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●12月2日 [day by day]

黄色いさくらんぼ.jpg 

母親が死んで丸2年たちました。

昨日は3回忌、入谷の寺へでかけました。
母は10数年前、父が死んだ直後から物忘れの頻度がたかくなり、脳血管障害から認知症に移行し、長い徘徊からやがて寝たきりになり、どうにか食事、排泄の世話も日常化でき、看護士さんから教わった床擦れの手当てもようやく慣れてきた頃、「もうおまえをゆるしてあげるよ」といわんばかりに亡くなったのでした。

死んだ当初は、介護のことなど思い出したくもなく、冗談半分に「この先、介護されるのはいいけど、もう誰かの介護は二度とごめんだ」などといっていましたが、2年経ってだんだん苦痛も和らぎ客観的に回想できるようになりました。

最近、テレビで認知症介護のドキュメンタリーをしばしば放映するようになってきましたが、いままでは見る気がおきなかったそうした番組も見れるようになりましたし。
「そういえば、オレもやったよな」「そうそう、あれがたいへんなんだよなぁ」「そうか、オフクロにもああしてやればよかったなぁ」
なんて思いながら。

母の歌というと、わたしの子供のころ、音程をはずしながら童謡や唱歌をうたっているのを聞いたぐらいで、青春時代、どんな歌手にあこがれ、どんな歌をくちずさんでいたのか、とうとう聞かずじまいでした。

そこで母と同じ命日の12月2日(1990年)に亡くなった昭和屈指の作曲家・浜口庫之助の名曲を5つばかりセレクトしてみました。

昭和34年(1959)、はじめてのヒット曲となったのが「黄色いさくらんぼ」。
半世紀以上前の流行歌としては画期的なお色気ソング。
たしかラジオでも放送自粛になったはず。

その同じ年に「僕は泣いちっち」という、これまたユニークな言葉づかいのヒット曲を送り出し、ハマクラの名前を世に印象付けたのでした。

その後も、西郷輝彦の「星のフラメンコ」、「星娘」などの青春歌謡、坂本九の「涙くんさようなら」やマイク真木の「バラが咲いた」でのフォーク調歌謡曲、さらにはザ・スパイダースの「夕陽が泣いている」ではグループサウンズにと、流行歌のトレンドでみごとにその存在感を発揮してきました。

そして、昭和40年代中盤から後半のアイドル歌謡時代 でも、にしきのあきらや、天地真理にヒット曲を提供し、50年代には「夜霧よ今夜も有難う」に代表される石原裕次郎、昭和の晩年である60年代には島倉千代子の「人生いろいろ」をつくり、まさに、昭和のヒットメーカーのひとりとして、その存在感を示しました。

演歌でもなく、ポップスともいえず、歌謡曲の枠から逸脱した、文字どおり「ハマクラ節」で、ファンを魅了したばかりでなく、多くのミュージシャンやその後の流行歌の世界に影響を及ぼした稀有なソングメーカーでした。

では5曲を順不同で。

黄色いさくらんぼ(スリー・キャッツ)
記念すべきファーストヒット曲。
スリー・キャッツはハマクラさんが率いていたラテンバンドの女性ヴォーカルトリオ。たしか3人のうちひとりが1度目の奥さんになったんじゃなかったかな。
作詞はまさか(さもありなんかも)の星野哲郎。

恋の町札幌(石原裕次郎)
詞もハマクラさん。ノスタルジックな編曲は川口真。
「粋な別れ」もいいけど、裕次郎ではこの歌がベスト。

ちいさな恋(天地真理)
めずらしく安井かずみと組んだ一曲。天地真理では「想い出のセレナーデ」とともに好きな曲。
どうしているんでしょうか白雪姫は。

燃える大陸(渡哲也)
哲兄ィの主演映画主題歌。
フェヴァリットソングのひとつです。

みんな夢の中(高田恭子)
高田恭子は元関西のフォークシンガー。
この歌を好きな人はけっこう多い。亡くなった演出家の久世光彦が死ぬ間際に聴きたい曲というコンセプトで「みんな夢の中」というタイトルの本を書いていました。

12月はどこか死のにおいがつきまとう。

伯母さんつまり母の姉2人が死んだのも12月、そして私の尊敬していた大先輩が亡くなったのも師走でした。
まだ12月ははじまったばかり、除夜の鐘を聞くまでにもしかしてだれかが……。身近で可能性があるのは、あの人だろ、それにあいつも、もしかしてあの人だって……。
まてよ、他人のこといってる場合じゃない。
なことを、昨日お坊さんのお経を聞き流しながら考えていました。


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MOMO

はせおさん、ご訪問ありがとうございました。

札幌、いい街ですね。
by MOMO (2013-12-04 01:11) 

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