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●橋③明日に架ける橋 [a landscape]

When you're weary, feelin small,
When tears are in your eyes,
I'll dry them all, I'm on your side
Oh, when times get rough
And friend just can't be found,
Like a Bridge Over Troubled Warter
I will lay me down
Like a Bridge Over Troubled Warter
I will lay me down
…………
([BRIDGE OVER TROUBLE WATER]明日に架ける橋 words & music by PAUL SIMON, vocal by SIMON & GARFUNKEL, 1969)

君が悩み、いじけてしまったとき。涙を流すとき。僕が癒してあげる。君のそばにいて。ささくれだった時代。友達なんかできやしないと思えるとき。激流にかかる橋のように、僕が横たわり君の力になってあげる
…………

「明日に架ける橋」は、S&G6枚目のアルバム[BRIDGE OVER TROUBLE WATER]のアルバムタイトルであり、ファーストナンバー。
アルバムは[EL CONDOR PASA]コンドルは飛んで行く [CECILIA]セシリア、[THE BOXER]ボクサー、リバイバルの[BYE BYE LOVE]バイバイ・ラヴ などを収録した名盤。

これほど知られ、語られた歌をなぞるのは気が引けるが、知らない方もいると信じて蛇に足を付け足してみる。
「明日に架ける橋」はアルバム、シングルともに1970年のビルボード年間ナンバー1。これは史上初。ちなみにシングル盤の第2位はカーペンターズ「遙かなる影」(THEY  LONG TO BE)CLOSE TO YOUビートルズの「レット・イット・ビー」LET IT BE は9位。アルバムの2位はレッド・ツェッペリンの[LED ZEPPELIN Ⅱ]ビートルズの[ABBEY ROAD]は4位だった。

残念ながらサイモン&ガーファンクルは翌71年に解散。ところがその年も「明日に架ける橋」はビルボード年間55位というロングセラー。おまけにアレサ・フランクリンのヴァージョンが、ビルボード最高位6位というヒットとなった。
1981年9月、セントラルパークで行われた再結成コンサートでも後半、歌われている。
この曲、もともとはポール・サイモンがゴスペルからヒントを得て作ったもの。歌詞は当初2番までだったが、アートの進言で3番を加えた。そのI will easy your mind「君を和ませてあげる」という歌詞が、ポールには楽観的すぎて気に入らなかった、という話が伝わっている。

とはいえこの名曲、その後プロにも受けたようで、レパートリーに加えるシンガーが増えた。
ペリー・コモ、ペギー・リーの大物から、ロバータ・フラック、ナンシー・ウィルソンのディーヴァたちまで。またウイリー・ネルソン、グレン・キャンベル、あるいはリアン・ライムスといったカントリー・シンガーも好んで歌った。

やはり時代の歌である。
ベトナム戦争末期。疲弊し自信を喪失したアメリカの青年たちにS&Gの語りかけは優しかった。誰を非難するわけでもなく、明確な目標を提示することもなかったが、とにかく「苦しんでいる君を癒してあげよう」というメッセージが多くの共感を呼んだ。

「明日に架ける橋」はその詞の内容や、美しいメロディー、盛り上がるサビ、あるいは“橋”が象徴的な“創造物”であることから、いわゆる“大きな歌”になった。
たとえば“大きな歌”としては、フランク・シナトラなどで知られる「マイ・ウェイ」MY WAYがある。しかし、「マイ・ウェイ」がきわめて個人的で、自己陶酔的な歌であるのに対し、「明日に架ける橋」は2人以上、複数の人間が共有できる世界をつくりあげている。この違いが当時の若者たちに強く支持された理由だろう。

日本でも「マイ・ウェイ」同様、「明日に架ける橋」をアルバムに入れる歌手は少なくなかった。そして、歌唱に自信のあるシンガーにことさらそうした傾向があるのも「マイ・ウェイ」と同じ。
小柳ユキ尾崎紀世彦も良かったが、数年前に亡くなった朱里エイコのヴァージョンもよかった。


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MOMO

deacon_blueさんnice!ありがとうございます。
by MOMO (2007-09-30 21:18) 

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