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春の歌●デイジー [noisy life]

デイジー.jpg

♪心開けば見えてくる 青い青い風の中
 忘れ過ごした過ぎた日の あのなつかしい青色の
 あのなつかしい想い出が
 …………
 デイジーやパンジー 咲いていた
 遠い 遠い あの野原
(「遠い遠いあの野原」詞:松山猛、曲:加藤和彦、歌:森山良子、昭和47年)

春が近づいています。
で、やっぱり春の歌をなんとかひとつでも。

やっぱり季節を象徴するには花がよろしいようです。
この時期花といえばサクラですね。
自宅前の小さな公園の一本桜も満開です。肌寒いのが難ですが。

でもサクラはもういいですよね。Jポップでも辟易するぐらい多いのではないでしょうか。
いま、聴いてみたいと思うのはむかし聴いていまだ耳に張り付いているトリオ・ロス・パンチョス「サクラ」。あの独特のイントネーションと印象的なアレンジをもう一度。音源もありませんし、YOU-TUBEもないようなので、なおさら聴きたい。

なわけで、サクラは諦めてやはり春の花とされているデイジーを。和名でいいますとひな菊ですね。

その名のとおりキク科の花卉で、ヨーロッパが原産、日本にやってきたのは明治期、と植物図鑑に書いてありました。ものすごくたくさんの花びらがあるように見えるのは、いくつもの花が集まっているからだとか。キャレンいやカレンな花ですよね。
色は赤以外に白やピンクがあるとか。

しかしあまり路傍や野辺で見かけたことはありません。たいがいはどこかの家の前のプランターや鉢で育てられているのではないでしょうか。

そのデイジーの出てくる歌ですぐ思い浮かぶのが上に歌詞をのせた森山良子「遠い遠いあの野原」

1942年、19歳のとき「この広い野原いっぱい」でデビューしてから5年後の歌です。
そのタイトルからもわかるとおり、デビュー曲の“セルフアンサーソング”のようなものですね。

いまでもそうですが、デビュー当時は「和製バエズ」なんていわれるほど高音やファルセットがきれいでしたね。でも、本人は「美しい声」といわれるのに相当抵抗があったそうです。で、この曲でもディレクターの「ファルセットで」というリクエストに抗って地声で“強行突破した”とか。

5年でもうナツカシズムかよ、という声もありますが、その間「ふたつの手の思い出」、「雨上がりのサンバ」「悲しき天使」、「まごころ」、「恋人」、「禁じられた恋」とヒットの連発でレコード大賞(大衆賞)までとってしまうという多忙な日々だったようですね。そんな濃密な5年間なら通常の10年くらいに感じても不思議じゃないですね。

残念ながらオリジナルがYOU-TUBEにありませんでした。でもアグネス・チャンのカヴァーがありました。
アグネスもカントリーが好きだし、森山良子もスタートはカントリーですからね、って関係ないか。

気を取り直して、この歌の魅力は、もちろん森山良子の歌唱がいちばんですが、その旋律と詞もまたすばらしい。松山猛、加藤和彦は知ってのとおり「イムジン河」のコンビ。

加藤和彦はごぞんじのとおり昨年の10月に亡くなりました。
もしこのブログが中断されずに続いていたなら追悼をこめて記事をUPしていたと思います。
半年遅れになってしまったので、いまさらという思いがありますが、好きな曲ベスト3をあげて自分なりに帳尻を合わせておきたいと思います。

「僕のそばにおいでよ」
これは加藤さんの曲ではない。エリック・アンダーソンEric Andersonの[Come to my bedside, My Darling]のカヴァー。
「おいでよ僕のベッドへ」の邦題で岡林信康高石ともやもうたっている。カントリーのアレンジだからというわけではないが、加藤版がベスト。とても自由を感じさせてくれるラヴソング。

「不思議な日」
これまた松山猛とのコンビでつくった歌。このコンビにはほかにも「オーブル街」やCMソングにもなった「家をつくるなら」がある。
大昔、この歌がかの絶望的映画「渚にて」に触発されてつくった(作詞家が?)というような話を何かで読んだような、あるいは何処かで聞いたような気がする。

