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冬歌⑧木枯らし [noisy life]

 

♪ 出逢いは風の中 恋に落ちたあの日から
  気づかぬうちに心は あなたを求めてた
  泣かないで恋心よ 願いが叶うなら
  なみだの河を越えて すべてを忘れたい
  せつない片想い あなたは気づかない
(「木枯らしに抱かれて」詞、曲:高見沢俊彦、歌:小泉今日子、昭和61年)


年もずずずっと押し迫り、何かに決着をつけなければいけないような師走の不思議な雰囲気。いつものことながらです。

そういえば、昨日ははじめてM-1を見ました(録画ですが眠気を我慢して全部)。今日はブログでもこの話題が結構多いのでは。
結果には異論百出でしょうね。笑いは元来、共通部分が多いものですが、各個人それぞれのいわゆる“ツボ”があるわけで仕方のないことでしょう。審査員の採点をみればわかりますよね。
個人的にはトータルテンボスサンドウィッチマンもいい勝負だったけど。とにかくこの2強には文句なしです。
好きなザブングルは早々に敗退。キングコングよりはよかったと思うのですが(贔屓目)。
はじめて見たダイアン(だっけ?)は、新鮮ということもあって結構面白かったです。
M-1の話題で終わってしまいそうなのでこの辺で。

今日はクリスマスイヴ。休日ということもあり、いつになく街に活気がありました。でも、強めの風が冷たかった。路面に落ちた枯葉が吹き飛ばされているほどでした。

「木枯らし」は晩秋から初冬にかけて吹く北風のこと。気象庁では“春一番”のように毎年“木枯らし一番”(風速8m以上)を発表しています。今年は11月18日。

そもそも「木枯らし」とは、「凩」とも書き、樹木を枯らす(葉を落とす)ほどの風ということらしい。また、木嵐(こあらし、きあらし)が転化したものという説も。古い言葉では“あらし”とは“嵐”の字からもわかるとおり、山から吹く風のこと。

俳句では冬の季語で、芥川龍之介
「木がらしや 東京の日の ありどころ」
と詠んでいます。

とにかく冷たい風であり、これから厳しい寒さの冬が到来することを告げる“予告”の風でも。
したがって、流行歌でも単に季節のキーワードとして使われるだけではなく、木枯らしが、逆境あるいは試練という精神的な意味合いでつかわれることがしばしば。

上にのせた「木枯らしに抱かれて」もまさに自分の思いの伝わらないもどかしさと、木枯らしの冷たさがダブルミーニングに。
そして、そんな“試練”にも負けないで生きていくと、前向きな姿勢もまた流行歌のオーソドックスなスタイル。

小泉今日子の「木枯らしに抱かれて」。昭和57年「私の16才」でデビューしてから20枚目のシングル。自身が主演した映画「ボクの女に手を出すな」の主題歌。
アルフィーの「木枯らしに抱かれて…」のカヴァー。
彼女も20才になり、「なんてったってアイドル」から大人の女へ。そんな雰囲気が感じられるせつないトーチソング。
彼女を見ているとなぜか、ナタリー・ウッドを思い出してしまいます。どうでもいいこと。

そのほかでは、やはりアイドルソングで、交際を反対された若いふたりが家出するという、かなり古い時代のシチュエーションの「木枯らしの二人」伊藤咲子。咲子さんいまだ現役です。

「木枯らしの季節」(浜田省吾)も彼女を失った男の心を木枯らしの季節にたとえた失恋ソング。またナツメロにも「吹けよ木枯らし」石井千恵が。

そのほかクラシックにはショパンのエチュードで「木枯らし」があるし、ポップスではアバの前身ビヨルン&ベニー「木枯らしの少女」SHE'S MY KIND OF GIRLなども。

すでにふれたように「木枯らし」は流行歌の大事なキーワードなので、歌詞のなかに出てくる歌も数多。全部を取り上げる余裕がないので、昭和20年代から50年代までの数曲を。

【20,30年代】
♪空に鳴る凩 雨戸打つ吹雪 「別れても」二葉あき子
 残念ながらリアルタイムでは聴いたわけではありません。
♪春から夏 夏から秋 木枯しだって知っている 「銀座の雀」森繁久弥
 森繁節が絶妙。詩人・野上彰の名作。
♪いじわる木枯らし吹きつける 「心の窓に灯を」ザ・ピーナッツ
 ピーナッツのオリジナル。作曲は「ちいさい秋みつけた」中田喜直

【40年代】
♪夏の嵐吹いても 木枯し吹いても 「霧のかなたに」黛ジュン
 元祖ミニスカ女王。「恋のハレルヤ」から2枚目のシングルだったかな。
♪木枯しに顔を まっすぐ向けた 「君について行こう」シャデラックス
 「学生時代」平岡精二の作品。ロシア民謡のにおいがする。
♪木枯しが僕の可愛い あの娘を連れていった 「いつまでもいつまでも」ザ・サベージ
 「星に祈りを」「あなたのすべてを」そしてこの曲。佐々木勉のクラシック。

【50年代】
♪木枯しにふるえてる 君の細い肩を 「時のいたずら」松山千春
 「苦笑い」なんて歌詞が出てくるのはこの歌と「侍ニッポン」ぐらい。
♪夏がすぎ 木枯しに 暮らしは冷えはじめ 「街角トワイライト」ラッツ&スター
 「ランナウェイ」「ハリケーン」と同じ井上大輔-湯川れい子の作品。
♪呼吸(いき)をすれば 胸の中 凩は 吹き続ける 「昴」谷村新司
 昭和55年の歌。アリス「狂った果実」もこの年。

いまも外では木枯らしが吹いております。
こんな晩はウチにいるのがいちばん。あったかい部屋で、あったかい人とあったかい鍋かなんか囲んで、キューッと一杯。イヨッ! ニッポンの冬!なんて毎日が続けばいうことないのですが……。なかなか。

年も押し迫りました。
隣で顔見知りの兄ィが、
「こんで今年の支払いもすべて終わった。ほとんど何も残っちゃいないけど、それでも一年でいちばんホッとするときだよなぁ」
とのたまっております。

冬歌もこれでお仕舞い。生き延びることができましたなら続きは来年にでも。
巷ではインフルエンザが徘徊しているとか。くれぐれも掴まりませぬよう。


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