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春の歌●春一番 [noisy life]

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ようやく春一番が吹きよりました。

それにしても強烈な春の入り口でしたね。飛ばされそうになっていたオバサンもいたり。

今年はことさら寒い冬でしたから、やっと来たか、来てくれたかという春一番。
春の到来がこれほどウレシかったのも近年なかったものね。

今回はごたくを並べていないで、さっさと音楽を。

この春のウキウキ気分にふさわしい音楽といえば、…………やっぱりブルーグラスかなぁ。

何年か前の春にも「春風はブルーグラスにのって」ってことで、やったはずなんですが、軽快なフィドル、乾いたバンジョー、トレモロが心地よいマンドリンの音色につつまれると「春だねぇ」、「春だよぉ」って思うのです。

まずは、春にふさわしい歌。
「春また来たりなば」When the Springtime comes again

アニーちゃん、おいらは行かにゃなんねえども、また春が来て木々が緑に色づくころけえってくるからよ、きっと待っててくれよな

っていう別れの歌。
カーター・ファミリーで広く知られるようになりましたが、大元はスティーヴン・フォスターの「やさしいアニー」Gentle Annie だとも。
また別名「リトル・アニー」Little Annie としても知られています。

演奏はデヴィッド・グリスマン(マンドリン)、ピーター・ローワン(ギター、ヴォーカル)、ヴァッサー・クレメンツ(フィドル)らのスーパーバンド、オールド&イン・ザ・グレイ。

2曲目も「別れの曲」。
「川のほとりで」Down where the river bends

こちらは、かつて別れた恋人と遠く離れてしまった故郷に思いをはせるという歌。
まぁ「望郷歌」といってもいいですね。

生まれ育った土地を離れた者が、人を思い故郷(くに)を思うというのは万国共通なのではないでしょうか。

交通網の発達でたしかに“故郷感”は希薄になってしまいましたが、アメリカは始終戦争をしているので、戦地に赴いた兵士たちにとっては、その望郷感といったら、日本人には想像がつかないほど強烈なのでしょうね。

その故郷を象徴するものとして、カントリーやブルーグラスではしばしば「木」がでてきます。
「春また来たりなば」では無名の木がうたわれていますし、この歌でも古いカエデの木が出てきます。

70年代に来日コンサートを行い、静かなブルーグラスブームを起こしたカントリー・ジェントルメンの演奏です。

最後も「木」がでてきます。
「柳の下に埋めておくれ」Bury me beneath the willow

ただし、こちらは「望郷歌」ではなく、「わたしが死んだら柳の木の下に埋めてください」という悲しきラヴソング。

イギリスの民謡をベースにしたトラディショナルソングで、古くはカーター・ファミリーの歌が知られています。

若いブルーグラッサーの演奏で。

今日の3曲はいずれも「別れの歌」。
カントリーに限らず、流行歌には「別れの歌」や「失恋ソング」がいかに多いことか。
人生そんなにうまくはいかないよ、ということなのでしょうね。実際そうだもの。
3回に1回、いや個人的には10回に1回かな。うまくいくことなんて。
だから、その1回がウレシイんだよね。

そういえば今日の春一番で、家の近くの公園の早咲きの桜が無情にも散らされておりました。

月にむら雲、花に春一番のたとえもあるぞ。
サヨナラダケガ人生ダ。なんて。
ちょっと違ったかな。


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