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その名は●マイケル① [the name]


Michael row the boat ashore, Hallelujah
Michael row the boat ashore, Hallelujah
Sister help to trim the sail, Hallelujah
River Jordan's deep and wide, Hallelujah

Michael row the boat ashore, Hallelujah
Michael row the boat ashore, Hallelujah
Jordan river is chilly and cold, Hallelujah
Chills the body, but warms the soul, Hallelujah
([MICHAEL, ROW THE BOAT ASHORE]漕げよマイケル,TRADITIONAL)


黒人霊歌とも、黒人のワークソングともいわれている「漕げよマイケル」
奴隷という身分を嘆き、いつかヨルダン川を越えて“約束の地”にいけることを祈ったのか、あるいは辛い労働から解放されること願ったのか。そのいずれもだろう。

おそらく19世紀にその原形が誕生したと思われるこの歌を採譜し、モダンなアレンジでレコードにしたのが、白人大学生5人組のハイウェイメンTHE HIGHWAYMEN。1961年のこと。
その歌声は全米にとどろき、その年の9月にはビルボード、シングルチャートのナンバーワンに。年間チャートでも3位というビッグヒットになる。

その後、この歌はピート・シーガーPETE SEEGER および、彼が在籍したウィーヴァースTHE WEAVERS、あるいはブラザーズ・フォアTHE BROTHERS FOURにカヴァーされ、当時アメリカで発生したモダンフォークの象徴的な歌として世界に発信された。

それ以外でも、ハリー・ベラフォンテHARRY BELAFONTEトリニ・ロペスTRINI LOPEZ などもレパートリーに加えている。

モダンフォークの波は日本へも届いたわけで、そのシンプルなメロディーと歌詞であることから多くのシンガーやグループが取り上げた。また、教科書に載ったり、替え歌による“ご唱和ソング”として親しまれた。

「マイケル」MICHAEL という名前もアメリカ、イギリスをはじめとする英語圏では多い。
旧約聖書の大天使ミカエルが語源で、ヘブライ語では「神に似たもの」という意味をもつ。

フランスではミッシェル、イタリアではミケーレ、ドイツやロシアではミハエル(ミヒャエル)、スペイン語圏ではミゲルとなる。
マイケルは著名人にも多い。
音楽ではなんといってもマイケル・ジャクソンMICHAEL JACLSON、フレンチポップスではミッシェル・ポルナレフMICHEL POLNAREFFミッシェル・フューガンMICHEL FUGAIN。カナダのイケメン、マイケル・ブーブレMICHAEL BUBLÉ

また、作曲家では「シェルブールの雨傘」LES PARAPLUIES DE CHERBOURGや「風のささやき」The Windmills Of Your Mindで知られるミッシェル・ルグランMICHEL LEGRANDが。

スポーツでは元バスケット選手のマイケル・ジョーダンMICHAEL JORDAN、カーレーサーのミシェル・シューマッハMICHAEL SCHUMACHER、サッカーではマイケル・オーエンMICHAEL OWENが。

また映画では俳優のマイケル・ダグラスMICHAEL DOUGLASマイケル・J・フォックスMICHAEL J. FOX、監督ではマイケル・ムーアMICHAEL MOOREマイケル・アンダーソンMICHAEL ANDERSONが。

歌ではフランスの女性をタイトルにしたビートルズTHE BEATLES「ミッシェル」MICHELLE 。フランスでは男も呼び方はミッシェルだが、綴りはMICHELとなる。
ほかにディオンヌ・ワーウィックDIONNE WARWICK「マイケルへのメッセージ」MESSAGE TO MICHAELがあるし、ジプシー・キングスには「ミカエル」MICHAELがある。

「漕げよマイケル」のようにマイケルは黒人ばかりではないことは、上に列記した著名人をみてもわかる。もともと「マイケル」はアイルランド人に多い名前だったともいわれている。しかし「マイケル」がかつてアフリカ系アメリカ人に多い名前であった(いまは違うのかもしれない)ことも間違いない。

マイケルというのは、日本でいうと良夫とか裕一とか、平凡で目立たない名前なのだそうだ。アメリカでいまよりなおいっそう人種差別が激しかった1960年代以前、黒人たちはなるべく白人を刺激しないような、目立たないような生活を余儀なくされていた。
名前もそうで、大人しい名前を選んだのだとか。
マイケル以外で黒人たちが好んでつけた名前はジェイムズJAMES 、ロバートROBERT 、チャールズCHAELES 、ウイリアムWILLIAM だとか。

そういう事実を知ると、「漕げよ、マイケル」の響きもまた違って聞こえてくる。

今夜も二本立て。
まずはジャクソン。この頃まではハンサムだったのに……。

つぎはブーブレ。なんだかついこないだ聞いたような気もするけど、まぁいいか。


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