「サイクリング・ブギ」
ごぞんじサディスティック・ミカ・バンドのBoogie Woogie 。
歴代女性ヴォーカル加藤ミカ、桐島カレン、木村カエラと並べると加藤さんの女性の好みがわかります。それと元奥さんの安井かずみさんも。
聞き慣れているせいで、初代がいちばんいいな、やっぱり。

そうでした春の歌、デイジーの話でした。
といいつつ、もはや予定オーバーなので、いつもながらの取ってつけたようなデイジーソングを2つ3つ。

(比較的)よく知られているのがさだまさし「デイジー」
♪……最後のわがまま 君の髪のにおいの向こうで揺れてた 鉢植えのデイジー

「悲しきデイジー」というタイトルでもいいぐらいの“サヨナラソング”。
「忘れないで僕だけは君の味方」「たとえ別れても変わらない君への愛」「たとえ世界を敵に回しても僕は君の味方」ってずいぶん強気だなぁ。

ならなんで別れるの? って思っちゃう。こんなに未練なのだから自分からサヨナラをいったわけはない。当然ふられたんでしょう。
だったらカッコつけないで「別れないでくれよぉ」「捨てないでくれよぉ」と懇願しちゃったほうが人間らしい。
それじゃ歌にならない? そのとおりですね。歌にはまたナルシズムが必要なわけで。

男より女のほうが現実的です。こんな歌も。
「雛菊の地平線」松田聖子
♪ひな菊の道 白や薄紅紫の花 地平線に続く道を歩き出すの

旅する乙女の歌です。物見遊山じゃありませんよ。
聖子ちゃんは「愛は険しい山道のよう……」といっております。それでも、「彼と決別してひとりで生きていこう」、「ほんとうの愛を探しに行こう」と健気にも自立の旅に出て行くのです。

最後はGS。タイガース「花の首飾り」
♪花咲く娘たちは 花咲く野辺で ひな菊の花の首飾り やさしく編んでいた

湖辺の娘たちが白鳥になったり、また娘に戻ったりというストーリー。
もちろんあの「白鳥の湖」をヒントにつくられたメルヘン歌謡。

メルヘンというなら森山良子の「この広い野原いっぱい」もどこかオトメチックといいますか、メルヘンのにおいがします。
それから5年の月日が流れ、「この野原」は「あの野原」へと変わってしまいました。
何があったのでしょうか。いろいろなことがあったのでしょうね。

それでも野原の原形は保たれ、春になると花々が彩りを添えてくれるのですからまだまし。
わたしの「思い出の野原」なんていまやマンションの下。

では春にちなんでナゾカケをひとつ(強引)。
野原とかけまして。
(野原とかけまして)
小学生の写生とときます。
(野原とかけまして小学生の写生ととく、そのこころは)
どちらもクレヨンがつきもので。

それにしても最近たまにTVに出ているお笑い芸人の“ねずっち”? ってスゴイですね。「ととのいました」がバカ早。あれがすべて即興でやっているとしたら、落語家もかなわない。おそらく日本一のナゾカケ芸人ですね。


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レモン

お久しぶりです。
春真っ盛りですね。近所の桜も元気です。
3/27は5年目だったそうですね。ご挨拶遅ればせながらオメデトウございます。
最近僕の方は気力が低下中でして、ブログにも気合が入らず困ったものです。
ただ続けることで思いがけない方向に行くこともあるでしょうから細々続けられたらと思います。
momoさんも無理されないように素敵な文章を少しでも長く続けられますよう期待しています。



by レモン (2010-04-10 22:01) 

MOMO

レモンさん、こんにちは。

いやあ、もうあんなこと言わなければよかったと思ってるくらいで。
書くことが思いつかなくて、すきな歌に半ば強引にひっかけて書いてしまったというわけです。たかだか4年(それも半年間休み)で、えらそうなこと書いてうみませんでした。
でも、ありがとうございます。

やはりブログもほかの趣味と同じでしばらく続けると新鮮味は失せますし、マンネリ化してきますよね。
それでもレモンさんをはじめコメントをくれる方たちや、読んでいてくれる方たちに励まされてない知恵を絞っているしだいです。

今後ともよろしくお願いします。


by MOMO (2010-04-11 22:51) 

MOMO

cfpさん、読んでいただいてありがとうございます。
by MOMO (2010-04-15 01:53) 

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