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その名は●ひろみ [the name]

あざやかな場面.jpg

♪ あなたの似顔絵を ボトルに書きました
  ひろみの命と 書きました
  流れ女の 最後の止まり木に
  あなたが止まって くれるの待つわ
  昔の名前で 出ています
(「昔の名前で出ています」詞:星野哲郎、曲:叶弦大、歌:小林旭、昭和50年)

男には勇敢で強い名前を、女の子には優しく美しい名前を。
これは時代が変わってもいまだ変わらない“定理”では。

ちなみに某生命保険会社調べによる昨年の名前ランキングをみると、
男の子のナンバーワンが「大翔」(ヒロト、ハルトなど)、女の子は「葵」。
時代だなぁ……。

ベスト100をみると、昨年は女の子で「子」がつくのは「菜々子」だけだったのが、今年は「璃子」「莉子」「桜子」「桃子」「陽菜子」と5つも入っている。
一方男の子の「雄」「夫」「男」つまり「お」は皆無。ただ「生」は「琉生」と「陽生」があった。「お」と読むのかどうかはわからないが。

男の子はどれも凛々しい名前で、読み方では「ユウト」「ユウキ」「ユウタ」と「ユウ」が人気だとか。

その男の子のランキングの83位に「光」があった(ちなみに2006年は31位)。
「ひかる」「ひかり」あるいは「コウ」、いやまるで違う読み方をする子もいるのかもしれない。とにかく「光」。
これがストレートに「ひかり」や「ひかる」だとすると、女の子でも決しておかしくない名前である。実際、わたしの小中学校時代、女子の「光さん」がいた。

このように“男女兼用”という名前がたまにある。
それは字面というより音、つまり読み方が同じというケースが多い。「じゅん」とか「ゆう」とか。

「ひろみ」「ヒロミ」もそんな名前。
音のひびきではあきらかに女の名前だが、男でもシンガーでは郷ひろみ(芸名だが)がいるし、お笑いタレントの「ヒロミ」がいる。

「ひろみ」が人気になったのは、昭和50年代のはじめで、かの“生保ランキング”の女の子部門で「裕美」がベスト10に入っている。
もちろん、男の子部門には登場していない。なくはないが、さほどの人気ではないという名前だったのだろう。
残念ながら、女の子の「ひろみ」もすぐにベスト10圏外に。

もういちど昨年の生保ランキングベスト100をみると、男の子で26位に「拓海」が入っている。「たくみ」と読むのだろうが、「ひろみ」とも読める。
「拓海」は平成8年から17年まで一貫してベスト10に入っていたという人気の名前。
もし「ひろみ」と読むのなら、「ひろみ」は女の子より男の子の方が人気の名前になった、ということになる。はたして。

その「ひろみ」、男のシンガーでは郷ひろみ
郷は芸名だが、「ひろみ」は本名で原武裕美。
隆だの茂、豊と、一文字が人気だった昭和30年生まれというから、かなりモダンで勇気あるネーミング。両親の名前は英夫と聖子で、どちらからも名前を受け継いでいない。心が豊かで美しく育ってほしいという願いから名づけられたとか。

昭和47年に「男の子女の子」で歌手デビュー。女の子のようなルックスと高い声と、ユニセックスなイメージでたちまちトップアイドルに。
49年「よろしく哀愁」が初のオリコン1位。以後「あなたがいたから僕がいた」、「マイ・レディ」、「セクシー・ユー」、「お嫁サンバ」「2億4千万の瞳」とヒットを連発。
平成になっても「言えないよ」など大人の歌をヒットさせ、11年には洋楽カヴァーの「GOLDFINGER'99」が大ブレイク。今でも元気いっぱいでTVの露出もそこそこ。

とはいえ、「ひろみ」は女性のほうが圧倒的に多い。

まずは岩崎宏美
こちらは本名。一時結婚して姓が変わったが今は戻っている。昭和33年生まれで、TVのオーディション番組「スター誕生」でグランプリ。昭和50年、「二重唱(デュエット)」でデビュー。
歌唱力と清潔感が売りもので、デビュー曲と同じ阿久悠・筒美京平コンビで「ロマンス」「センチメンタル」「ファンタジー」「熱帯魚」そして「あざやかな場面」と連続ヒット。
一時低迷期もあったが、昭和56年、ブルーコメッツのカヴァー「すみれ色の涙」がヒット。翌年には「聖母(マドンナ)たちのララバイ」のビッグヒットで、大人へのイメチェンも成功。プライバシーで売ったり、バラエティに出たりしない正統派シンガー。

つづいて太田裕美
郷ひろみと同じ昭和30年生まれ。ひろみは本名だが、字は「弘実」。
スクールメイツを経て、昭和49年「雨だれ」でデビュー。当初は松本隆・筒美京平コンビの楽曲を歌い、「木綿のハンカチーフ」(50年)、「九月の雨」(52年)のヒット。松本隆・大瀧詠一コンビの名曲「さらばシベリア鉄道」も。
当時隆盛だったフォークソングやニューミュージックのテイストを取り入れた楽曲が多く、またそのようなイメージで、他のアイドル歌手との差別化を図り、それが奏功。

他ではアイドルシンガーの松岡ひろみ「赤い電話」など)と小出広美「タブー」など)。演歌では「いじわる海峡」のヒットがある鹿島ひろ美(渡辺博美から改名)が。
また40年代TVや映画に主演した女優・栗田ひろみも「太陽のくちづけ」など数曲レコーディングしている。残念ながら聴いたことはない。洋楽カヴァーの「パイナップル・プリンセス」は聴いたことがあるが。

そうそうもうひとり“大物”を忘れるところだった。
昭和30年代、アメリカでかの作曲家リチャード・ロジャーズに見いだされ、ミュージカルの主演に大抜擢、その後日本に凱旋帰国して、歌手、女優、タレントと活躍したロミ山田。彼女の本名が山田ひろみ。ロミはヒロミから。
歌では「煙草のけむり」「知りすぎたのね」のヒットがある。

歌に出てくるのは上ののせた小林旭「昔の名前で出ています」
京都ではしのぶ、神戸では渚という源氏名をつかっていたホステスさん。本名はひろみだったというわけ。

しかし、「ひろみ」に限らず、“男女兼用”の同じ名前同士で結婚するというケースもあるのだろうな。そうなると、夫婦別姓をとらないかぎり二人の名前は同姓同名。
郵便物がきて開封したら相手のだったり、請求書がきてどちらも覚えがないって喧嘩になったり……。やりにくいだろうなぁ。


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