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[あゝ、世界柔道] [deporte]

あの井上康生が敗退。
アテネ五輪の悪夢が再現された。まさか、捲土重来で優勝すると思っていたのだが。

ブラジルで行われている世界柔道選手権初日、100キロ超級に出場した井上康生が2回戦で敗れた。敗者復活戦でも完敗と、アテネと同じ轍を踏んでしまった。
くわえて、100キロ級に出場したアテネのゴールドメダリスト、鈴木桂治までが2回戦負け。これはミスジャッジ。鈴木には気の毒だったが、解説の山口かおりが言っていたように、投げたあとに気を抜いたのは鈴木の隙。勝った相手もそのあとの試合で負けたため、敗者復活戦の権利までとれなかった。

女子の中沢さえ塚田真希はともに銀メダル。これは大健闘。

井上康生は、以前から山下泰裕の再来かと感じるほど期待していたし、強い柔道家だと思っていた。それだけにアテネでの惨敗はショックだった。
それが、今回の結果。もうじき30歳、もはやピークを過ぎたのかも。考えてみれば、世界の柔道マンだって日々鍛錬しているわけで、そうかんたんに日本が勝てるわけはないのだ。伝統など近代格闘技においては何の役にも立たない。優れたスキルと、不動のメンタリティーをもつものが勝ち上がっていく競技なのだ。

日本で生まれた格闘技・柔道が国際化を目指したのは昭和30年代。
それからまもない昭和36年、パリで行われた世界選手権決勝では日本の曽根がオランダのヘーシンクに押さえ込まれて、よもやの敗戦。当時、階級制はなかく、無差別一本勝負だった。翌日の日本の新聞には『日本柔道パリに死す』の大見出しが踊った。それほど日本にとってはショックだったのだ。
優勝者ヘーシンクは、3年後の東京オリンピックでも神永を押さえ込み、金メダルを獲って、3年前の勝利がフロックでないことを証明してみせた。

それから半世紀あまり、途中、山下泰裕という希代の柔道家の出現で、ニッポン柔道の強さを誇った時代もあったが、あれほどの天才柔道家は、そう何人も出ない。
体重別の、とりわけ重量級では日本が西洋に苦戦していることは、他の競技が語っていること。ボクシングしかり、レスリングしかり、重量挙げもまたしかり。
ならば、軽・中量級に期待するしかないか。

気の毒なのはテレビ局。LIVEではないので、放送前にいろいろな報道が結果を伝えてしまう。好成績ならまだしも、日本敗れるでは、視聴率も期待できないだろう。柔道の国際大会は以前も、こうした半日遅れぐらいの録画放送だったような気がする。
やはり柔道に限らずスポーツは生で見なくてはそのダイナミズムが伝わってこない。負けた選手が意気込みを語っている画面など、見ていて白々しいし、たぶん本人にとっても出してほしくないはず。テレビ局はいろいろなケースを考えて、差し替えようの画も用意しておくべき。

とにかく、ついこないだの世界陸上に続く日本勢の不振ぶり。先日の山下泰裕の柔連理事落選といい、日本柔道にはかなりの逆風が吹いていることは間違いない。まあ、この先、金メダルゼロということはないだろうと思うが。

いずれにしても、最近喧しい大相撲もそうだが、柔道もまた“和”という観点から見てはいけないスポーツ、あるいは格闘技になったのだ。それが国際化というものだろう。


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