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その名は●ジェリー② [the name]

jerry lee lewis01.jpg
Now blue ain't the word for the way that I feel
That old storm brewing in this heart of mine
Someday crazy arms will hold somebody new
But now I'm so lonely all the time

Crazy arms that needs to hold somebody new
While your heart keeps sayin' you're not mine, not mine, not mine, not mine
My troubled minds grows blue to another you'll be wed
But now I'm so lonely all the time
…………
([Crazy Arms] written by RALPH MOOONEY/CHUCK SEALES, vocal by JERRY LEE LEWIS, 1957)

久しぶりに(でもないか)カントリー。カントリーのジェリーを。

わたしの好きなといいますか、知っている“カントリー・ジェリー”は3人。無理やりということになればプラスワン。

今日はそのうちのひとり。

カントリーに関心がなくても音楽ファンなら知っているというのがジェリー・リー・ルイスJerry Lee Lewis。
同姓同名ではありません、そうですあのロケンローラーのジェリー・リーです。ディーン・マーチンと「底抜けコンビ」を組んで一世を風靡したコメディアンにジェリー・ルイスがいましたが、もちろん別人。

彼にかぎらず、若い時にロケンロールやロカビリーに明け暮れ、ある程度落ち着く歳になったらカントリーに戻る(入口はカントリーだったのです)というシンガーはめずらしくありません。
かのジョニー・キャッシュもそうですし、カール・パーキンスだって。

ジェリー・リー・ルイスは1935年、ルイジアナ州の生まれというから今年75歳。
子どもの頃はカントリーの前身であるヒルビリーのほか、ゴスペルやブルース、R&Bを聴いていたというのはエルヴィスと同じ。

お得意のピアノは9歳からはじめてティーネイジャーの頃にはステージに立っていたとか。

彼の特筆すべきことは、なんといっても1957年のビッグヒットとなった「ホール・ロット・オブ・シェイキン・ゴーイン・オン」Whole lot of Shakin’ Going On の大ヒット、そして翌年の「火の玉ロック」Great Balls of Fire のまたまた大ヒットで、ロケンロールの草分けのひとりになったということ。

しかし好事魔多しというのでしょうか、絶頂期のヨーロッパツアー中に、13歳のまたいとことの重婚騒動が起こってアメリカ国内で猛烈なバッシングに。そして人気失墜。

また彼の奇行も有名で、エルヴィスの家の前に行き、「ヤツに会わせろ」とばかりピストルを振り回して逮捕されたことも。

そのへんのことは近年日本でも公開された伝記映画「グレート・ボールズ・オブ・ファイア」に詳しいそうです(観てません)。

しかし、60年代になるとカントリーシンガーとしてカムバック。
日本でも知られているレイ・チャールズの「ホワット・アイ・セイ」、ハンク・ウィリアムスの「コールド・コールド・ハート」、ジム・リーヴスの「アイ・ラヴ・ユー・ビコーズ」などをリリースしますが小ヒットどまり。

とはいえ“ビッグネーム”が地道にやってりゃ再び芽が出るのも早い。
1968年に「トゥ・メイク・ラヴ・スイーター・フォー・ユー」To Make Love Sweeter For You がカントリーのナンバーワンヒットに。
以後「ウドゥ・ユー・テイク・アナザー・チャンス・オン・ミー」Would You Take Another Chance On Me 、「シャンティリー・レース」Chantilly Lace などカントリーチャート ナンバーワンを何曲もリリースするようになります。

そして近年はさまざまなアーチストが参加してトリビュートコンサートが開かれたりと、さすがに“ロックの草分け”、カントリーの重鎮としての貫録を示しています。

実は、このノラ・ジョーンズ、ロン・ウッドが加わった「クレイジー・アームス」こそ、ジェリーのデビュー曲なのです。

「クレイジー・アームス」といえば、1956年にレイ・プライスがヒットさせたカントリー・クラシックの名曲。もちろんわたしのフェヴァリットソングでも。
ふられた男が、「お前のクレイジーな腕が、また誰か新しい男を捕まえると思うと……」っていうカントリーにありがちな未練タラタラソング。

ほかではウィリー・ネルソンWillie Nelsonが相変わらず美しくうたっていますし、パッツィ・クラインPatsy Clineほか多くのシンガーがレパートリーにしています。

で、その“本家”レイ・プライスに遅れること半年あまりでジェリー盤がリリースされます。

さすがに、レイ・プライスほどではありませんでしたが、そこそこヒット。
しかし、その後のあのロケンロールの大フィーバーで、しばしカントリーとはおさらばに。

でももしレイ・プライスよりジェリー盤がはやく出ていてビッグヒットをかましていたら、次なる企画もコテコテのカントリーで、ロケンロールへの“寄り道”はしなかったかも。

そうなったら、はたして後年トリビュートコンサートを開いてもらうまでのアーチストになっていたかどうだか。

音楽の世界には内外を問わず、こういうタイミングの妙ってやつがたくさんあるんでしょうね。それで泣いたり笑ったり。
それは音楽の世界だけの話じゃないだろうって?
…………そうかもねぇ。

では気を取り直して? 最後に本当の「トムとジェリー」を。


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