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その名は●アダム [the name]

ブライアン・アダムス.jpg
In the Garden of Eden a long time ago
There was born a story I'm sure you all know
I'm sure you remember, I know you believe
The story of Adam and Eve
…………
There within the garden walls
They both fell in love
Sheltered by the guiding hand
Of the one above
Life was filled with happiness
Until one day arose
A very great temptation
Well, you know how it goes
([ADAM AND EVE]words, music and vocal by PAUL ANKA, 1960)

「アダムとイヴ」は聖書の「人類創世」で神がつくった初めての人間として出てくる。
まず神は土から男のアダムをつくり、アダムのあばら骨からイヴをつくったという神話は日本人でもよく知られた話。つまり人間第一号がアダムであり、二号がイヴというわけ。
もちろん異論もあり、聖書でも神がアダムとイヴを同時につくったという記述もあるとか。また、アダムとイヴを作ったのは神ではなく宇宙人だという超現実的な説だって。

アダムの語源は生まれた土(アダマ)によるもので、ヘブライ語では土のほか人間、赤という意味があるのだとか。

その偉大な名前は当然受け継がれることに。イギリスの経済学者で「国富論」を著したアダム・スミスADAM SMITH のようにそのまま名前につかわれていることもあるが、アダムスADAMS、アダムソンADAMSON など名字の場合が多い。

音楽ではカナダ出身のロッカー、ブライアン・アダムスBRYAN ADAMS がいる。
「思い出のサマー」SUMMER OF '69、「ラン・トゥ・ユー」RUN TO YOU、「ルーム・サーヴィス」ROOM SERVICEなどのヒットがあるほか、映画「ロビンフッド」、「三銃士」、「ドンファン」の主題歌をうたったことでも知られる。アメリカよりもヨーロッパとりわけイギリスで絶大な人気を誇った。

ロックでいえばもうひとり、“一字違い”?のライアン・アダムスRYAN ADAMS も。
かつてはオルタナティブ・カントリーの旗手などといわれたが、アルバム「ロックンロール」ROCK N ROLL を聴くと完全にオーソドックスなロッカー。
ハンク・ウィリアムHANK WILLIAMSスのトリビュートアルバムでは「ラヴシック・ブルース」LOVESICK BLUESをカッコよくきめいていた。

また「アダム」はイタリアでは「アダモ」ADAMO となる。
かの「雪が降る」TOMBE LA NAGE「サン・トワ・マミー」SANS TOI MAMIE、「夜のメロディー」LA NUITでおなじみのアダモがそう。
アダモといえば、シャンソンあるいはフレンチポップスとして知られているが、本名はサルバトーレ・アダモSALVATORE ADAMOイタリアはシシリー島出身。

名前のほうでは若手のジャズピアニスト、アダム・バーンバウムADAM BIRNBAUM がいる。
学生の頃からクラシックとジャズを器用にこなす逸材で、ジュリアード音楽院の出身。ポップス、ラテンなんでもござれだが、彼のオリジナルに[KITANO BLUES]というのがある。キタノブルース、北のブルースってなんか演歌みたいなタイトルだが、これ日本語に直すと「北野ブルース」で、北野とはニューヨークにある有名なホテルのことだとか。なんでも、一流ミュージシャンが出演するジャズラウンジがあるそうだ。(YOU-TUBEは市原ひかりとのセッション。レイ・ブライアントRAY BRYANT でおなじみの名曲をやってます)

歌に出てくる「アダム」は上にのせたポール・アンカ「アダムとイヴの物語」ADAM & EVE
以前も紹介したが、彼が出演した日本未公開映画の自作挿入歌。聖書にあるアダムとイヴのエピソードを歌にしている。
日本では60年代に藤木孝がカヴァー。また70年代に入ってゴールデン・ハーフが「ゴールデン・ハーフのアダムとイヴ」で再カヴァー。

ほかではアイリッシュで「ブライト・ブルー・ローズ」BTIGHT BLUE ROSE「ウォーター・イズ・ワイド」WATER IS WIDEで知られるメアリー・ブラックMARY BLACK「窓辺のアダム」ADAM AT THE WINDOWがある。
フォーク調の軽やかな伴奏に乗って、男(アダム)の人生の春、夏、そして秋を紡ぐようにうたっている。

ゴールデン・ハーフが出たので日本の「アダム」をおまけで。
まず懐かしきGS時代、アダムスがいた。昭和43年のGS後発組で、そのせいか“第二のタイガース”という売り出し方にもかかわらず、ブレイクせずに解散。それでも、翌年のブロマイド売り上げではスパイダースを抜いて6位に。ちなみに1位はオックス。
♪神様ははじめ 天と地をつくり…… と天地創造をうたった「旧約聖書」(もちろん歌詞にアダムとイヴも出てくる)や、
♪月の光こぼれる部屋で まつげ閉ざしあなたは眠る というメルヘンタッチの「眠れる乙女」など数曲をリリース。

そのほかカルメン・マキが
♪アダムとイヴ 愛し合っても ひとりとひとりは やっぱりひとりとひとり
とうたう「アダムとイヴ/ひとりとひとり」が。長いコーラスから入るいかにも60年代末のロックミュージカルというタッチの歌。谷川俊太郎新川和江などの現代詩人が作詞を担当したアルバム「アダムとイヴ」の1曲で、作詞は高橋睦郎、作曲は坂田晃一

また布施明「愛の園」では、
♪愛し合ってる二人だけ ちょうどアダムとイヴのように
とうたわれている。

先日テレビであるタレントが「だって俺たち、みんなアダムとイヴの子孫なんだから……」とのたまってらっしゃった。つまり彼は「人類みな兄妹」だから仲良くしようよ、と言いたかったのだろう。

チョットマッテクダサイ。自分の先祖が猿だっていわれるのもいささか抵抗があるけど、「アダムとイヴ」ていうのもちょっとねぇ……。だいち日本にはイザナミ、イザナギの神話があるし。
まぁ、クリスマスやバレンタインデーはもちろん、最近ではハロウィンまで日本の文化にしちゃってますから、日本人の祖先がアダムとイヴだと思うのも不自然ではないのかも。神から生まれたというより神がつくったというほうがリアリティがあるし、イザナミ&イザナギより、アダム&イヴのほうがカッコいいものね。


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レモン鈴木

今個人的に 例のSTAR DUST といういう曲を練習しています。
MOMOさんの記事を読んでいたらbe Side a Garden garden wall という有名なフレーズはエデンの空の星たちをイメージして作られた可能性もあるかも知れないと思えてきました。
きっとホギー・カーマイケルは夜一人ピアノの前でそんな気持ちであのすばらしいメロディーを紡ぎ出したと勝手に想像すると楽しいですね。

それにしてもMOMOさんの話題の豊富さはすごいですね。
これからも楽しみにしています。


by レモン鈴木 (2008-11-06 07:32) 

MOMO

レモンさん、こんにちは。

読んでいただいてありがとうございます。

「スターダスト」いいですね。弾き語りですか? 演奏ですか? そういう話を聞くと、ついスタンドで埃まみれになっているギターに目がいくのですが、悲しいかな、なかなか手が伸びないんですね。

われわれの年代では多分、初めて聴いたのはTV「シャボン玉ホリデー」のエンディングのピーナッツの歌でしょうね。

まさに昔からある癒しの音楽ですね。
by MOMO (2008-11-07 20:15) 

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