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冬歌②雪に映える薔薇のごとく [noisy life]

Emmylou Harris Luxury liner.jpg 

I met my darlin' in the springtime
When all the flowers were in bloom
And like the flowers our love blossomed
We married in the month of June

Our love was like a burning ember
It warmed us as a golden glow
We had sunshine in December
And threw our roses in the snow
([Roses in The Snow] written by Ruth Franks, vocal by Emmylou Harris, 1980)

早いなぁ、一年。
いよいよ押し迫ってまいりました。

今年の内に掃除して、今年の内に散髪して、今年の内に支払いを済ませて、今年の内に賀状を書いて、今年の内に正月用の買物済ませて、今年の内にしばらく会っていない友人に会って、今年の内に医者へ行っといて……ってなんなんですかね、この焦燥感。毎年。

まぁ、たしかに区切りがあったほうが、生きてておもしろいんだろうけど、そんなもとっぱらってダラダラ、ヌルヌル暮して行ったってちっとも困らない。
今年は思い切って全部年が明けてからにすっかな。……なんて。

いっそブログの更新もなんて思ったけど、書いてしまいました。

いまさら冬の歌だもんね。こういうのは冬のとばくちでやるもんで、どっぷり冬に漬かってしまってからやるのはちっとも粋じゃない。かといって帰りでもないか。

やっぱり今年の締めはフェヴァリットソングで終わりたいな。
それも久しくやってないからカントリーで。

これは冬に限らずなにかにつけて聞きたくなるフェヴァリットソング「ロージズ・イン・ザ・スノウ」
邦題では「雪に映える薔薇のごとく」なんてなってます。
ちょっと固いというか、叙情がすぎるよね。せいぜい「雪とバラ」とか「雪の上の薔薇」とかね。ピンとこない? そうか。まぁとにかくそういうタイトルです。

春に巡りあい、六月に結ばれた。
ふたりの愛は、冬の太陽や雪の中のバラのように、いつも暖かかった。
でも彼は神に召され、思い出だけが残った。
今年の冬、雪が降ったら、あの丘にある彼のお墓にバラを飾ろう。

という詞も曲も美しい、情感たっぷりのブルーグラスナンバーです。

もちろんオリジナルはエミルー・ハリスEmmylou Harris。

この歌が入った同名のアルバムが発売された頃、わたしは駿河台の坂の途中にある中古レコード店で初めてエミルーをみつけました。

そのアルバムのジャケットは、カントリーシンガーにこんな美形がいるのかというほどの美しい女性の顔のどアップ。

 [LUXURY LINER]という輸入盤で、収録曲のリストをみるとカーター・ファミリーThe Carter Familyの「ハロー・ストレンジャー」Hello Stranger が入っていた。それでおもわず手に取りレジへと向かったというわけ。(いや、それだけの理由で買うかな? 半ばジャケ買いに近かったかも)

しかしこの買物は大成功。
1曲目がアルバムタイトルと同名の「ラグジャリー・ライナー」で、公私ともエミルーに多大な影響を与えたグラム・パーソンズGram Parsons の軽快なカントリーロック。これがまずイカしてました。

ほかにもチャック・ベリーChuck Berryのロケンロール「ユー・ネヴァー・キャン・テル」You Never Can Tell が入っていたり。
また、初めて聴くエミルーのクリスタルヴォイスはイメージと違ったけど、それはそれで魅力的でした。

こうなったらもう“追いかける”しかない。
次の休日秋葉原の石丸電気へ行って「ベスト盤」を購入。これがまた期待を裏切らない“名盤”。

トラディショナルの「見知らぬ旅人」Wayfaring Stranger や「緑の牧場」Green Pastures、オールディーズの「ミスター・サンドマン」Mister Sandman 、ハンク・スノウHank Snowのカントリークラシック「ムーヴィン・オン」I’m Movin’ On 、ドリフターズThe Driftersの「ラストダンスは私に」Save The Last Dance For Me 、おまけにボーナストラック日本限定で「テネシー・ワルツ」Tennessee Waltz とおなじみの曲が目白押し。まさにいいとこ取りの「ベスト盤」。

そんななかでいちばん気に入り、テープにダビングして何度も聴いていたのが初耳だった「ブルー・ケンタッキー・ガール」Blue Kentucky Girl
都会に憧れて旅に出た恋人を想う田舎娘の気持ちをうたってます。
「ダイヤも真珠もいらない、だから帰ってきて」と何やら「木綿のハンカチーフ」を想起させる健気な歌。

そしてその次に買ったのが、いまでもわたしにとってのエミルーの“ベスト盤”になっている[ROSES IN THE SNOW]

このアルバムの魅力のひとつは彼女を支えるスゴメン。
トニー・ライス、ジェリー・ダグラス、リッキー・スキャッグスといったトッププレイヤーはもちろん、ゲストヴォーカリストにやがてグラミー賞アルバム「トリオ」Trioを出すことになるリンダ・ロンシュタッドドリー・パートン、さらにはウィリー・ネルソン、ジョニー・キャッシュといった重鎮も。

曲の構成もブルーグラスにトラディショナルやオールドタイミー、ゴスペルと盛りだくさんで、S&G「ボクサー」Boxerまでというサービスぶり。

でもやっぱりいまだに聴き飽きないのは哀愁たっぷりの表題曲「ロージズ・イン・ザ・スノウ」の魅力。

ところで、エミルーを聴くようになってしばらくして、ライナーノーツや音楽雑誌の記事などを読んで、実はエミルー初体験がかの「ラグジャリー・ライナー」ではないことに気づきました。

なんと知らない間にエミルーを聴いていたというわけです
そんなことが? あるのです。

エミルーがグラム・パーソンズによって表舞台に導かれる前、いろいろなアーチストのバックコーラスを務めていたのですが、レコード化されたその1枚がボブ・ディランBob Dylanの「欲望」Desire。もちろんリアルタイムで購入した1枚でした。

例の冤罪ボクサー、ルビン・ハリケーン・カーターのことをうたった「ハリケーン」Hurricaneが1番目に入っているアルバムです。

「ハリケーン」もいいけど、ラテンテイストの入った「コーヒーもう一杯」One More Cup of Coffee や「オー・シスター」Oh Sister など好きな曲がいくつもあるのですが、事情があってリテイクになった「ハリケーン」以外でエミルーの声が聴けます。
とりわけ美しい曲「オー・シスター」はバックコーラスというよりディランとのデュオ。

ところで冒頭の「ロージズ・イン・ザ・スノウ」をうたっているアーチスト。
YOU-TUBEでみつけたのですが、ヴォーカルはヨランダ・ペテルスJoranda Petersというのでしょうか(自信ない)、オランダ人のようです。演奏は4WDというドイツのバンド。つまりヨーロッパのブルーグラスですね。

ヴォーカルが素晴らしい。エミルー風にうたっていますが、本家よりうまいかも。
バンドの方は、フィドルがヴァイオリンになってたりバンジョーが硬かったりと格調がありすぎる気もしますけど。

日本にだってブルーグラスバンドはいくつもあるのですから、ヨーロッパにあったって不思議じゃありません。
ノルウェーにはヘイディ・ハウゲHeidi Haugeという素晴らしいいカントリーシンガーがいますしね。

最後はもう一度エミルーの「ロージズ・イン・ザ・スノウ」を、ライヴヴァージョンで。彼女のミニスカはめずらしい。

今年一年お付き合いいただきありがとうございました。
それではみなさま、よいお年を。


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