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夏歌⑨SUMMERTIME BLUES [noisy life]

夏歌⑧サマータイム・ブルース.jpg

Well I'm a-gonna raise a fuss
I'm a-gonna raise a holler
About a-workin' all summer
Jusr to try to earn a dollar
Well the time will come, baby
Try to get a date
My boss says' "No dice, son
You gotta work late."

Sometimes I wonder
What I'm gonna do
But there ain't no cure
For the summertime blues
([SUMMER TIME BLUES] words & music by EDDIE COCHRAN & JERRY CAPEHART, 1958 )

50年代のロカビリーの名曲の中でもっともノリのいいのがこのエディ・コクラン「サマータイム・ブルース」SUMMERTIME BLUES
1958年ということは昭和33年。日本ではロカビリー全盛。
でも、この「サマータイム・ブルース」をカヴァーしたという話は聞きません。コクランがその前の年にリリースした「バルコニーに坐って」SITTIN' IN THE BALCONY山下敬二郎がカヴァーしてますが。

だいいち「バルコニー~」はカヴァーされてもエディ・コクランというロックンローラーの名前が聞こえてきません。
当時、日本のロカビリアンのアイドルといえば、エルヴィス・プレスリーELVIS PRESLEY、ポール・アンカPAUL ANKA、ジーン・ヴィンセントJEEN VINCENTE、パット・ブーンPAT BOON などで、エディは圏外。

というわけで、わたしを含め一般の洋楽ポップスファンがエディ・コクランと彼の「サマータイム・ブルース」を知るのはずっとあとのこと。
初めて聴いたのはいつだったか覚えていませんが、あんな時代にこんなロックな曲が……と感激したのは覚えています。
ほかにも「カモン・エヴリバディ」C'MON EVERYBODY 、「サムシン・エルス」SOMTHIN' ELSE 、「ティネイジ・ヘヴン」TEENAGE HEAVEN など、今聴くとあの時代に行けるロックン・ロールを歌っています。

1957年に初のシングル盤「バルコニーに坐って」を出し、翌年全米チャート8位の「サマータイム・ブルース」を出した後、60年に自動車事故で亡くなります。
わずか数年という音楽活動は、彼にとっても不本意だったでしょう。
しかし、何年かに突然やって来るロカビリー・ブーム。その都度、エディ・コクランは墓の下から名曲「サマータイム・ブルース」に乗って甦ってくるのです。

そしてビートのきいたサウンドと、安賃金で働くアルバイターのある夏の悲哀がうたわれている、なにやら現代日本に通じる歌詞は名曲のならいどおり、多くのミュージシャンにカヴァーされ、エディ・コクランの名前もまた伝承されているわけです。

では、例によってカヴァー・ミュージシャンたちを。

まずはサイケデリック・バンドのブルー・チアBLUE CHEER 。これが最もハードロックぽいカヴァー。ザ・フーより先にレコーディングされたもので、カヴァーのなかでは最大のヒット。全米14位に。

次はグラム・ロックのTレックスT.REX。演奏のわりにマーク・ボランMARC BOLANのヴォーカルはおとなしくて聴きやすい。

続いて元ストレイ・キャッツSTRAY CATSブライアン・セッツァーBRIAN SETZER
これはリッチー・ヴァレンスRICHIE VALENS の生涯を描いた映画「ラ・バンバ」La Bambaの中で親交のあったコクランの役をコクランを敬愛するブライアンがつとめたということ。ロカビリーはネオ・ロカビリアンに、ということ。当然コクラン盤にのっとっての演奏。微妙に違いますが。

そしてこれは日本でもかなりポピュラー(もしかしたらオリジナルよりも)なザ・フーTHE WHO によるカヴァー。かのウッドストックで演奏された。オリジナルをそこそこ忠実にたどっているが、半拍ずらして彼らのオリジナリティを出しているとか。順番からいうとオリジナルのあとに聴いたのがフーでした。

おまけはインストで、ベンチャーズ THE VENTURES
入り方はブルー・チア版。本編はノーキー・エドワーズの教科書のようなわかりやすいリード・ギター。ずいぶんおとなしい「サマータイム・ブルース」。聴いているうちに「シークレット・エージントマン」SECRET AGENT MANになってしまうのでは、と心配するほどの軽さ。1968年盤というからブルー・チアのヒットによってレコーディングにリストアップされたのかも。

サマータイム・ブルースだけ聴くつもりだったんだけど、つい。

やっぱりベンチャーズは夏だ。海の家特設ステージで演奏している姿が目に浮かびます。なわけはないのですが。とにかく結局、2枚組ベスト盤すべてを聴いてしまいました。余談ですが。

さらにYou-Tubeではブルース・スプリングスティーンBRUCE SPRINGSTEEN、ヴァン・ヘイレンVAN HALEN などがありました。
これらもなかなか聴かせてくれます。誰が歌い、演奏してもスンナリ入ってくるということはやはり名曲なんですね。

そんな名曲なら日本でも。もちろんカヴァーされています。
RCサクセションギター・ウルフ盤もいいですが、イチバンは王様盤。
「夏の憂うつ」という邦題で、ほぼ原詞どおりに訳しています。
♪どうすりゃいいのか わからない つける薬ない 夏の憂うつ

学生の頃、海へ山へって急かされるように行っていたけれど、アルバイトも毎年のようにしてました。ひと夏で何カ所も仕事先を変えたり。
いろいろやりましたが、まさに夏のバイトといえるのが、アイスクリーム工場での経験。
求人誌の「アイスクリーム」の文字だけに目がくらんで。涼しいぞ、喰えるぞで欲の皮がはちきれそう。時給だって相場より高かった。
事務所で面接即OK、じゃあさっそく今日からってことで工場へ行って驚いた。なんと工員はほとんど上半身裸。それもそのはず工場内はものすごい熱気。

アイスクリーム製造ではなく、ソフトクリームをいれるコーンを作る工場なのでした。ドロドロに溶かした材料をコーンの型に入れそれがものスゴイ熱の大きな釜の中を回転しているのです。出てきたヤツを軍手で型からはずして……。
やりましたよ、上半身裸で。それでも汗びっしょり。休憩時間には岩塩を呑み込んで。

2週間でギブアップ。1カ月続かなかったら時給を減らすという条件だったとか(そんなの知らないよ)。結局報酬は相場以下。求人誌に仕事の詳細を書けよ!
どうすりゃいいのか 夏の憂うつ。


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アコ

エディ・コクラン好きです!50’sロックはエディからジーン・ヴィンセントの流れで聞くようになりました。リンク先の動画かなり楽しく見ました(コーラスの人の割り込み方が気になりました。)
「墓の下から名曲とともによみがえってくる」というのがまたいいですねー。
ロックンロール・サマーアンセムだと思います!
by アコ (2008-08-01 20:39) 

MOMO

アコさん、こんにちは。

エディ・コクランにジーン・ヴィンセントですか。なにか因縁じみてますね。
日本ではジーン・ヴィンセントのほうが断然の人気でしたね(今はどうですか)。コクランは活動が超短期だったので、当時の知名度が低かったのかもしれませんね。
でも、コクランのほうがハンサムボーイですね。
by MOMO (2008-08-01 20:53) 

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