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街●谷根千 [a landscape]

街●谷根千.jpg
♪僕がこころの 良人なら
 君はこころの 花の妻
 遠くさみしく はなれても
 泣くな相模の かもめどり
(「新妻鏡」詞:佐藤惣之助、曲:古賀政男、歌:霧島昇、二葉あき子、昭和15年)

昭和の日、警備員の仕事をしている友人と会う予定でしたが、急きょ“代打”でご出勤になるとかでキャンセル。

家でゴロゴロしているにはもったいない天気だったので、先日新聞でみた古本市へ行ってみようと。新聞には「一箱古本市」と書いてありました。

場所は千駄木、なんでも一般人が不要の蔵書をミカン箱程度の入れものに並べて売るのだとか、出店はフリーマーケットのようにエントリー制だとか。
もう何年もやっているとのことですが、出かけるのは初めて。

昼前に千駄木の駅を降りてみましたが、どうもその店が見当たらない。
千駄木は以前2年ほど職場だったところなので土地鑑があり、不忍通りを動坂方面へ行く途中にある古書店でたずねてみようと思い行ってみると、なんとその店先に人だかりが。

近づいてみると数人が本の詰まった箱を前に客と談笑していました。
これが「一箱古本市」かと納得。
さっそくその一店で、日本のフォーク&ロック系のムックに目がいき、手にとってみました。
少し焼けていたので躊躇していたのですが、若い店主が愛想のいい声で、
「これ、僕が以前勤めていたときに編集したものなんです。いまじゃなかなか手に入らないですよ」
と。

「手に入らない」、これが買い手に対する殺し文句なんだなぁ。そんな手には乗らないこともない。というわけで買ってしまいました。おまけに他の本2冊も。

どうやら古本市はそこが出発点のようで、不忍通り沿い10カ所あまりで各数店舗が古本を並べているらしい。

古書店で地図をもらい、いざゆかん古本市巡りへ。

コースは千駄木から根津へそして谷中へ、ふたたび根津へ。
さっそく千駄木から根津方面へ行くとメインストリートの不忍通りはすごい人。
そうだ今日は祝日でおまけに根津神社で「つつじ祭り」開催中だったのだ。
このへんは今でもたまに通るのですが、こんなに人が出ていたのは初めて。

昼どきでもあり、食事処には列ができるほど。名物の鯛焼き屋さんにも長蛇の列。
首尾よく買えた中高年(どっちなんだ)の夫婦が鯛焼きを齧りながらお散歩。
それにこの界隈ではよく和服姿の女性を見かけます。それも若い(といっても30凸凹ってとこですが)素人の女性です。
きょうもいました。たいがいは2人連れ。なかには数名の団体さんも。“きもの連”ってヤツですね。

そんな賑わいを満喫しながら、地図にある古本スポットへ。

何カ所めかで、目についたのがちょっと面白い“書店”。
そこはなんと、親子、兄弟、夫婦などの作家の本を揃えてあるのでした。
たとえば有吉佐和子と有吉玉青、開高健と牧羊子、福永武彦と池澤夏樹、白洲次郎と正子などなど。

30半ばくらいの妖精系、いや陽性系の女性が店主のようです。
わたしが中上健次の「紀州 木の国・根の国物語」を手にしてパラパラめくっていると、うしろから、
「それ、初版なんですけど、帯がないので安くしてあるんです」
と男の声が。
振り向くと人のよさそうな20代後半と見受けられた男性。

わたしは中上健次のファンではありませんが、昔「十九歳の地図」や「枯木灘」などを読んだことがあったので、そんな話をすると、その男性とにかく詳しいこと。彼こそ中上健次ファンなのでした。

しばらく話を続けていると、陽気な女性店主が(どうやら夫婦のようです)、
「よかったね、中上健次のファンがいて」(じゃないって……)
と男性に笑顔を向けました。続けて、
「そっちの方でゆっくり話したら」と。

つまり店先は邪魔だからほかへどうぞ、ということらしい。

たしかにその本は安い値段でした。しかしよく見ると本にシミがあったりヤケていたり。古本の目利きができるほどの知識はないので果たして買い得かどうかはわかりませんが、この男性の人柄と夫婦(多分)の微妙なバランスが気に入ったので買うことに。

でもちょっと気になって男性に
「気に入っている本を手放すのは抵抗があるんじゃないの?」
と言うと、
「いえ、自分が気に入った本をよその人が読んでくれるのはウレシイことですから」
と。

ああ、そういうものなのかなと思いながら、奥さん(多分)に代金を渡すと、彼女が小声で、
「大丈夫なんですよ、もう一冊あるんですから」
だって。
そのときわたしの頭の中には、シミひとつない帯付きのキレイな「紀州」の本が浮かび上がってきましたとさ。

その日、結局諸々10数冊の古書を買って帰ることになりました。
果たして安かったのか高かったのか。
まあ、好天気の谷根千(というようです)を古本ラリーで過ごしたわけで、運動にもなったし、若い人と話すこともできたし、いい休日だったのではないでしょうか。

最後に何か音楽をと思い。今日いちばん印象に残った彼にちなんで中上健次の歌を。なんて中上健次が歌を吹き込んだなんて話はありません。「讃歌」という作品はありますが。

そこで中上健次と“相思相愛”だった都はるみの歌を。中上健次には「天の歌 小説都はるみ」という評伝もありますし。彼女には道浦母都子作詞の「枯木灘 残照」という歌もありますし。

選ぶのに困るほどヒット曲、いい曲はあるのですが、今日のところは、いちじよく聴いた彼女のカヴァー曲を。
いちばん好きだったのがディック・ミネ「人生の並木路」なのですが、残念ながらYOU-TUBEにはありませんでした。
そこで、同じ佐藤惣之助、古賀政男の作詞作曲コンビで、やはり戦前の「新妻鏡」なんかどうでしょう。これも名曲です。
あの一箱古本店の奥さんも新妻の時代があったでしょうということで(無理やり)。

おまけにこんなのこんなのもどうですか。


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コメント 2

toty

連休明けの月曜日に、ここにいく予定です。
参考にさせていただきますね。

一箱古本店、面白そうですね。
私も最近本の処分を考えているのですが
こんな売り方もあるのですね。

お祭りマンボ、景気がいいですね。
歌えるかな~! やってみようかな~!
by toty (2010-05-01 00:57) 

MOMO

totyさん、こんにちは。

そうですか、あの辺りへ行くのですか
用事ですか、それとも散策ですか。

まぁ、連休明けなの平日ならさほど混んではいないでしょうから、ゆっくり食事もとれますね。天気が良いといいですね。

本の処分はほんとに困りますね。
古本屋ではイヤな記憶がありますので、駄本ならゴミの日に出しています。それでもなかなか捨てられないものですよね。このあと再読することもないと思うんですけど。

お祭りマンボはノリのいい歌だけどけっこう難しいですよね。でも首尾よく行けば場が盛り上がること受けあいです。
チャレンジしてみてください。
by MOMO (2010-05-02 21:05) 

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