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北京五輪⑧海彦山彦 [deporte]

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昨晩の陸上男子400mリレー決勝は、かなり期待していました。あわよくば、ジャマイカや他の強豪チームがバトンミスして金メダルも……なんて。

まぁ、世の中そんなうまくはいかないけどそれでも3位、銅メダル。末続、朝原とバクダンを抱えながらの力走を思えば、拍手、拍手、拍手。

アテネの金2つに比べ、今大会はメダルゼロという流れだっただけに、陸上陣もホッと胸を撫でおろしていることでしょう(まだ男子マラソンが残っている)。準決のアメリカ失格という幸運もありましたが、堂々とした銅。

それにしても、トラックのメダル獲得は80数年ぶりだとか。その先駆者がかの“昭和の鉄女”人見絹江だったのには驚いた。そうなんだ、あれ以後誰もメダルに届かなかったんだ。長距離の“小さな巨人”村社講平も、“暁の超特急”の異名をとった100mの吉岡隆徳も入賞までだったんだ。

しかし、陸上もトラックは今も昔もキビシイ競技ですが、フィールドとりわけ跳躍では華々しい時代を築いたことがありました。
三段跳びで金メダルを獲った織田幹雄、南部忠平、田島直人。3大会連続の日本人金メダルでした。田島は走り幅跳びでも銅メダル。そのほか棒高跳びの西田修平大江季夫の銀、銅。いずれも戦前の話で、なぜそんなに強かったのか不思議に思えるほど。

と同時にこの時代は水泳も強く、ロサンゼルス大会(昭和7年)の100m背泳ぎ金、銀、銅独占をはじめ、毎回のように金をはじめいくつものメダルを獲って“水泳王国”なんていわれたものでした。

つまり、陸上も水泳もかつては世界レベルの選手を擁する時代があったのです。それが、水泳はともかく陸上の凋落ぶりは激しく、目標もメダリストではなくファイナリストになったりして。
唯一気を吐いていたのがマラソン。とりわけ女子は有森裕子の2大会連続メダル(銀、銅)に続いて高橋尚子、野口みずきの連続金メダル。そしてアテネではハンマー投げ室伏広治の金がありましたが、水泳との差は歴然。

なぜに2つの競技はこれほど差がついてしまったのか。ジュニア、もっといえば幼児からの育成に対する力のそそぎ方の違いがあるのでしょうか。

しかし今回の北京での陸上男子400mリレーの銅メダル。これによって、1600mも含め当面はリレー競技を日本陸上トラックの“お家芸”にしてもらいたいし、その可能性はあります。
そして、いつの日かトラックの長距離やかつて全盛を誇ったフィールドの跳躍でスーパースターが出現することを夢見たい。トラック&フィールドのファンには、そんな期待を抱かせる今回の400mリレーでした。

古事記にでてくる「海彦山彦」は、試練を受けた山彦がやがて海彦を服従させるという話だった。それを水泳、陸上の競技にたとえるなら、水泳は海彦で陸上が山彦。その山彦は今試練の時代(長いなぁ)のまっただ中。早く失くした針を探して低迷から浮上してほしい。そしてやがては水泳と肩を並べる、さらには凌ぐ時代がやってくることを期待したいものです。

(蛇足)
それにしても、400mリレーは各個人の能力よりもバトンを繋ぐ技術をはじめチームワークがいかに大事かということを立証してくれました。
その真反対にあったのが、日本の野球チームだったと思う。

チームワークが最大の武器であることは、400mリレーだけでなく女子ソフトボールでも視聴者が目の当たりにしたこと。
もはやはじまっていますが、これから雑誌、新聞をはじめマスコミで「星野ジャパン叩き」が広がっていくでしょう。監督、コーチ、スタッフ陣はある程度しかたないけれど、昨日もいったように個々の選手を“戦犯”扱いするのはどうでしょうか。

中には請われてメンバーになった選手もいるだろうし、本業を犠牲にしてオリンピックに出たあげくが、成果が上がらずマスコミ、ファンからバッシングを受けたのでは、あまりにも気の毒。あまり選手個人の責任を追及すると、国際大会に出ようという選手がいなくなってしまうね、きっと。オリンピックからは除外されたけど、WBCもありますし。

北京の不振を教訓にして、“オールプロ野球”のチーム・ジャパンをつくるときは、チームワークを第一義的に重視するメンバー選びや練習をすればいいのではないでしょうか。

最後に今回の野球メンバーがこのあと、公式戦に戻ってショックからスランプに陥らないことを願うばかりです。


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