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その名は●けいこ③ [the name]

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♪藍色の西風 瞳にしみる 東京Bay
 ファイブシャドウに かわいたためいき
 おまえがくれた ペイズリーのタイを
 ゆるめたあと 手紙を破いた
 別れは 俺たち 大人にしたのか

 にじんだ消印 手掛かりに Lonely Town
 訪ね歩く 仲間も変わった
(「Keikoの消息」詞:松井五郎、曲:杉田裕、歌;J-WALK、昭和60年)

昨日の続き。
昭和40年代中盤というより1970年代といったほうがわかりやすい人もいるかもしれませんが、まさに和製フォークの全盛期。多くのフォークシンガー、グループの誕生とあいなりました。そんな彼らが手本にした“本家”のひとりがジョーン・バエズJOAN BAEZ 。

彼女のゆるぎない高音の美しさはあらためて女性ヴォーカルの魅力を教えてくれました。そして日本にもその声の美しさから“日本のバエズ”と称されたシンガーが2人いました。ひとりはバエズばりの高音が魅力で「この広い野原いっぱい」でデビューした森山良子
そしてもうひとりが厚みのある声で大人の雰囲気を漂わせていた小林啓子。彼女もアマチュア時代からバエズの歌をよくうたっていました。

小林啓子は昭和44年「こわれた愛のかけら」でデビュー。バエズの「風に吹かれて」BROWIN’ THE WIND や「雨を汚したのは誰」WHAT HAVE THEY DONE TO THE RAIN を思わせる和製フォークソングでしたがさほど注目されませんでした。

それでもラジオの「フォークビレッジ」(ニッポン放送)やテレビの「ステージ101」に出演し存在感を示していました。そして45年彼女の最大のヒットとなったのが「比叡おろし」。雪女を主人公にした歌で、京言葉が新鮮でした。オリジナルは六文銭で、その女性ヴォーカルが吉田拓郎の“第一夫人”だった三角佳子

小林啓子は、その後まもなく引退してしまったのでほかのオリジナル曲はあまり聞いたことはありませんが、アルバムに入っているカヴァー曲がいい。声が美しく歌がうまいからどんなカヴァーでも聴けてしまうのです。
たとえば、邦楽ならジャックス「からっぽの世界」中村八大、永六輔コンビの「遠くへ行きたい」。洋楽ならキャロル・キングCAROLE KINGの「ユーヴ・ガッタ・ア・フレンド」YOU’VE GOT A FRIENDや「イッツ・トゥ・レイト」IT’S TOO LATEなど。

数年前にカムバックし、現在は活発にコンサート活動を行っているそうです。

昭和50年代に入って早々、ボサノヴァタッチの「どうぞこのまま」をヒットさせたのがシンガーソングライターの丸山圭子。世はニューミュージックの時代に。

「ルージュの伝言」荒井由実、「無縁坂」グレープ、「想い出まくら」小坂恭子、「時代」中島みゆき、「なごり雪」イルカ、「みずいろの雨」八神純子、「いちご白書をもう一度」ばんばん
と昭和50年のヒット曲を並べてみれば、その時代の雰囲気が伝わってきます。

丸山圭子はここ数年しばしばTVで見ます。つまりナツメロいや、オールディーズの番組が増えてきたということ。♪笑くぼの可愛い子 でしたが もはや?才をすぎ並木。
もちろん今も健在で、コンサート、新譜発表、チャリティー、音楽学校講師と多忙な日々を送っている、とブログに書いてありました。

その彼女のブログのコンサート予定の記事の中に共演者として水越けいこ(以前は恵子だった)の名前が。
彼女もシンガーソングライターで年齢はともかく、キャリアでは丸山圭子の後輩。印象に残っているのは彼女の自作ではありませんが片思いの男の子のピュアな気持ちをうたった「Too far away」。今も昔もの女性がうたう“僕歌”。なぜか“俺歌”はあまりないんだよね。だいたい女性シンガーには似合わない。しっくりくるのは和田アキ子大西ゆかりぐらい。

軽口はどうでも。もちろん彼女も現役。

昭和も末期、60年代に入るとバンドブームの兆しが。
そんななかで異彩を放ったバンドのひとつが、ガールズバンドのSHOW-YA。ヘヴィメタ、ハードロックと男勝りのサウンドで人気に。そのヴォーカルが寺田恵子
うたのうまさとその迫力はデビュー前から定評。日本のジャニスなんて。

SHOW-YA解散後はソロ活動継続中。
アン・ルイス、カルメン・マキ、りりィ、葛城ユキらの先輩ロッカーのカヴァーCDをリリースしたとかするとか。

時代変わりまして平成。
「ちびまる子ちゃん」のテーマ「おどるポンポコリン」のバックコーラスBBクィーンズから「想い出の九十九里浜」Mi-Keを経て現在はやはりソロ活動を続けているのが宇徳敬子
ほかにも名古屋出身の在日韓国人ジャズシンガーのケイコ・リー(本名は敬子)や、gloobのヴォーカルはKEIKO(本名は桂子)などがいます。

上にのせた詞はJ-WALK「Keikoの消息」
歌詞にKEIKOという名前は出てこない。つき合っているときも呼びかけは「おまえ」とか「ねえ」とかで名前を言わないタイプだったのかもね。とにかくタイトルからもわかるように、別れた女への未練節。

しみじみいい名前だ「けいこ」って。「けいこ」ちゃん、親戚にもいましけど、小学校のクラスメートにもいたな。学級委員の川上恵子ちゃん。頭が良くて、器量よしで(不思議と勉強のできる子は可愛く見えたり)、クラスいちばんのオチビさんで、そのくせどことなくおませでね。

だから、「けいこさん」というと、みんな聡明で小柄な女性をイメージしてしまいます。
実際「けいこさん」は背丈の小さい可愛い人が多いんじゃないかな、甘いマスクでね。だからよく言うじゃないですか、「ショートケーコ」って。
えっ? 顔の長い人も多いって?「お馬のケーコ」なんて……。もういいか。

 

えー、突然なのですが、よんどころ無い事情でしばらくこのブログを“休業”することになりました。いずれまたはじめようと思っていますので、その節はお付き合いのほど、よろしくお願いします。

改めまして、いままで読んでいただいた皆さん、どうもありがとうございました。

SO LONG!


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