その名は●ジェニー② [the name]
I took my little jenny to a party last night
At ten o’clock it ended in a heck of a fight
When someone hit my jenny
She went out like a light
Poor jenny
And some joker went
And called the cops on the phone
So everybody scattered out for place unknown
I couldn’t carry jenny, so left for alone
Poor jenny
…………
([POOR JENNY] written by Boudreaux and Fellice Bryant, vocals by The Everly Brothers,1959)
鈴木やすしの「ジェニ・ジェニ」はもちろん洋楽カヴァーで、原曲はリトル・リチャードLittle Richardの1957年のヒット曲[Jenny Jenny] 。
リトル・リチャードはロケンロール創成期のシンガーソング・ライターで、ほかにも「のっぽのサリー」Long Tall Sally、「トゥッティ・フルッティ」Tutti Frutti、「ルシール」Luccilleなどをつくり、自作以外でも「グッド・ゴリー・ミス・モリー」Good Golly, Miss Molly、「女はそれを我慢できない」The Girl Can’t Help It、「ベビー・フェイス」Baby Faceなどいくつものヒット曲が。
作曲は本名のリチャード・ウェイン・ペニマンRichard Wayne Pennimanで。
ロックの夜明けで重要な役割を果たしたロケンローラーはほかにも、チャック・ベリーChuck Berry、ビル・ヘイリーBill Haley、ジェリー・リー・ルイスJerry Lee Lewis、エルヴィス・プレスリーElvis Presley らがいますが、もうひとり、いやひと組のちのロック、フォーク、ポップスに多大な影響を与えたロケンローラーズとして忘れてはいけないのがエヴァリー・ブラザースThe Everly Brothers 。
エヴァリー・ブラザースといえば日本では、のちにS&Gでもヒットした「バイ・バイ・ラヴ」Bye Bye Love や「起きろよスージー」Wake Up Little Susie が知られていますが、もともとはカントリーミュージシャンだった両親と共にトラヴェリンバンドをしていたというからカントリー畑の出身。
上の2曲ともポップチャートで2位と1位になっていますが、カントリーチャートではどちらも堂々の1位になっている名曲。
そんな彼らがうたっているのが「プア・ジェニー」POOR JENNY 。
「起きろよスージー」同様、デートで起きたトラブルを歌にしたもの。
スージーは映画館で爆睡してしまい、彼には門限に遅れて激怒するカミナリ親父の顔がチラつき、焦ってなんとか起こそうとするというシチュエーション。
いっぽうジェニーとのデートはダンスホール。
そこで喧嘩沙汰が起こり、ジェニーが殴られて気絶するという大トラブル。
ところが誰かが警察を呼んだため、ティーネイジャーたちはわれさきにと逃げ出す。なんと彼氏もジェニーを置いてトンズラしたからさあ大変。
おまけにジェニーがスケバンのボスだったことが判明したり、彼女の兄弟や父親が逃げ出した彼に「ただおかねぇ」と腹を立てていたりと、大変なことに。
こうなるとスージーの“門限破り”なんか可愛いもの。
当時のヤングボーイにはデートでのトラブルや、彼女の家族ににらまれることが頭痛のタネだったことがよくわかります。
わたしも高校時代の初デートで、彼女のお母さんから「門限は絶対に守ってね」と釘をさされて意気消沈してしまったことを今でも覚えています。そんなことはどうでも。まぁ日本でもアメリカでもティーネイジャーは同じってこと。
デートのトラブルといえば映画「アメリカン・グラフティ」でもそんなシーンがありました。この「プア・ジェニー」は劇中でうたわれませんでしたが、どことなくあの映画の雰囲気があります。
映画といえば「ある愛の詩」でアリ・マッグローが演じた悲劇のヒロインの名前がジェニー。
サントラの中には「ジェニーを探して」Search For Jenny があります。書いたのはもちろんフランシス・レイFrancis Lai 。
もうひとつ。ジャズでは「ジェニーの肖像」PORTRAIT OF JENNIE。
ウエス・モンゴメリーWES MONTGOMERY(g)、 やウイントン・ケリーWYNTON KELLY(p)、 あるいはクリフォード・ブラウンClifford Brown (tp)の演奏で知られるノスタルジックな小品。ヴォーカルではナット・キング・コールNat King Coal がYOU-TUBEにありました。
またまた映画の話で、1947年のアメリカ映画に「ジェニーの肖像」Portrait of Jennie という作品がありますが、スペルが異なるように音楽とは無関係。
その映画でヒロインの「ジェニー」を演じていたのがジェニファー・ジョーンズJennifer Jones。
いまさらですがジェニーはジェニファーの愛称なのです。
次回はそのジェニファーに登場してもらいます。もうわかっちゃいますね。
蛇足になりますが、今日いや明日のサッカーどうしようかと考えてます。
午前3時は、ちょっと自信がない。
なんとか起きていられても、「睡魔せん」になってしまうこと間違いなし。かといってあす朝のニュースでっていうのも気の抜けたサイダー(古いね、たとえが)みたいで。
予想は1-0もしくは0-0でなんとかと思うのですが……。
強気でしょ。まるで岡ちゃんみたいですね。
叩かれて、持ち上げられて……、また叩かれてなんてことになりませんように。
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