『ツイスト』 [noisy life]
♪ アー この世に女神が一人いて
ｙｅａｈ ｙｅａｈ ……
頼みに来たんだ たった今
ｙｅａｈ ｙｅａｈ ……
Ｔｗｉｓｔやめて Ｔｗｉｓｔやめて
ｙｅａｈ ｙｅａｈ ……
冗談じゃない ｙｅａｈ ｙｅａｈ ……
駄目だ 無理だ
体がしびれて とまらない
Ｏｎｅ，Ｔｗｏ，Ｔｈｒｅｅ，Ｔｗｉｓｔ
Ｏｎｅ，Ｔｗｏ，Ｔｈｒｅｅ，Ｔｗｉｓｔ
Ｇｏ，ｇｏ，ｇｏ！
（「ツイスト№１」訳詞：池すすむ、曲：DEE-GLOVER、歌：藤木孝、昭和３７年）
「ツイスト」はリズムではなく踊り。ブギウギなどの８ビートに乗って文字どおり足腰をひねり、手を振って踊るのです。誰にでもできる簡単な踊りといえますが、達人たちに言わせると奥が深く、カッコよく踊るのは難しい。何でもそうでしょうが。今でもオールディーズには欠かせない踊りですし、若いロッケン・ローラーズに愛されているようです。
「ツイスト」が大爆発したのは、１９６０年にリリースされたチャビー・チェッカーCHUBBY CHECKER の「ザ・ツイスト」THE TWISTがビルボードのチャート№１になってからだといわれています。ツイスト人気がしばらく続いたことは、この「ザ・ツイスト」が２年後の６２年にもビルボードの№１になっていることからも分かります。
ツイストが日本に上陸したのはなぜか２年後の昭和３７年（1962）。チャビー・チェッカーの「ザ・ツイスト」は「ツイスト№１」という邦題がつけられていました。元祖“ツイストの王者”がチャビー・チェッカーならば、日本のツイスト・キングは藤木孝。
黒いシャツに黒いズボンと黒ずくめの藤木孝が踊りながら歌った「ツイスト№１」がヒット。それから日本でも、老いも若きも、猫も杓子も？ ツイストを踊り始めたわけです。
ところで藤木孝の歌った「ツイスト№１」、チャビーの「ザ・ツイスト」ではありません。
６２年にビルボード№１になったジョイ・ディ＆スターライターズJOEY DEE & THE STARLIGHTERS の「ペパーミント・ツイスト」PEPPERMINT TWIST でした。なぜ「ぺパーミント・ツイスト」が「ツイスト№１」になったかは不明ですが、やはり藤木孝がカヴァーしたエルヴィスELVIS PRESLEY の「ロッカ・フラ・ベイビー」ROCK-A-HULA BABY の邦題が「ツイスト・フラ・ベイビー」になっているのですから、それはそれでいいのでしょう。
ツイストブームに乗ってデビューした藤木孝の印象は、とても強烈でした。しかし、１年も経たずに引退。所属の大手プロダクションとのトラブルが原因とは、あとで知ったこと。その数カ月後に他のプロダクションからカムバックしたのも、あとのあとで知ったこと。しかし、前に所属していた大手プロダクションの無言の圧力があったのか、ほとんどマスコミには登場しなくなってしまいました。
その後、テレビドラマに出演し、１０年あまり前にはツイストナンバーをはじめ、「２４０００回のキッス」「アダムとイヴ」などのヒット曲でコンサートを行っているという記事を眼にしましたが、いまはどうしているのでしょう。全盛期、篠田正浩監督、寺山修司脚本の「涙を獅子のたて髪に」で野心に燃える若者を熱演していましたが（後年観ました）、あのまま順調にいっていれば、と思わずにはいられません。それにしても芸能界（だけではないですが）というところはオソロシイ。仁義を欠いちゃ生きてはいけない？
当時、カヴァーでは飽きたらず藤木孝は「踊れツイスト」という和製ツイストナンバーを歌っていました。ほかの和製ではスリー・ファンキーズの「でさのよツイスト」とジェリー藤尾の「インディアン・ツイスト」がありました。しかし、なんといっても“陰のツイスト王”は小林旭。「東京ツイスト」「アキラでツイスト」「ペパーミント・ツイスト」「キエンセラ・ツイスト」と歌い踊りまくっていました。
☆ ツイストしたらシャウトしましょう。元祖アイズレーに一票。ビートルズのカヴァーにも一票(^o^)。
by deacon_blue (2007-05-21 22:47)
そうでした、アイズレー・ブラザーズの「ツイスト＆シャウト」、ありました。ママス＆パパス盤もありましたが、やっぱりビートルズ。日本ではかの東京ビートルズが歌ってました。なぜか黛ジュンも。ついでに思い出したのが“イタリアン・ポップス”。ジャンニモ・ランディの「サンライト・ツイスト」GO-KART TWISTがありましたし、宇崎竜童がそのイントロを「横須賀ストーリー」に取り入れた「太陽はひとりぼっち」（ミーナ）の原題は［L'ECLISSE TWIST］でした。どちらもマイナーチューンで、日本人には結構ウケました。
by MOMO (2007-05-22 00:39)