その名は●ジョージ [the name]
♪土佐の鯨は大虎で 腕と度胸の男伊達
いつでも酔って候
酒と女が大好きで 粋な詩も雪見詩
いつでも酔って候
鯨海酔候 無頼酒
鯨海酔候 噂の容堂
…………
(「酔って候」詞・曲:柳ジョージ、歌:柳ジョージ&レイニーウッド、昭和53年)
63歳は若すぎる。酒かなぁ。
ついこないだジョージ(杉浦直樹さん)の訃報をブログ化したばかりなのに、柳ジョージさんまでが。
今年はなんだか、日本のロックやブルースのシンガーの訃報が多い気がします。
柳ジョージさん。ちょい兄貴だけど、ほぼ同年代。
音楽のスタートがポール・アンカであり、ニール・セダカであり、サム・クックだった、つまりアメリカンポップスだったという彼には親近感を感じていました。
あの時代のミュージシャンですし、横浜出身、ゴールデン・カップス出身ということでかなり乱暴なイメージがあり、実際ハメを外したこともあるようですが、TVで見る彼は温厚そのもの。
単位をとれずに赤信号が灯った大学の卒業も、父親との約束だからとバイトで学費を稼ぎ追試を受けて卒業したというエピソードが示すように、真面目な常識人の一面も。
もっとも、卒業後、就職はせずただちにゴールデン・カップスに加入したそうだが。
とにかくあの優しい顔と、ブルージーな声が聴けなくなるのは淋しい(YOU-TUBEで見れますし、聴けますが)。
数枚あるCDのうち、いまいちばん気に入ってるのは平成6年に出た[GOLDEN TIME COLLECTION]。
アルバムタイトルからもわかるとおり、アメリカンポップスを集めたもの。
「テネシー・ワルツ」があり、「ユー・アー・マイ・サンシャイン」があり、「渚のボードウォーク」があり、「ラストダンスを私に」があり。さらに彼の好きなサム・クックの「ユー・センド・ミー」と「チェンジ・イズ・ゴナ・カム」、共演したこともあるレイ・チャールズの「我が心のジョージア」などなどリストを見てるだけでワクワクしてくる1枚。
冥福をいのりつつ、好きな彼の歌を。
「祭りばやしが聞える」のテーマ
萩原健一主演の同名TVドラマの主題歌。
ショーケンのリクエストで主題歌をうたうことに。なんでも印税ではなく“歌い切り”?契約でレコーディングしたとか。レイニーウッドのファーストアルバム[Time in Change]に収録。
「雨に泣いてる」Weeping in The Rain
これもショーケン主演のTVドラマの主題歌。
元もとレイニーウッドのセカンドアルバム[Weeping in The Rain]のファースト曲で、やはりぜひ使いたいというショーケンのリクエストで、新たに日本語詞をつけてシングルに。
いちばん“商売”になった歌かもしれない。
「青い瞳のステラ、1962夏……」
「フェンスの向こうのアメリカ」同様、横浜生まれで、米軍キャンプを目の前にして育ったという彼にふさわしいドラマチックな歌。昭和55年のレイニーウッド5枚目のアルバム[Woman and I … Old Fashioned Love Songs]の1曲。のちにシングルに。個人的にもいちばん好きな歌。このブログでも何回も。
「酔って候」
司馬遼太郎の大ファンだった彼が、土佐藩主で酒と詩と女をこよなく愛した山内容堂を描いた小説「酔って候」をテーマにつくったアナクロ異色作。彼の自伝「ランナウェイ―敗者復活戦」には、タイトル使用を拒否され、彼自身が司馬家を訪れて許可をもらい、お互いにサインをしあったというほほえましいエピソードが書かれている
[A Change Is Gonna Come]
これもレイニーウッド5枚目のアルバム[Woman and I … Old Fashoned Love Songs]のファースト・ナンバー。彼が好きだったサム・クックのヒットナンバー。
地べたを這いずりまわっていても、「もうすぐ転機がくるさ」と希望を捨てない男の歌。
Goodbye, Thank you George.
xml_xslさん、読んでいただき、ありがとうございます。
by MOMO (2011-10-17 21:39)
柳ジョージ、そう多く聞いたわけではないですが
声の質、雰囲気、好きな人でした。
惜しいですね。
by toty (2011-10-20 04:39)
totyさん、お元気そうでなによりです。
その行動力、バイタリティ、感服しております。
読んでいただいてありがとうございます。
わたしも読んでおります。
by MOMO (2011-10-21 22:52)