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湖⑤エメラルドの伝説 [a landscape]

白鳥.jpg

♪ 湖に 君は身を投げた
  花のしずくが 落ちるように
  湖は 色を変えたのさ
  君の瞳の エメラルド

  遠い日の 君の幻を
  追いかけても むなしい
  会いたい 君に会いたい
  みどりの瞳に 僕は魅せられた
(「エメラルドの伝説」詞:なかにし礼、曲:村井邦彦、歌:ザ・テンプターズ、昭和43年)

「湖」もこれで最後。
終わりになっていまさら感ですが、そもそも湖とはなんぞや。
海以外の大きな水たまりには湖だけじゃない。沼だってあるし池だって。「湖」はそれらとはどう違うのか。その違いはいかに。

湖沼の違いは水生植物の繁茂状況など細かい点もあるが、概ねはその深さで別れる。
つまり水深5m以上が湖、それ以下が沼。
湖でも堆積物がたまり、やがて沼になる。さらに水がなくなれば湿地になり、やがて草地になるとか。

では池は。
“湖や沼よりも小さい水のたまった窪み”って、そりゃそうかもしれないけど。また“人工的なもの”とも。これは異論有りで、東京の不忍池や洗足池などは天然だし。

なかには決め方はアバウト。ほぼ大きさで、広いのが湖、狭いのが池。と言い切る人も。
なるほどと頷ける部分も。しかし、その境はどこに? 定義もあいまいだし、なかには××池がいつのまにか△△湖に変わっていたり。理由を聞いたら「イメージがいいから」だって。

たしかに、「昨日彼女と湖へドライブに行って、そこでボートに乗ってね」っていうのと「昨日彼女と沼へ行って、ケンカして沈めてきちゃったよ」っていうのではイメージは確かに違う。
だから、歌に出てくるのはほとんど湖。池や沼は歌よりも怪談話やホラー向き。

で、やっぱり湖の歌。
「霧の摩周湖」がヒットチャートにのぼるのと時を同じくして、ムクムクと台頭してきたのがGS(グループサウンズ)。

そのグループサウンズのとりわけ初期の傾向としてメルヘンタッチがある。
よくいわれる衣裳のミリタリールックにしたって、あれは近代以前の軍服。それも戦闘服ではない。パーティやセレモニーでお召しになる代物。
なかにはブルマーにタイツ(スカートもいた)なんて中世の騎士を思わせるファッションも。今のビジュアル系でもそれのもっと洗練されたのがあるんじゃないのかな。

となればメッセージつまり詞の内容もファンタジックなメルヘンテースト(似たような話をしたような……、それもつい最近)。
まぁとにかく、そういうGSに湖はうってつけのロケーション。

GSの三大湖(なものはない)といえば、まずはテンプターズ「エメラルドの伝説」
上にあるように、恋人がなぜか湖で入水自殺をし、そのあと湖水がエメラルド色に変わったという歌。エメラルドの瞳というからもはや北欧かどこかの話だな。

二番目がタイガース「花の首飾り」
♪ 花つむ娘たちは 日暮れの森の 湖に浮かぶ 白鳥に……
娘が白鳥に変身。さらにその白鳥に花で編んだ首飾りをかけると、また娘に……っていつまでやるんかい。まぁメルヘンですから。

三番目は、またまた登場のオックス「スワンの涙」
♪遠い北国の湖に 悲しい姿 スワンの涙
鐘の音が響く坂道、港の見える小さな教会、街のテラスでブラックコーヒー、と“るるぶ”かなにかにありそうな観光地を散策する二人。それが唐突に上の歌詞。北国の湖をスワンの涙(見れるか)を彼女が見たいんだって。何だかよくわからない。それがメルヘンというものだよ。

また「ブルー・シャトー」でメルヘン経験済みのブルー・コメッツには
♪雲が流れる 湖のほとり 「北国の二人」がある。また湖ではないが、「マリアの泉」があったし、「白鳥の歌」に出てくる“入江”は湖のこと。

それ以外ではサベージ「哀愁の湖」やマイナーなバンドだがVIPS「初恋の湖」が。サベージにはほかに、
♪湖に君と遊んだ 二人だけの想い出 「いつまでもいつまでも」があった。

GS以外でも。
♪雪の降る湖で ひとりで僕を待つ 「幻のアマリリア」(加山雄三)
アマリリアって女の娘の名前のようで、歌詞の3番には♪たそがれの湖で いつでも僕を待つ と再び登場。北海道、いやこれも名前から北欧の湖だな。

ガールズも負けてはいない。
メルヘンの女王といえば中村晃子。そのビッグヒットは、
♪虹色の湖は まぼろしの湖 
という「虹色の湖」。そして、いかにもというタイトルの「涙の森の物語」では
♪その夜は 湖も 紫の霧だった
とヒロインの白鳥になりきっている。これだけで終わらないのが女王。とどめは「北国の慕情」
♪北国の湖は あまりに深く
もうメルヘン女王というよりは、湖の天使。

そして山本リンダ「白鳥の湖」
♪森深くつつむ 湖をたずね
失踪した恋人を探しになぜか森に迷い込んだ少女。白鳥に聞いてもわからない(犬のおまわりさんに聞かなくては)、という内容。サウンドはまさしくGS。昭和43年はまさにGS最盛期。リンダのベイビーヴォイスは「どうにも止まらない」前だから。

作曲の現英生は演歌の大御所・遠藤実の弟子らしい。作詞の米田信一は遠藤のペンネーム。
でもいいのかなこのタイトル。それにイントロもチャイコフスキーそのままで。まぁ、メルヘンですから。


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コメント 2

アコ

こんばんわ。お久しぶりです!
GS動画楽しませてもらいました。
オックスがアイドルなんて信じられなかったです・・・・。
(特に後ろの3人が)

確かに湖って神秘的なイメージありますよね。
メルヘンですしね。


by アコ (2008-03-16 21:15) 

MOMO

アコさん、こんにちは。

オックスの3人、たしかに。わたしでもそう思います。
あのフリルの襟がイタイ。
by MOMO (2008-03-20 21:54) 

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