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冬歌②北風 [noisy life]

日暮れの小径.jpg

♪えくぼの可愛い娘だったが
 北風が連れていちゃた

 いまではあの娘を呼んだとて
 冷たい北風吹くばかり

 ノースウインド ノースウインド
 あの娘はどこだろ
 ノスウインド どこだよ
 教えておくれよ
(「北風」詞:レイモンド服部、曲:ロッド・モリス、歌:北原謙二、昭和39年)

年もずずっと押し迫ってまいりましたが、2011年の「冬の歌」は第二回にして最終回の「北風」

「北風」の歌もそこそこあります。
すぐ口についてでてくるのが
♪北風ぴーぷー 吹いている
「たきび」とか、おなじわらべうたで
♪北風 小僧の 寒太郎 の「北風小僧の寒太郎」

ナツメロだと、うたい出しが
♪北風吹きぬく の「寒い朝」(吉永小百合、マヒナスターズ)
なんかも。

ほかにもラジオ歌謡の「北風三郎」(伊藤久男)若原一郎「北風小僧」なんか。

めずらしいとことでは荒木一郎がつくって岸本加代子がうたった「北風よ」が。
同じアイドル系では荻野目洋子「北風のキャロル」浅田美代子「北風の日曜日」なんてのも。

J-POPなら槙原敬之「北風(君にとどきますように)」があるし、ミスチル「口笛」にも ♪……不揃いの影が 北風に揺れながら……
とでてきます。

ふたたび遡って70年代、80年代をみると、

「陽はまた昇る」谷村新司
「秋冬」高田みづえ
「矢切の渡し」細川たかし
「コートにすみれを」みなみらんぼう
「子連れ狼」橋幸夫
「まるで正直者のように」友部正人

とあるわあるわ「北風」が。吹きまくり。

しかし今回の「北風」は洋楽カヴァー。
とはいえ、もはやナツメロ歌謡曲といってもおかしくない「北風」North Wind。

1953年にテキサス・ビル・ストレングスTexas Bill Strengthがうたったカントリーソング。
カントリーにはめずらしいマイナーチューンで、アメリカではさっぱりでしたが、その4年後、日本に輸入されるやヒットソングに。

日本での当時のカントリーブーム(ロカビリー前夜)に乗った感もありましたが、はじめにレコーディンぐしたのはカントリー・アイドルだった小坂一也
その後、ジミー時田、黒田美治をはじめ多くのカントリーシンガーがカヴァーすることに。

その4年後、すでにカントリーブームどころか、ロカビリーブームも退潮していたころ、なぜかこの「北風」が再ヒット。

うたったのは北原謙二。遅れてきたロカビリアンでした。

大阪は浪商野球部出身というから異色シンガー。
同級生がのちの安打製造機・張本勲やヤクザから画家に転身した山本集。先輩には巨人に入りV9に貢献した坂崎一彦、後輩には怪童といわれた東映のエース・尾崎行雄という錚々たるメンバーに囲まれてのハイスクールリフ。

そんな荒くれ仲間のなかでも喧嘩っ早さは野球部一で、“チビケン”と呼ばれ、誰もが一目置いていたというから、見た目じゃわからない。
しかし、からだが小さかったからか、残念ながら野球では花咲くまで至らず。

高校在学中に父親が急死し、即中退。
と同時に北原青年の向かった先はネオン街。
ヤクザとしてデビューしなかったのは、歌が好きだったから。その歌唱力を見込まれて当時流行りのジャズ喫茶のシンガーに。

その後東京へ行き、ジャズ喫茶「テネシー」の専属としてうたっているところをコロムビアレコードのディレクターにスカウト。
デビューは昭和36年で、童謡歌謡の「日暮れの小径」
ちなみに同期には、「湖愁」松島アキラ「悲しき街角」飯田久彦、やはり「テネシー」でうたっていて「でさのよツイスト」でデビューしたスリー・ファンキーズなどが。

「日暮れの小径」も小ヒットしましたが、彼のブレイクのきっかけとなったのは翌37年、NHKの「今日のうた」としてとりあげられた「若いふたり」
映画化もされたこのドドンパで、一躍トップシンガーに。

そしてその翌年の38年には、ブームとなった青春歌謡にのって、「若い明日」「ひとりぼっちのガキ大将」がヒット。

「北風」はその翌年、東京オリンピックの開催年のヒット曲。
鼻にかかったようなノンビブラートの独特の歌唱がカントリーには合っていたようで。

そして翌40年には立川談志が好きだった「ふるさとのはなしをしよう」がヒット。作曲は浪花のモーツァルト。それとエレキブームに便乗したリズム歌謡「若い太陽」も。が、あきらかにピークは過ぎ、人気バロメータは下降線。

これだけヒット曲があれば、新しい曲などなくても地方回りで歌手活動は続けていける。

しかし病魔には勝てない。
平成3年に脳出血で倒れ、その後リハビリから歌手活動を再開させたが、13年に病気だ再発し亡くなっている。

亡くなる前には半身マヒながらテレビなどの歌謡番組に出ていましたが、見ていてどこか痛々しかった。

北原謙二のことを考えると、中学の同級生の顔が思い浮かびます。
♪君には君の~
ってよく口ずさんでいました。

2歳下の妹のことを話題にすると、いつも真赤になって怒るのです。

こんなこともありました。彼の家へ遊びに行くと、ちょうど買物にやらされて返って来たときで、母親から買ってきた便所の落し紙が違うと怒られていました。
安い灰色の紙を言いつけられたのに、高価な漂白された白い紙を買ってきたからです。

彼の言い訳。
「だって、店に○○さんがいたんだもん。恥ずかしくって……」
○○さんとは、彼がお気に入りの同級生の女の子。

彼もわたしも北原謙二のようにプロ野球の選手を夢見ていた頃の話です。

つまらない話をしてしまいました。

お口直しに、「北風」にちなんで、めずらしいマイナーチューンのカントリーソングをいくつか。

「コーライジャ」Kaw-Liga
木彫りのインディアン人形の悲恋をうたったハンクの一曲。北原謙二の「北風」のB面。

「ジョニーが凱旋するとき」When Johnny Comes Marching Home
カントリーと呼ぶにはいささか幅がありすぎますが、有名な南北戦争は南軍の歌。これに似ているのが「空飛ぶ幽霊騎士」Ghostriders in the sky 。こちらはカントリーで「北風」よりはポピュラー。

「ナイト・ウォーク」Night Walk
カントリー・ジェントルメンのインスト。オリジナルがないので日本のバンド版。久々に聴きました。

「続・荒野の用心棒」Django Theme Song
これはカントリーではないですね。フランコ・ネロが主演したマカロニウエスタンの主題歌。まぁ西部劇だからカンベンしてください。

風邪ひきました。「キターッ、カゼ」ってか? つまらん。


気持ちがたるんでいたからです。
たるむにはたるむだけの理由がありまして。それもいつかブログに書いてみたいとおもっています。
とにかく津波、原子炉融解などの社会的にも、個人的にも大変な一年が終わろうとしています。

みなさん、風邪にはくれぐれもご注意を。


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