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春の歌③SPRING IS HERE [noisy life]

spring is here.jpg

Spring is here
Why doesn't heart go dancing
Spring is here
Why isn't the waltz entrancing
No desire, no ambition leads me
Maybe, it's because nobody needs me

Spting is here
Why doesn't the breeze delight me
Spring is here
Why does't the night invite me
Maybe, it's because nobody loves me
Spring is here, I hear
([SPRING IS HERE] words by LORENZ HART, music by RICHARD RODGERS, vocal ROSEMARY CLOONEY)


春に聴きたい洋楽。
というか、季節によって聴きたくなるジャンルといものがあるのかな。

たしかに、夏はハワイアン、秋はジャズっていう観念は多少あるけれど、真冬に部屋の暖房ガンガンきかせて、「カイマナヒラ」を聴くのもいいでしょ。

個人的にはさほど音楽と季節感の関連はなく、夏だからといってサザンやチューブが聴きたくなるわけでもなく。
しかし、ある日ふとある音楽が聴きたくなることもあります。
はっきりした理由は分からないけれども、なにかの“刺激”に触発されたからかも。いちばん直接的なのは、街角や店でそうした音楽を耳にしたとか。

そうではなくても、突然そうした衝動が湧いてくることも。
それは多分、しばらく“そうした”音楽を聴いていなかったから、遠ざかっていたからではないかと、思うのですが。

ヴァースはこのへんにして、いまは春。なんだかジャズを聴きたい気分になっております。

ジャズってあまり季節感にしばられない曲が多いですね。ですから一年中いつだって“ジャズの季節”といえるのかも。
でもせっかくですから春を奏でるジャズを。

春Spring が出てくるジャズでもっともポピュラーなものといえば「春の如く」It might as well be spring ではないでしょうか。

「春の如く」は1945年制作のアメリカのミュージカル映画「ステート・フェア」State Fair でうたわれた歌。
エラ・フィッツジェラルドElla Fitzgerald サラ・ボーンSarah Voughan、メル・トーメMel Tormeあるいはクリフォード・ブラウンやClifford Brown 、ケニュー・ドリューKenny Drewなど多くのヴォーカリスト、演奏者がレパートリーにしています。
日本でも人気で、とりあげる女性ジャズシンガーが少なくないという曲です。

ただこの曲、「春の如く」という題名からもわかるとおり“春の歌”ではないのです。秋の歌なのです。そこで、好きな曲なので“秋の歌”でとりあげることにして(もし続いていたならば)、今回は別の曲を。

「春の如く」ほどではありませんが、これも元々ミュージカルナンバーでジャズのスタンダードになったという「スプリング・イズ・ヒア」Spring is here

上の詞にもあるとおり、「春だというのに少しもウキウキしない、ワクワクもしない。それは誰も私のことを愛してくれないから」という内容で、邦題をつけるならば「春なのに」という感じでしょうか。

だから「春の如く」とは正反対に、その曲調にはどこかアンニュイやメランコリーといった秋にふさわしい雰囲気が漂っています。

作曲は「春の如く」と同じリチャード・ロジャーズ、作詞はロレンツ・ハート。1938年のミュージカル[I married an angel]の中の曲。
この2人は名コンビでほかに「ブルー・ムーン」Blue moon、「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」My fanny valentine 「時さえ忘れて」I did't know what time it was「恋に恋して」I'm faling in love with love などのスタンダードをいくつも作っています。

この歌も多くのミュージシャンによって歌い、演奏されています。

ヴォーカルでいちばん気に入っているのがローズマリー・クルーニーRosemary Clooney盤。ただたんにロージーの声が好きだというエコヒイキもありますが、[SINGS BALLADS]でのエド・ビッカートEd Bickert とのヴォーカル&ギターがドラマチック。

ギターとの“デュオ”といえば、ジュリー・ロンドンJulie London もそう。例のセクシーヴォイスで「春なのに浮かないのよね……」とバラードが語りかけてきます。

そのほかではスキャットで始まり、雰囲気たっぷりにバラードするアニタ・オデイAnita O'day
“春のアンニュイ”感がもっともよく出ているのがヴァースが入るクリス・コナーChris Connor

そして「内気なジョニー」Johnny get angry のビッグヒットで知られるジョニー・ソマーズJoanie Sommers 盤。「スプリング・イズ・ヒア」もちょうど「内気なジョニー」がヒットしている頃にレコーディングされたようで、声が若く力強いヴォーカル。「さみしい……」というよりは「がまんできないわ」と歌っているようで、やはり中途にヴァースが入ります。

元々デュエット曲だったらしく、大御所のトニー・ベネットフランク・シナトラも歌っているようですが、まだ未聴。

演奏では春に取り残された女性が感情豊かに演奏されているビル・エヴァンスBill Evansのピアノがなんといっても。
それに“浮かない”といってもやはり季節は春、そんな暖かさが感じられる渡辺貞夫のアルトサックス。メンバーはピアノが菊地雅章、ドラムが富樫雅彦、ベースが原田政長のカルテット。

マル・ウォルドロンのピアノもあるそうで、ぜひ聴いてみたい。

「スプリング・イズ・ヒア」……。
日本の歌でも中島みゆきが作った「春なのに」(柏原芳恵)がありました。
そうですよね、春だ! 花見だ! 恋だ! 旅行だ!
なんて気持ちになれないときだってあります。
そんなときは束の間のなみだ目、じゃなくて、なぐさめには音楽を聴くのがいちばん。あとは酒でも呑んで布団の中へもぐり込むこと。
おやすみなさい!


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