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冬歌⑦北の宿から [noisy life]

♪ あなた変わりはないですか
  日ごと寒さがつのります
  着てはもらえぬセーターを
  寒さこらえてあんでます
  女ごころの 未練でしょう
  あなた 恋しい 北の宿
(「北の宿から」詞:阿久悠、曲:小林亜星、歌:都はるみ、昭和50年)

昨日は忘年会。忘年会にもいろいろあります。
①学生時代からの友人たちと、②仕事で知り合った仲間と、③得意先に呼ばれて……。
以上、楽しい順。①と②はほとんど差なし。
とにかく酒の席で気をつかうのは……。そういうときに限ってなにかやらかしてしまう。いつもそんな強迫観念があります。

昨日は幸いにも②でした。
場所は幹事役の家。郊外で駅から少し離れているのが難ですが、宿泊OKなのでくつろげます。欠席2人で、6人。去年とほぼ同じメンバー。みな同世代ですがわたしが最年少。

生意気にも遅れていったわたし。部屋に入りあいさつをしてコートを脱ぎます。
みな知った顔。なかには去年の忘年会以来という人も。
おでんの鍋を囲んで男も女もみんな、いい色に顔が染まっています。
みんなセーターを着ています。ベストだったり、Vネックだったり、タートルネックだったり、クルーだったり。
ただほとんど無地で色も黒、紺、茶と地味。
かくゆうわたしもグレーのVネック。

だいたいセーターの歴史なんてまだ100年ちょっと。アメリカでアメフトの選手が汗とり用に着たのがはじめだとか。

そういえば忘年会、去年も同じセーターだった。
わたしはオシャレではないし、流行にも鈍感なので、綻ばない限り何年でも着ている(気に入って買ったわけなので)。このセーターだって4年か5年?
でも、今年は気分転換? に1枚買うかな。亀首でも。

子供の頃、セーターはそれこそ穴があいても着ていたもの。それほど貴重品だった。肘にツギがあたっていたって平気。さほどめずらしくなかったから。
何年に1度か、クリスマスプレゼントにセーターを買ってくれる。セーターでない年はジャンパーだったり、ズボンだったり、だいたいが衣類。

子供にとっては、雑誌やオモチャがほしいのに。だから母親に連れられて洋品店へ行ってもすこしもうれしくない。自分でもそれが似合うのかわからない。で結局母親が見立てたものに。
年があけて新学期に学校へ着ていくときの、あのわけのわからない恥ずかしさ。“おニュー”(死語?)は苦手だった。

いまは、それこそ安い値段で衣類が買える時代。セーターに限らず色や柄やデザインも豊富。流行があるようで“1年間限定着用”では、と思うほど毎年新しいものが。

だいたいいまの子供や若い人たちはセーターなど着ないのでは。
ダウンやコートなど、上着の防寒性が昔よりすぐれているので、下にセーターなど着たら汗をかいてしまうのか、ほとんどトレーナーやフリースを着ています。
時代とともにもはやセーターも廃れゆくものなのか。

「北の宿から」は昭和51年のレコード大賞。
都はるみにとっては昭和39年、「アンコ椿は恋の花」で新人賞を受賞して以来。
都はるみの登場以後、いまでいう“演歌”という言葉がつかわれるようになったことからも彼女が“演歌の女王”。

「北の宿から」、作詞は毎度毎度の阿久悠。作曲は独特の風貌でドラマにも出演した小林亜星
コマーシャルソングの傑作が多く、昭和30年代のレナウン「ワンサカ娘」「イエイエ」や、盗作問題で話題になったブリヂストンの「どこまでも行こう」あるいは日立電機の「この木なんの木」などは耳になじんだ曲。

レコード大賞でいえば、昭和41年の新人賞、加藤登紀子「赤い風船」がそう。また、子供向けテレビ番組でブレイクした「ピンポンパン体操」(作詞は阿久悠)も。
ほかではハニーナイツ「ふりむかないで」(これもCMから)や「オー・チンチン」が。

最近着られることの少なくなったセーターですから、あまり歌にも出てこなくなりました。
でも、秋風が吹く頃から高校生のスクールセーターが見られます。わたしたちの頃は紺が定番でしたが、いまは白やらベージュやらグレーやらとカラフル。あれはなかなかいいですね。

いまよりずっとセーターがカッコよかった昔は歌のタイトルにもなりました。

♪花の写真をくれた娘の 青いセーター袖口で 「青いセーター」(橋幸夫)
「赤いセーター」
加山雄三。ほかでは、「セーターに愛を込めて」(郷ひろみ)、「枯葉色のセーター」(新田恵利)がありますが、いずれも聴いたことがありません。

歌詞の中に出てくるのは、
♪ 古いセーター ボロシューズ 「心の窓に灯を」ザ・ピーナッツ
♪ 赤いセーターがゆれてます 「若草の丘」本間千代子
♪ 青いセーター スラックス 乙女は抱かれ 「林檎の花咲く町」高石かつ枝
♪ セーター姿が 似合います 「うちのお父さん」南こうせつ
♪ あなたのセーター 袖口つまんで 「セカンド・ラブ」中森明菜
ほかに、
♪ 編みかけの カーディガン 「ともしび」八代亜紀
なんていうのもあります。

いちばん最近の曲が「セカンド・ラブ」で、それでも昭和59年と20年以上昔。そのあたりからセーター愛好者は減っていったのでしょうか。

しかし、「北の宿」。なんで旅先でセーターなんか編んでるのでしょう。それも「寒さこらえて」って、コタツの中かストーブの側で編めばいいものを。
なんて意地悪なことを言ってはいけません。流行歌には流行歌の事情ってものがあるんですから。


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