夏歌②浴衣 [noisy life]
浴衣のきみは 尾花(すすき)の簪(かんざし)
熱燗徳利の首 つまんで
もういっぱい いいかがなんて
みょうに 色っぽいね
(「旅の宿」詞:岡本おさみ、曲:吉田拓郎、歌:吉田拓郎、昭和47年)
先日の土曜日、雨の予想がみごとに違えて青空。
仕方なく重い腰をあげて外出へ。
千駄木に用事があったので、とりあえずそれだけは済ましてしまおうと。
で、用事を済ませましたがまだ迷ってます。
そのままメトロへ向かって家へ帰っちゃおうかって。
と歩いていたら、不忍通りの彼方からバスが一台。ふと目の前をみると停留所が。
近づいたバスの額には「浅草寿町行」の文字。
この間のいいこと。そこまでされたんじゃ、乗らないわけにはいきません。
すげえ。バスは超満員です。
もしかして、皆さん浅草へ? ほおづき市へ?
なことないわな。
バスは西日暮里駅を通り、三ノ輪駅を通るんだから、そこでゴソッと……。
ゴソッと降りずに、逆にドカっと乗ってきちゃった。
そんなわけで車内がガラガラになったのは終点の2つ前の「浅草六区」で。もちろんわたしもそこで降りたんですが。
浅草寺は本堂が大改築中で境内が狭くなっていて、そのせいで混雑もハンパじゃなかった。
それでも、小一時間ほど見て歩きました。
冷やかしのつもりだったんですけど、ついついひと鉢買ってしまいました。
なにしろ「ものずき」ですから。
人出はやっぱり中高年が多かったのですが、若い人もチラホラ。それと外国人も。
その若い人の中には浴衣を着た人が目立ちました。それもカップルでっていうのが数組いましたね。どっちから言い出したんだか……。でもいいよね。
ただ、その着こなしがどうも……。
わたしはまるで和服は着ないし、ましてや浴衣なんか子どもの頃以外はホテルで着るぐらい。だけど着こなしの上手下手はわかるんだな、なんとなく。
とにかくどの娘も、どのカップルも浴衣というより子どもの寝間着って感じで。
まるで粋じゃないんだなぁ。
すれ違う浴衣のどれもこれもが同じようにシマリがないので、「もしかしたら、こういう着方が流行りなのかな……」なんて思ったり。なわけはない。
たまに粋に着こなしてるなって浴衣に出会うと、これが30凸凹の大年増。
さすが、キャリアが違うね。昨日今日着たんじゃないのよって雰囲気が出てました。
若者諸君、ただ着りゃいいってもんじゃないぞ。
ちったあ研究しとくれよ。
まぁ、ひとりで着るのは難しいってことはわかるよね。だから着付け師がいるんだから。
ヘアスタイルもそれなりにで、軽く着れるようで意外と難しいだよね、粋に着るってことは。
で、「浴衣の歌」。まさに夏の象徴です。
真っ先に思い浮かぶのはやはり歌い出しが「浴衣の~」という上に詞をのせた「旅の宿」。
「浴衣」が出てくる歌っていうのは、だいたいがお祭り・縁日の思い出なんだけど、この「旅の宿」はタイトルどおり、カップルで行った温泉宿での一幕。
岡本おさみの詞がいいね。
他では、拓郎ならば「リンゴ」、「落陽」、「祭りのあと」、「おきざりにした悲しみは」、「からっ風のブルース」、「いつか夜の雨が」なんていいなぁ。
拓郎以外なら森山良子の「歌ってよ夕陽の歌を」、森進一の「襟裳岬」、猫の「地下鉄に乗って」、由紀さおりの「ルーム・ライト」、岸田智史の「きみの朝」、南こうせつの「美映子」なんかもね。
彼はまさに吟遊詩人ですね。今でもまだ旅をしているのでしょうか。
それでは逝く夏を惜しんで(まだ早い)、浴衣のオンパレードを。
まずは流れ上フォーク系から。
♪二人でこさえたおそろいの 浴衣も今夜はひとりで着ます 「精霊流し」グレープ
「線香花火」にも♪キミの浴衣の帯にホタルが…… ってあります。
♪夜は夜 そう 浴衣に花火 「あー夏休み」チューブ
ストロボ効果みたいに見えたり消えたりの浴衣。花火には浴衣だ。
♪浴衣姿 がまぶしすぎて 「夏祭り」ジッタリン・ジン
字切りがわるい歌だけど、何度も聴いてると逆にそれがよくなっちゃうんだな。
♪ゆかた着てすましてる かわいいよ「夏まつり」井上陽水
自転車の後ろに乗せた妹のこと。ガールフレンドじゃないところが新鮮。
歌謡曲・演歌だって、いえどちらかといえばこちらのほうが本流かも。
♪揃い浴衣でおけさ節 踊って明かした 「おけさ唄えば」橋幸夫
こちらは盆踊りなのでオソロの浴衣。「和」ですね「倭」ですね。
♪浴衣のお前 抱き寄せて 別れをそっと 打ち明けた 「螢籠」志賀勝
こんな別れって現実にあるのかな。ないから美しいんだろうね。
♪揃いの浴衣の 若い衆が 「無法松の一生/度胸千両入り」村田英雄
こちらもお祭りの光景。和太鼓や三味線はフォークやポップスにはない味です。
♪ゆかた姿の すてきなあなた 「ふりむかないで」ハニー・ナイツ
東京、札幌、仙台、名古屋、大坂、博多と全国縦断するナンパ師の歌(ウソです)。
♪そぞろ歩いた ほおずき市の 浴衣姿がうれしくて 「ほおずきの町」ちあきなおみ
前回もすこしふれましたが、浅草寺「ほおずき市」の思い出。
♪粋な素足に しぼりのゆかた 「お祭りマンボ」美空ひばり
浅草育ちの“おばさん”だもの、そりゃ粋でしょうよ。目に浮かぶようです。
ところで「旅の宿」、名曲なんですけど、この曲が流れてくると、知らなくてもいいのに知ってしまったなぎらけんいちの替え歌が耳によみがえってくるんです。
それは、
♪土方のきみは すすけたフンドシ…… って。
ぶちこわしですよね、岡本さんの名詞を。それに差別用語らしいし。スイマセン。
私のお気に入りのブログです☆これからも楽しみにしていますね!(^ー^)b
by 銀座@美容院スタッフ (2011-02-18 23:49)
銀座@美容院スタッフさん、読んでいただいてありがとうございます。
今後とも、ごひいきのほど、よろしくお願いします。
by MOMO (2011-02-21 23:09)