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三つの歌●着物 [day by day]

竹久夢二001.jpg

昨日は成人式。

いやあ多かったですね女性の晴れ着姿。
今年は男の紋付き袴姿も例年より多かったけど。

きのうの朝、用事でコンビニへ行ったら、途中でこれから成人式へ行くとおぼしき女性の二人連れ(ひとりの晴れ着っていうのはあまり見ない)と遭遇。
「イイネ」なんてニヤついていたら、二人は立ち止り、何か話していたと思うや、ひとりが突然駆け足でいま来た道を戻って行きました。
多分、なにか忘れ物をしたのでしょう。

で、そのときの姿がスゴかった。
着物の裾を膝上あたりまでまくり持って、脱兎のごとく。

二十歳だもの。先日の話の「車中の化粧」と同じで“恥じらい”が身についてないんだね。

でも、その“あられもない姿”は理にかなっている。
友達を少しでも待たせまいと思ったら、全速力モードで行かないと。
それには通常の着物姿ではむり。

映画やテレビの時代劇ではそんなお嬢さん見たことないけど、実際には、たとえば悪漢に追いかけられた娘さんなんか、思い切り裾をまくって逃げたんじゃないかな。
昨日の朝の光景を見ながら、そんなくだらないこと考えました。

そして今日の「着物晴れ姿」はサッカーの年間女子最優秀選手に選ばれた澤穂希。

テレビでメッシとのツーショットを見て、あらためて「スゴイですね」と感嘆。

また、あの淡い感じのブルーの着物が似合ってたこと。多分スタイリストがいるんだろうけど、格調があって、最高のセレモニーにみごとにハマっていました。

しかし、着物っていうのはいいね、とくに男にとっては何とも色っぽい。
でも、たまに着るからいいんだろうね。愛好者もいるんでしょうけど、のべつ着物だったら、それほど目がいくことはないかも。
成人式に限らず、正月とか結婚式やパーティーとか、やっぱり「晴れの日に着るもの」なんでしょうね。

で、(ここからが本題)流行歌の世界で着物といえば、これはもう演歌。なんたってユニフォームみたいになってます。
だから反対に、ドレスや洋服で出てくると「オヤオヤ」(いまどき言う奴いない)なんて思ったり。

戦前の新橋喜代三、市丸、小唄勝太郎、赤坂小梅といった粋な姐さん方からはじまって、戦後でも榎本美佐代、神楽坂はん子、島倉千代子、五月みどり、最近亡くなった花村菊江、そして都はるみと着物シンガーはいました。

でも、ポップス系はもちろん、歌謡曲といわれた流行歌の世界で、着物は主流ということはなかった。むしろ戦後は「日本調」といういわれ方で傍流だったような。

それが昭和40年代に演歌というジャンルができると、着物が完全に主流に。
となると、逆に門倉有希とか森山愛子なんかの洋装派に目がいったりして。

それでは、相変わらずの独偏による「着物の姿の女性」が出てくる歌を三つ。

「恋人をもつならば」神戸一郎
昭和33年のヒット曲。神戸一郎はその前年に「十代の恋よさようなら」でデビューし、その甘いマスクと声で一世を風靡したシンガー。数年前にお亡くなりになりました。
作詞は当時の頂点にいた西條八十
2番がまさに和服姿。歌舞伎「与話情浮名横櫛」のお富さんを思わせる「黒襟姿に洗い髪」。
そんな粋な姐さんがホテルのバルコニーで酸漿を噛みながらリルケの詩集を読んでいるというのだから、これはまさに竹久夢二の世界。

余談ですが、YOU-TUBEの歌詞、聞書きをされたようで、かなり「空耳」が入っております。それがあまりにも頻繁なので、「お借り」しときながら申し訳ないのですが、笑ってしまいました。もしかしたら投稿したのは若い人なのかも。

「女ひとり」デューク・エイセス
永六輔・いずみたくの昭和40年の名曲。
1番が「結城に塩瀬の素描の帯」、2番が「大島つむぎにつづれの帯」、3番が「塩沢かすりに名古屋帯」。和服三態を帯までいれてみごとに“恋に憑かれた”女を表現しています。
なんていってるけど、「大島つむぎ」と「かすり」以外は、それぞれどんな着物なのかイメージできないのですが、とにかく上布であることはなんとなく。

「みだれ髪」美空ひばり
これも名コンビ、星野哲郎船村徹による美空ひばり、昭和最後の傑作。
1番の「赤い蹴出し」と3番の「春は二重に巻いた帯」がはっきりと“和女”をイメージさせます。こちらは“恋に疲れた”女のようで。
ところで美空ひばりという歌手は不思議で、たしかに着物も似合うけれど、ドレス姿でもステージに立つ。着物一辺倒というわけではない。
そこらへんにも、いわゆる演歌とは一線を画した「ひばり流」を感じてしまいます。

以上3曲、あたりまえですが、みんな昭和の歌。
J-POPにあるのかな和装の女性をうたった歌。探せばあるかもしれないけど……。
歌はともかく、たまには着物姿でうたってもらいたいね。

休養しちゃったけど、宇多田ヒカルの着物姿など見てみたいものです。
それで、「はしご酒」なんかをうたっていただいた日にゃ……。
まず無理だろうけど、……洒落でやってくれないかな、いつか。

今年はじめてのブログです。
去年よりもう少し数をふやしたいと「希望」しております。
本年もよろしくお願いいたします。


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toty

女ひとりの歌詞のなかで、
「恋に憑かれた」とずっと思っていたのですが

ネットで歌詞を調べたら、「恋に疲れた」となっていたので
なんとなくがっかりしたところでした。

momoさんも、「憑かれた」と書いていらっしゃるので
ちょっと我が意を得たり、な心境です。
by toty (2012-01-12 17:46) 

MOMO

totyさん、ごぶさたしています。

お義父さまの記事で、コメントしようと思っていたのですが、腰がというか指が重くて遅れてます、すみません。

「女ひとり」の歌詞は、いちばんはじめにみた歌詞カードが「つかれた」とひらがなになっていたので、勝手に自分で解釈してしまいました。

たしかにネットで調べてみると「疲れて」のようですが、なかなか思い込みは変換できず、意地をはっております。

永さんが直接(まずいわないね)「疲れてだよ」と言えば、しぶしぶ切り替えるつもりではおりますが。

あらためまして、本年もスローペースながら続けるつもりですので、よろしくお願いいたします
by MOMO (2012-01-13 00:31) 

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