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Hymns③永遠(とわ)の絆 [noisy life]

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I was standing by my window
On a cold and cloudy day,
When I saw the hearse come rollin'
For to take my mother away.

Will the circle be unbroken?
By and by Lord, by and by,
There's a better home awaitin'
In the sky Lord, in the sky.

([WILL THE CIRCLE BE UN BROKEN] written by A. P. CARTER)

好きな讃美歌の2つめ(これで最後ですが)は、「やがていつの日か」よりはもう少しポピュラーな「永遠の絆」WILL THR CIRCLE BE UN BROKEN 。

これは上のクレジットにもあるように、1920年代後半、A・P・カーターによってつくられ、カーター・ファミリーCARTER FAMILYの歌唱で知られるようになりました。
しかし元々はその少し前の1907年、ADA R. HABERSHON(詞)、とCHARLES H. GABRIEL(曲)によってつくられた同名の讃美歌をA・Pがアレンジしたものなのです。

「寒くてどんより曇った日、僕は窓の傍に立っていたんだ」
というフレーズではじまるこの名曲。
彼はなんで立っていたのでしょうか。絶望で立ち尽くしていたのです(自問自答)。さらに詞は続き、彼は窓外の彼方から馬車がやってくるのを見ます。それは彼の母を乗せてゆく霊柩馬車だったのです。
彼は、母親の死に打ちのめされ立ち尽くしていたのでした。
弟や妹たちも泣き崩れ、母親の死の悲しみに加えて、それまであんなに固く結ばれていると思っていた家族の絆までもが断たれてしまうのではないか、と心配しているのです。

それでも最後は、「やがていつの日か」と同じように、
「でも、いつの日かきっと母さんと天国で逢えるよね。そしてまた幸せな家族の時間が戻ってくるよね」という希望の想いで結ばれています。
つまりこれは、万国共通の家族の絆をうたった歌なのです。

そんなカーター・ファミリーの古い歌に再びスポットがあたったのは1973年に発売されたニッティ・グリティ・ダート・バンドNITTY GRITTY DIRT BANDのアルバム「永遠の絆」によって。

このアルバムはカントリー・ロックのNGDBがオールド・カントリーの一流どころを招いて2週間かけて録音したというもので、それまで双方の間にあった壁が取り払われた記念すべき名盤といわれています。

「永遠の絆」以外にも[KEEP ON THE SUNNY SIDE],[WILDWOOD FLOWER],[I’M THINKIN’ TONIGHT OF MY BLUE EYES], [YOU ARE MY FLOWER]など、カーター・ファミリーのナンバーが数曲収められミニ・トリビュートの側面も。

以後、この曲はロイ・エイカフROY ACUFF、ロレッタ・リンLORETTA LYNN、スタットラー・ブラザーズTHE STATLER BROTHERS、セルダム・シーンSELDOM SCENE、ジョージ・ジョーンズGEORGE JONES、ウィリー・ネルソンWILLY NELSONといったカントリー畑のシンガーやグループはもちろん、ジョーン・バエズJOAN BAEZやジャック・エリオットJACK ELLIOTT など、フォークシンガーのレパートリーにも加えられていきます。

となれば当然日本でも。
高石ともや、加川良、なぎらけんいちなどが独自の訳詞でうたっています。
純日本ではないですが、こんな人も原語で。フォークやカントリーが好きみたいですね。

ついでにいうと、これもそうかな……。…………違うか。
余談はさておき。

「またか」と顰蹙される向きもあろうかと思いますが、またまたグリコで、いやおまけで(古い、いまでもオマケ付きグリコってあるのかよ)もうひとつフェヴァリット・ソングを。

実はカントリーの中にこの「永遠の絆」を上手に取り入れた「ダディ・サング・ベース」DADDY SANG BASS という歌があります。(歌詞を少し変えてありますが)
ジョニー・キャッシュJOHNNY CASH が歌って1968年から69年にかけてカントリーチャートの1位になった歌です。

内容は子供の頃を回想する歌で、
「誰もが辛い時代だった。それでも希望だけはあった。貧しかったけれど仕事が終わると家族みんなが集まって輪になって歌うんだ。父さんはバスでさ、母さんはテナーでね。僕も弟たちも一緒になってうたったものさ。『家族の絆は決して切れることはない。どんな困難に見舞われてもいつか天国で必ず再会できる』ってね」

