●フレンチ・ポップス② [noisy life]
やっぱりフランスも負けてしまいました。
決してわたしが応援したからではなく、相手がドイツだもんしょうがない。
それにしても面白い。
ベスト16、ベスト8、ベスト4と勝ち残っていくのは当然強豪ぞろい。
どの試合も見入ってしまう。
こういうのを釘づけというんでしょうね。
その個人技をみるにつけ、これじゃ日本はかなわないや、と思うことしきり。
プロ野球がメジャーを超えられないように、10年、20年経っても歯がたたないような絶望的な気分になります。
内田がインタビューで、日本にスーパープレイヤーが何人か出てこなければ勝負にならない、というようなことを言っていましたが、わかる気がします。
この先はどこの国を応援するでもなく、ただひたすらスーパープレイ、スーパーシュートを期待して見ることにしましょう。
フランスは負けたけど、フランスの歌は続きます。
前回は女性シンガーだったので、今回は男。
日本でもっとも名の知れた、フランスの男性シンガーといえば……。
そうか、いまの若い人はほとんど知らないかもしれない。
「かつて日本で」と言い直さなければならないかな。
アダモだろうか、イヴ・モンタンだろうか。
イヴ・モンタンは60年代から70年代にかけては、歌手というより俳優として活躍していたような気もしますし、シャンソンではなくポップスという言い方をすれば、やはりアダモではないでしょうか。
シンガーソングライター・アダモの歌は、日本人シンガーにもカヴァーされました。なかでもその数の多さと、そのほとんどを“自分の歌”にしてしまったという意味では越路吹雪のカヴァーが最も印象に残っています。
「雪が降る」からはじまって「ろくでなし」まで、アダモのヒット曲は数多ありますが、
今回は「夢の中に君がいる」を。
越路吹雪のカヴァー曲の訳詞はもちろん岩谷時子。
♪ごめんなさい 少女のころ思い出していたの
…………
あなたこそ 私の最後の恋人
という歌詞は、男歌を女歌にしただけで、ほぼアダモの詞のエッセンスを日本語にうつしかえています。
そういえば、越路吹雪が亡くなった後、そのエッセーや日記などを岩谷時子がまとめた本のタイトルも「夢の中に君がいる」でした。
続いての男性シンガーは、これもドラマチックな歌唱で日本のファンも多いシャルル・アズナブール。
アズナブールとなると、「フレンチポップスじゃなくて、シャンソンだろう」という声も聞こえてきますが、その歌声が70年代にも聞こえていましたし、エディット・ピアフ、ティノ・ロッシ、リュシエンヌ・ポワイエなどのシャンソン歌手と比べるとあきらかに“時代”の隔たりがあるような気もしますし。
アズナブールも知られた曲がいくつもあります。
愛のために死す、ラ・ボエーム、コメディアン、アヴェ・マリア、帰り来ぬ青春などなど。
当時いちばんよく聴いたのは「イザベル」と「ラ・マンマ」。
どちらも女性への愛をうたったものですが、前者は恋人への、後者は母親への。
迷いましたが、まだ血の気が残っているので恋人を選択しました。
恋の虜になってしまった男の、恋人・イザベルへの尽きせぬ思いをうたったもの。
恋人の名を呼び続ける情熱的な歌詞とバロック風のストリングスによる演奏がとても印象的で、ラストのメロディアスな歌唱は、何度聴いても感動的です。
最後のひとりは、以前(かなり前です)一度このブログでやったことのあるミシェル・フューガンの「美しい物語」。
1972年のいかにもフレンチポップスらしい歌で、ヴァカンスでの恋と別れをうたっています。1978年には日本のサーカスが「ミスター・サマータイム」という不倫をテーマにした歌でカヴァーし、ヒットさせました。
もちろんわたしが知ったのは「ミスター・サマータイム」が先。
この歌を聴くとなぜか、矢沢永吉の「時間よとまれ」が続いて聴こえてきます。
おなじ年の夏に流行った歌からでしょうね。
最後にまたまたワールドカップの話ですが、コスタリカはほんとに健闘しました。
オランダ戦は、ボクシングでいえばワンサイドでボコボコにされた試合。
それでもガードを固めてひたすらKO負けだけはされまいと耐えている姿が凄かった。
あれでPK戦に勝てば奇跡の“逆転KO”だったのですが、現実はそれほどドラマチックではありませんでした。
最新のFIFAランキングが28位だといいますから、ベスト8は殊勲でしょう。
今大会を盛り上げた最高のダークホースでした。
日本敗退後のテレビの視聴率はどの程度なのか気になります。
グループリーグの日本戦は30%だとか40%だとか新聞に書いてありましたが、日本が消えてからはおそらく10分の1程度まで落ち込んでしまっているのでしょうね。
それでも面白いものは面白い。
ただ、毎日のようにやっているワールドカップの特番はどうなのかな。
高額な放映権料を払っているのだから、日本が敗退しても放映をやめるわけにはいかないという事情はわかるけれど、あの時間帯で低視聴率番組を続けなければならないのは空しい。
そんなことを言いながらも、ダイジェストがあるのでついつい見てしまうのですが。
あと少し、準決勝、決勝を残すだけ。でも正直クタクタ。
makimakiさん、ありがとうございます。
遅寝早起きは60過ぎの肉体にはこたえます。
せめて午前零時には寝ようと思っているのですが、長年の習慣はそうかんたんに変えることができません。
したがってワールドカップが終幕するのを待つしかないのです。
by MOMO (2014-07-07 23:45)