場」
♪ アンナ女にゃ 未練はないが……
昨日のと識別できないほど低レベルのダジャレ。

女があれば男もある。
♪ アンナ男と思っても 忘れることができないの 「新宿ブルース」扇ひろ子
最近だって、
♪ もう二度と アンナに誰かのこと愛せない 「LOVERS AGAIN」EXILE

もういいか。いいな。


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