苦しい時に家族そろって歌をうたうと、なぜだか幸せな気持ちになれた、という「永久の絆」と同じように家族の絆をテーマにした歌です。
そういえば、自民、民主両党の党首の「今年の漢字一文字」が「絆」でしたね。何の絆がわかりませんが……。鳩山さんはあきらかに母子の絆でしょうけど。
また軽口を。
軌道修正。

で、この歌をつくったのは、エルヴィスELVIS PRESLEYがヒットさせた「ブルー・スウェード・シューズ」BLUE SUEDE SHOESの作者でもあるカール・パーキンスCARL PERKINS 。

でもやっぱりジョニー・キャッシュですね。
YOU-TUBEでは、バックでセイクレッドソングを十八番とするスタットラー・ブラザーズSTATLER BROTHERS(彼ら単独のDADDY SANG BASS もなかなか)とキャッシュの身内であるカーター・シスターズCARTER SISTERSがコーラスをつけています。

日本ではカヴァーしているシンガーもいないようですし、キャッシュのCDでもそのまま「ダディ・サング・ベース」になってますので、邦題はありません。
強いてつけるなら「親父の胴間声」……、コミックソングになっちゃうか。

くだらないことにはうっちゃって、最後は「讃美歌」らしくシングアウトで「親父」じゃなくて[DADDY SANG BASS]を。

歌詞も出ますので、サビだけでもご一緒に。讃美歌の聞かせどころは「サビか」? なんて。
しょうこりもない男です。とにかく楽しくなれる歌です、わたしには。

少々フライングとは思いますが、みなさま、メリー・クリスマス&よいお年を。


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レモン

お久しぶりです。
復活はやはり12月ごろかなと思っておりました。
再会はやはりこの世でないといけません。 (笑)

「メリークリスマス!」



by レモン (2009-12-25 14:14) 

MOMO

メリー・クリスマス、レモンさん。

はい、なんとか年内に1度はと思って出てまいりました。
これからはLSD(ロング・アンド・スロー・ディスタンス)でポツポツとやっていこうと思っております。

それにしてもレモンさん、素晴らしいミュージック・ライフをおくっていますね。うらやましい限りです。
来年はぜひ、レモンさんの歌を聴かせてもらいたいです。

今後ともよろしくお願いします。
by MOMO (2009-12-25 22:59) 

カチューシャ

タイミングがズレましたがどうしても讃美歌のことを書いてみたくなりました~♪
かなり「トンチンカン」かも・・・お許しあれ・・・

実は数年前「讃美歌の旋律」に魅かれしばらく聴き続けた事が
有りました~が、身近に「召されそうな人」が出現してからは
とても讃美歌が怖くなり聴けなくなってしまいました~
歌詞というか内容がリアルで逃げたくなりました~
讃美歌を聴いて安穏な気持ちにはとてもなれませんでした
特異(無知)な感性なのでしょうか
それ以来封印しました~☆

MOMOさんの復帰第一作が讃美歌・・・ふっ~、う~ん・・・
という感じで~うなりました~

因みに≪カチューシャ≫はクリスマスに、「あめにはさかえを」
「荒野のはてに」を唄いましたが「もっと、普通のクリスマスソング」
を唄えという意見と、思いがけず讃美歌を歌えてよかったという意見と
半々~やっぱりという感じでしょうか~♪

その頃、幼稚園児か小学生がオルガンの伴奏で唄っていた
「いつくしみふかき」には心を揺すられました~♪

カリーナクリスマスソングのお気に入りはNAT KING COLEが唄う
「THE CHRISTMAS SONG」と「もみの木」です☆

話変わって、先日≪カチューシャ≫にロシアの方々とアメリカの方
御一行様が御来店、「カリンカ」を延々と踊りながら唄いながら
手拍子を叩いて楽しんでいらっしゃいましたが、正直「カリンカ」の
楽しみ方を実感したことでした~♪

全く支離滅裂でスミマセン<(_ _)>






by カチューシャ (2010-01-16 16:22) 

MOMO

そうですか。
なんとなくわかりますね、讃美歌の旋律に魅かれるというのは。

わたしなどはカントリーを通じてでしかないのですが、クリスチャンでなくても、ほ讃美歌のファンって人、けっこういますよね。

それあ現実の死と結びついて怖くなるっていうのは、感受性がつよい方なんですね、カリーナさんは。

本場の「カリンカ」ですか。目に浮かぶようですね。
アメリカ人は何をうたったんでしょう。
by MOMO (2010-01-18 21:14) 

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